![]() ↓マウスカーソルが触れると画像が表示されます(クリックしないでください)。
女傑・王熙鳳。
冬場に毛皮製品を着用するのは貴族階級では一般的だったそうで、作品中にも多くの描写があります。山東画報出版社「紅楼服飾」によれば、毛皮のスカートは満州族が北京に入関する前の服装だったそうです。月刊「しにか」1992年1月号によれば、貂・灰鼠(ちんちら)・銀鼠(しろりす)は現在の東北三省(遼寧省・吉林省・黒竜江省)で産出されたそうですが、紫貂や銀鼠は特に希少で非常に高価なモノだったようです。 |
![]() | |
南海出版公司「図解紅楼夢」より |
「紫貂の毛皮でこしらえた昭君套をかぶり、真珠をちりばめた鉢巻でそれをしめ、花模様の入った桃色の上衣、青藍色の刻糸に灰鼠の毛皮を裏打った披風、それに舶来の緋縮緬に銀鼠の毛皮を裏につけたスカートを着け、厚化粧もあでやかに、きちんと正座しています」(第6回)
「髪飾りは白ずくめの銀細工、体には薄浅黄色の緞子の長上衣の上から黒緞子の披風(ひふ)をはおり、白綸子無地のスカートをはいています」(第68回・尤二姐との初逢時)
「眉は柳の葉のようにすらりと反り、両の眉尻は高くつり上がり、目は丹凰を横たえたごとく、三角の瞳は神を凝らし、その麗しさは三春の桃を思わせ、清らなることは九秋の菊のごとしとでも言えましょうか」(第68回)