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少女役者から宝玉づきの侍女見習になり、後に仏門に入った耶律雄奴こと芳官。
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「(芳官は)玉色・紅青色・駱駝色の三色の緞子を市松模様に織った短い袷の上衣一枚になり、柳緑色の腰帯を締め、下には水紅地に花の散らし模様の入った袷のズボンをはき、その裾は開けたままにしていました。髪は小さなお下げに編んだのを眉間のあたりで一巻きして、頭のてっぺんで鵞鳥(がちょう)の卵ほどの太さのお下げに結い直し、後ろに垂らしています。また右の耳たぶの孔には米粒ほどの小さな耳玉をはめ、左の耳には銀杏(ぎんなん)の実ほどもある、金縁を施した赤い大きなイヤリングを下げています」(第63回・宝玉の誕生内祝)
「(宝玉は)芳官が頭髪を梳いて、わがねた髷を花かんざしで飾り立てているのを見ると、頭をこしらえ直すように命じました。頭のまわりの短い髪の毛を全部剃り落として、青々とした頭の皮を見せるようにし、頭のてっぺんで真ん中から分けるようにと注文をだします。
更に「冬には大貂の臥兎児をかぶり、足には爪先がまき雲の上に据わった虎頭の五色の武者靴を履くんだ。もしもズボンの裾を締めずにおく時は、白の靴下に厚底金具つきの靴を履くようにするんだ」と指示を与えます」
(第63回・宝玉が芳官に男装させる場面)
「当の雄奴(芳官)はオンドルの上に仰向けになり、花模様を散らした襦袢、赤のズボンに緑の足袋を穿いていました」(第70回)