平井 | この間の『めぞん一刻』の温泉のシーンは行かないでかいた? |
高橋 | あれは実は行ったんです。お正月に最寄りの人々と連れ立って伊香保に行きましてね。(中略)編集さんのほうがこれは使わないと損だと思ったらしく、「温泉ものかかない?」と言われたんですよ。そうするとやっぱり行ってみてよかったなというところはありますね。 |
伊香保温泉といえば石段。斜面にはりつくように続く長さ300メートル、360段の石段は伊香保のシンボルであり、一刻館一同もこの石段通りを登って宿へ向かいました。
冒頭で五代君が「別にい〜」と言いながら登っていた場面は、完全に同じ場所が見つからなかったのですが、下の2カ所を候補としてみます。与謝野晶子の詩が石段に刻まれた、石段通りの中腹付近です。
「別に〜」の場所? | 「別に〜」の場所? |
次の写真は五代君がみんなの荷物を背負って「温泉なんて来るんじゃなかった…」と言いながら登っていた場所です(クリックすると原作との対応図が見られます)。原作の「資生堂化粧品」の看板については、2001年3月時点では、右側の青みがかった建物(松田百貨店)に「SHISEIDO」の青い看板が確認できました(右の写真)。しかし2002年8月時点では既になくなっていました。
原作のちょうちんや「ことぶき」「しずかスナック」の看板も、同じ位置にあります。ただし、ご覧のように「スナック鶴亀」の看板になっており、当時は原作のとおりだったのか、高橋留美子さんが書き換えたものなのかは分かりません。
また「スナックつるかめ」というお店は原作の最終コマにも登場しますのでご確認ください。
五代が登っていた石段 | 資生堂の看板 |
三鷹が立っていた所 |
古久屋旅館 |
古久屋の男性展望大浴場 |
古久家旅館のマーク |
以上から、一刻館住人には敷居が高すぎる高級旅館ですが、高橋留美子さんが実際に古久屋旅館に泊まって、モデルにした可能性は高そうです。
もちろん、ロビーも部屋のつくりも食事も原作の宿とは比較にならないほど格調高く、優雅な一夜を過ごせましたことを付け加えさせていただきます。