紅楼夢関連グッズ

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書籍
(1)紅楼夢の邦訳本(完訳)

◯岩波文庫「紅楼夢」
全12巻 松枝茂夫訳(岩波書店)

各693~798円。
愈平伯校訂「紅楼夢八十回校本」(後40回は程乙本)を底本にした松枝先生の完訳本。伊藤先生の訳より柔らかくて読みやすく、この本から紅楼夢に入ったという人も多いようです。
2005年に復刊されましたが、その後増刷されていないのか、現在は品切れ状態になっているようです。岩波書店にはちゃんとケアしてもらいたいものです。

◯平凡社ライブラリー「紅楼夢」
全12巻 伊藤漱平訳

各1,400円(+税)【電子書籍あり】
愈平伯校訂「紅楼夢八十回校本」改訂版(後40回は各種版本)を底本にした伊藤先生の完訳本。平凡社からは伊藤先生の訳になる「中国古典文学全集」、「中国古典文学大系」、「奇書シリーズ」、「平凡社ライブラリー」の四シリーズが出ています。オンライン書店等で入手できます(現在一部が品切れになっているようです)。

◯集英社版世界文学全集11~13「紅楼夢」
全3巻 飯塚朗訳 [入手困難]

各1,260円。人民文学出版社本を底本にした飯塚先生の完訳本。3種の完訳本の中で最も文章が柔らかいと思います。現在は入手困難なため古本屋を探すしかありません。

◯「新訳 紅楼夢」
全7巻 井波陵一訳(岩波書店)

各3,200~4,400円(+税)【電子書籍あり】
前80回は庚辰本、後40回は程高本を底本とした井波先生の完訳本。第66回読売文学賞 研究・翻訳賞を受賞された本作は、「誰でも読める現代口語訳」を目指して、完成まで15年を要した労作です。細かいところまで配慮がなされ、非常にわかりやすい翻訳となっています。

(2)紅楼夢の邦訳本(抄訳)

◯「新編・紅楼夢」
全1冊 石原巌徹著(春陽堂書店) [入手困難]

定価260円。1958年発刊の抄訳本。表紙と挿絵は棟方志功氏によるもの。文章は意外に軟らかく、本文中に適度に補完もあり(改変も多々ありますが(^^;)宝黛釵のエピソードを中心に、1冊で紅楼夢のエッセンスを味わうことができます。

◯「中国文学名作全集8《奥野信太郎編集》紅楼夢」
全1冊 君島久子著(盛光社) [入手困難]

定価578円。1967年に刊行された抄訳本で、対象は「小学校高学年~中学生」という画期的なものです。
宝黛釵の主要なエピソードから20余りを抜粋して順に羅列したという感じです。他の抄訳本が1冊に詰め込むために前後のエピソードを交錯させたり、回想シーンを入れたりと構成上の工夫をしているのに対し、この本は、入らないものは無理に入れないというスタンスのようです(^^; また、前80回と後40回が分量的には半々です(中盤はすっぽり抜けています)。
また本書は、切り絵作家・滝平二郎氏のイラストがふんだんに使われており、こちらも見物です。ネットでも滅多に見つからない幻の本ですが、図書館には置いてあるところもあるそうです。

◯「ザ・紅楼夢」
全1冊 林語堂編/佐藤亮一訳(第三書館) [入手困難]

定価1,890円。1992年に刊行された大判の抄訳本。元々は1983年に六興出版から全4巻で出ていたものです。現在は品切れ状態のようです。

◯「要訳紅楼夢」
全1冊 王敏著(講談社)

定価1,890円。2008年に刊行された抄訳本。主要なエピソードのみを追いながらも、回想や挿話などで他のめぼしいエピソードについても逐次挿入されており、1冊で紅楼夢全般についてよくまとめられています。現在は中古本のみ入手可能なようです。


(3)紅楼夢を題材にした小説

◯「私版・紅楼夢」
飯塚朗著(沖積舎) [入手困難]

定価1,890円。紅楼夢の主要場面を再構成した形のオリジナル小説。細部や人物描写、後半の展開などは原作と大きく異なる点が多く、原作の展開を頭に入れて読むとかなり面食らうかも。

◯「風月夢夢 秘曲紅楼夢」
藤水名子著(毎日新聞社/講談社文庫)

毎日新聞社/2,310円、講談社文庫/1,260円 【電子書籍あり】
かつてサンデー毎日で連載されていた「風月夢夢~私の紅楼夢」の単行本化。曹雪芹が巻き込まれる事件と紅楼夢のエピソードが交錯する形で物語が進んでいきます。現在は中古本のみ入手可能なようです。

◯「紅楼夢の殺人」
芦辺拓著(文芸春秋/文春文庫)

文芸春秋/1,950円、文春文庫/770円。紅楼夢を舞台としたミステリ小説。大観園で起こる奇怪な連続殺人の真相は? 本格ミステリでありながら、紅楼夢の世界が緻密なまでに再現されていて紅迷の皆様には特にお薦めです。文藝春秋80周年記念出版。現在は中古本のみ入手可能なようです。


(4)紅楼夢関連本(和書)

◯「漫画版紅楼夢」
原案:王敏、作画:北本守(ソレイユ出版) [入手困難]

定価1,260円。日本初の紅楼夢の漫画本。ストーリーは多少アレンジされていますが、原作の基本部分は押さえてあるようです。第1巻のみ刊行されていますが、現在入手不可。

◯「物語版紅楼夢」
著者:王敏(ソレイユ出版) [入手困難]

定価1,890円。漫画版紅楼夢の原作らしい。「太虚幻境の巻」のみ刊行されていますが、現在入手不可。中途で終わった作業は「要訳紅楼夢」に引き継がれました。

◯「中国劇画紅楼夢」
全2巻(中央公論新社) [入手困難]
◯「画本紅楼夢」
全5巻(中央公論新社) [入手困難]

「中国劇画紅楼夢」/各1,408円、「画本紅楼夢」/各880円。上海人民美術出版社の連環画に松枝先生が邦訳と解説を書いたもの。これから紅楼夢の世界に入ったという人も多いようです。残念ながらいずれも現在絶版のため、古本屋等を探すしかありません。

◯「紅楼夢入門」
蒋和森著/小川陽一訳(日中出版) [入手困難]

定価1,988円。紅楼夢は封建社会を批判する書であるとする紅楼夢観に立って書かれたもので、中国で紅楼夢がどのように解釈されていたかを知ることができます。いわゆる入門書ではありませんので注意。
第一章 紅楼夢が生まれた時代
第二章 紅楼夢の作者と続書と影響
第三章 紅楼夢の封建社会に対する批判
第四章 紅楼夢の中の三人の主要な人物形象
第五章 紅楼夢の愛情描写の歴史的意義と限界
第六章 封建社会によって損われた女性の形象
第七章 封建統治階級の代表的人物
第八章 紅楼夢の芸術的成果
第九章 紅楼夢を批判的に継承する

◯月刊「しにか」1992年1月号~特集◎紅楼夢の世界~
(大修館書店) [入手困難]

定価680円。こちらも中古本を探すしかなくなったようです。
・『紅楼夢』の背景 小山澄夫
・賈家をめぐる人々 井波陵一
・『紅楼夢』のお正月 斎藤喜代子
・『紅楼夢』に見る満朝貴族の食生活 木村春子
・大観園からのメッセージ 中島みどり

◯週刊朝日百科「世界の文学」第108号~紅楼夢・金瓶梅ほか~
(朝日新聞社) [入手困難]

定価560円。「女たちの世界」として紅楼夢と金瓶梅を特集。全34Pの2/3は紅楼夢に充てられ、図や写真も豊富で楽しめます。オールカラー版。
・中国最高の古典小説 井波陵一
・『紅楼夢』と近代日本の作家 劉建輝
・永遠のヒロイン林黛玉 井波陵一
・『紅楼夢』の残したもの 濱田麻矢
・曹家と清朝 小山澄夫

◯チャイナラブストーリー「司棋と又安」
矢野光治編(駿河台出版社) [入手困難]

定価1,575円。中国語の学習テキスト。前書きに「この本は中国語の入門・初級段階を修了した人たちを対象にした読物です」と書かれています。秦司棋と潘又安の悲恋の物語がイラストと共に綴られています。なぜか北京大観園の紹介ページもあります。

◯「中国の五大小説(下)水滸伝・金瓶梅・紅楼夢」
井波律子著(岩波新書)

940円(+税)。「五大小説」と銘打って上巻で三国志・西遊記、下巻で水滸伝・金瓶梅・紅楼夢についてそれぞれの概要や醍醐味を記した大著。紅楼夢の構想について、金瓶梅をどのように派生、発展させていったかが興味深かったです。

(5)紅楼夢研究書

◯「『紅楼夢』新論」
合山究著(汲古書院) [入手困難]

4,000円(+税)。1998年に刊行された合山先生の紅楼夢専著。紅楼夢は仙女崇拝小説であると結論づけて独自の紅楼夢論を述べたものです。巻末に伊藤漱平先生が跋文を寄せています。
第一章 『紅楼夢』と花
第二章 明末清初における女性尊重の進展と『紅楼夢』
第三章 明清の文人とオカルト趣味
第四章 『西青散記』の世界
第五章 仙女崇拝小説としての『紅楼夢』

◯「『紅楼夢』成立の研究」
船越達志著(汲古書院)

9,000円(+税)。2005年に刊行された船越先生の紅楼夢専著。紅楼夢の成立過程について持論を展開したもので、別個のミニ小説であった「風月宝鑑」「紅楼夢」「情僧録」「金陵十二釵」が合わさって「石頭記」になったとするものです。
第一章 『紅楼夢』成立問題研究史
第二章 「風月宝鑑」考
第三章 「情僧録」、「紅楼夢」考
第四章 「金陵十二釵」考
第五章 『紅楼夢』神仙世界に関する試論
結章

◯「伊藤漱平著作集」
伊藤漱平著(汲古書院)

「伊藤漱平著作集第1巻 紅楼夢編(上)」
15,000円(+税)
第一部 写本研究-脂硯斎・畸笏叟と脂硯斎本『石頭記』と-
第二部 刊本研究-程偉元・高顎と程偉元本『紅楼夢』と-
第三部 版本論文叢
「伊藤漱平著作集第2巻 紅楼夢編(中)」
13,000円(+税)
第四部 作家論
第五部 作品論
「伊藤漱平著作集第3巻 紅楼夢編(下)」
15,000円(+税)
第六部 読者論 第七部 比較文化・比較文学論

◯「紅楼夢と王国維」
井波陵一著(朋友書店)

15,000円(+税)。2008年に刊行された井波先生の研究書。紅楼夢や王国維などについて井波先生がこれまでに著された論文をまとめたものです。

◯「汲古選書52 曹雪芹小伝」
周汝昌著 小山澄夫訳(汲古書院)

6,000円(+税)。2010年に刊行された周汝昌氏の著書の日本語訳版。訳者の小山澄夫先生のあとがき等によれば、本書の発刊までは相当な難産だったらしく、最初に中央公論社から刊行されるはずだったのが、同社の読売新聞社への吸収合併により白紙に戻り、長いお蔵入り期間を経て汲古書院から刊行された経緯があるそうです(周汝昌氏の序文が書かれたのが1989年、伊藤漱平先生の跋文が書かれたのが2007年となっています)。

◯「『紅楼夢』--性同一性障碍者のユートピア小説」
合山究著(汲古書院)

7,000円(+税)。2010年に刊行された合山先生2冊目の紅楼夢専著。タイトルがタイトルだけに恐る恐る読み始めたのですが(^^;、合山先生は本気でした。
性同一障碍害は日本でも近年知られるようになりましたが、当時も認知されていなかっただけで障碍者はいたはず → 宝玉の風変わりな言動や志向は、彼が性同一障碍者だったとすれば合理的に解釈できるのではないかという仮説から、作中の描写を性同一性障碍の診断基準に照会したり、実際の障碍者の方や医療関係者に意見を伺ったりしながら推察されています。

◯「『紅楼夢』の世界 きめこまやかな人間描写」
井波陵一著(臨川書店)

3,000円(+税)。2019年に刊行された京大人文研東方学叢書第10巻。井波先生がこれまで書かれた論文や新版紅楼夢の解説文などをとりまとめられたもの。第一章の賈家の人々のポジショニングについて、第二章の曹雪芹の祖父・曹寅について、第三章の各種の続作について、特に興味深く拝読させていただきました。
第一章 作品の世界
第二章 作品の背景
第三章 作品の受容

(6)中国語の書籍(辞書関係)

◯「紅楼夢大辞典」
馮其庸・李希凡主編(文化芸術出版社) [入手不可]

32元。紅楼夢の専門辞書。作中の用語に限らず、紅楼夢に関する事項が幅広く項目別に編纂されており、まさに大辞典。書虫のリストに収録されていますが入手不可との回答でした。

◯「紅楼夢語言詞典」
周定一主編(商務印書館)

65元。紅楼夢の専門辞書。作中の用語について細かく収録されており、とにかく分からない用語が出てきたらコレ。ピンイン順なので使いやすい。書虫で購入可(4,470円)。

◯「《紅楼夢》辞典」 [入手不可]

5.1元。紅楼夢の専門辞書。詞語・詩詞・人物・紅学の4部からなり、付録の紅楼夢大事年表や曹雪芹年表も重宝します。1986年の出版。

◯「紅楼夢鑑賞辞典」
孫遜主編(漢語大詞典出版社)

60元。紅楼夢の専門辞書。項目別に編纂され、一つ一つの用語について由来などが詳しく説明されており、図も多く収録されている百科事典的なもの。付録も充実。書虫で購入可(3,980円)。

(7)中国語の書籍(紅楼夢の続書)

◯「紅楼夢(曹周本)」
全1巻 曹雪芹・周玉清著(四川文芸出版社)

50元。曹雪芹の80回に周玉清女史が後39回を続作したもの。高蘭墅の補作に比べ、曹雪芹の原意により近い形で補作されています(内容については本サイトの簡約曹周本を参照してください)。書虫で購入可(3,640円)。

◯「紅楼夢新補」
全1巻 張之著(山西人民出版社)

紅楼夢80回以降のオリジナル続作。一冊で第81回~第110回まで収録されています。(情報提供/ほーめいさん)
2008年現在、2005年に海燕出版社から再販されたものが中国の書店で棚に並んでいました。書虫で購入可(2,490円)。

◯「紅楼夢続-後四十回新編」
全1巻 崔耀華著(華文出版社)

『紅楼夢続』は2002年1月華文出版社から出版されたもので(ISBN7-5075-1304-1)、作者は崔耀華。定価は19.80元。私のには東方出版社の納品書がついていて1190円になっています(^^)。あとがきも序文も2001年の日付なので、21世紀の続書と言えるでしょう。 (情報提供/ほーめいさん) →書虫で購入可(1,490円)。

◯「夢続紅楼」
全1巻 胡楠著(作家出版社)

2007年に出版された最も新しい続書で、第80~第108回まで。序文によれば四川の胡楠女史が20数年をかけて著したものとのことです(内容については本サイトの簡約夢続紅楼を参照してください)。書虫で購入可(1,720円)。

(8)中国語の書籍(その他)

◯「紅楼夢人物譜」
朱一玄著(百花文芸出版)

11.2元。「庚辰本」「程乙本」に登場する全ての人物を網羅し、整理したもの。考察や基礎資料も豊富で使いやすい。書虫で購入可(980円)。

◯「紅楼夢之謎」
趙国棟編著(中州古籍出版社)

17.50元。「四大名著之謎叢書」と銘打ってあり、「三国演義之謎」「水滸傳之謎」「西遊記之謎」と並んで売られていました。全編Q&A形式で書かれており、興味あるところだけ拾い読みできるのがよいです。「伝説部分」と「史実部分」の2項目からなっており、曹雪芹や紅楼夢の成立にまつわる部分が半分を占めています。書虫で購入可(1,370円)。

◯「紅楼夢之謎」
上海紅楼夢学会編(上海古籍出版社) [入手不可]

10.80元。「人物」「風俗」などジャンル別になっていて、やはりQ&A形式です。26名の紅学家によって執筆編集されている、大変読みやすい本です。
Qの中に「コンピューターが紅楼夢の研究にどのような作用があるか」と言う項目があって、例として、黛玉ちゃんが賈家にやってきた年齢を計算したところ、9才と言うのが一番矛盾が少ないとの結果が出たのだそうです。
(情報提供/ほーめいさん)

◯「紅楼夢小考」
陳詔著(上海書店出版社) [入手不可]

20元。「紅楼夢鑑賞辞典」と重なる部分もあり、個々の用語について由来や考察を詳しく記したもの。書虫では扱っていないようです。

◯「紅楼夢懸案解読」
胡邦煒著(四川人民出版社)

20元。紅学の懸案事項について、紅学家の各説などを紹介しながらQ&A形式でまとめたものです。2004年の出版なので他より情報が新しく、重宝する一冊です。 書虫で購入可(1,490円)。

◯「紅楼夢中人~紅楼小百科」
周峰主編(作者出版社)

45元。2006年11月に出版されたもので、紅学(版本、曹学)、人物、主要場面、詩の解説、用語解説などが図(絵画本、剪紙など)や写真をふんだんに使って掲載され、付録として「87版電視劇」から十二釵などの写真が載っています。全255Pで字が大きいので、各専門辞書に比べれば収録内容はずっと少ないのですが、その分コンパクトにまとめられていておすすめです。書虫で購入可(3,080円)。

◯「図解紅楼夢:中国古典文化的百科全書」
周自横著(南海出版社公司)

68元。2008年1月に出版されたもので、第1章・紅楼人物、第2章・紅楼故事、第3章・紅楼寓意、第4章・紅学研究からなり、見開きで右ページに図表、左に説明文という形で構成されたもの。付録や資料も多く、おすすめの一冊です。

◯「図説紅楼夢」
柏宏軍、姚冬霞編著(中央編訳出版社)

27元。2009年1月に出版されたもので、第1章・人物篇、第2章・故事篇、第3章・寓意篇、第4章・篇外篇からなり、「図解紅楼夢」と同様に説明と図表が見開きで構成されたものです。書虫で購入可(2,000円)。