黄葉村曹雪芹記念館

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 北京・黄葉村は曹雪芹が晩年の20年余りを送り、紅楼夢の執筆を行った地とされています。

 曹雪芹が晩年を北京西郊の西山で過ごしたことは、彼の友人(敦誠・張宜泉ら)の詩に記されていましたが、1971年4月に香山の正白旗村39号にある旧屋(もとは清代の旗営)で壁に書かれた詩文(対聯)が見つかり、曹雪芹の旧居ではないかと注目を集めました。これに先立つ1950年代、紅学者の呉恩裕氏が香山一帯で曹雪芹に関する伝承を収集しており、曹雪芹の友人の鄂比(がくひ)が彼に贈ったとされる詩文に酷似していたためでした。

 紅学者の呉世昌氏の鑑定により、この詩文は曹雪芹とは無関係と断定されましたが、その後も胡徳平氏らによって曹雪芹の旧居が香山にあったという一定の考証がなされ、1984年4月にこの旧屋を中心に曹雪芹記念館が設立されました。

 その後、2001年と2008年に大きな改修がなされ、その都度、展示内容を充実させて現在に至っています。


記念館周囲
 黄葉村曹雪芹記念館は北京植物園の南東部に位置します。茅葺きの入口の門(左図のA)をくぐると、正面に曹雪芹の塑像が鎮座しており、記念館はその奥にあります。
 記念館の裏側には2門の紅衣大砲が置かれており、曹雪芹の高祖(祖父の祖父)・曹振彦がこの大砲の鋳造の任にあたっていたとのことです。

曹雪芹記念館入口 曹雪芹座像
曹雪芹立像 紅衣大砲


記念館展示内容
 記念館の入口をくぐると、「壁に題された詩」が発見された「旗下老屋」があります。これは、清代の健鋭営(正八旗の駐屯地)の営房で、曹雪芹も同じく健鋭営の営房に住んでいたと伝えられています。
 続いて第1展庁(ギャラリー)に入ると正面に曹雪芹の胸像があり、3室にわたって以下の資料が展示されています。旧屋にあった「壁に題された詩」は第1ギャラリーにあります。最奥には売店も併設されており、紅楼夢関連の書籍やグッズが購入できます。

第1展庁
 「建館由来」 記念館設置の来歴について
  (1)詩文口碑 (2)題壁遺文 (3)雪芹書箱 (4)曹公佚著 (5)風雨廿年
 「家世淵源」 曹雪芹の家系に関する資料展示
  (1)従龍勲旧 (2)世為織造
第2・3展庁
 「雪芹一生」 曹雪芹の生涯に関する資料展示
  (1)金陵歳月 (2)燕市奔波 (3)黄葉著書 (4)遺愛西山
 「千古風流」 紅楼夢の海外への伝播や紅学に関する資料展示
  (1)《紅楼夢》的伝播 (2)《紅楼夢》研究 (3)紅楼芸術

記念館入口 「旗下老屋」
曹雪芹胸像 「題壁詩」
展示室内部(雪芹一生) 展示室内部(千古風流)