(6)小者
[寧国邸の男女僕]
▩焦 大
寧国邸の老僕。幼時より寧国公に仕え、出陣の折に主君の命を救ったいきさつで別格扱いされていましたが、年を取って酒びたりになり、邸の者に煙たがられています。悪態をついて荘園に追いやられました。
第105回では寧国邸の資産差押えの際、邸を抜け出し、賈政に東邸の様子を伝えています。
▩鮑 二
寧国邸の者でしたが賈璉に見込まれ栄国邸へ移りました。女房の死で再び寧国邸へ戻り、その後、尤二姐に仕えました。第105回では賈珍逮捕の際に引っぱり出されています。邸に強盗が入った後、盗難物が出てきて逮捕されています。
▩鮑二の妻
熙鳳が誕生会で留守の時、賈璉が引っ張り込んだ浮気相手(第44回)。踏み込んだ熙鳳に責められ、恥じて首を吊りました。その直後、親戚が「訴えてやる~!」と邸に押しかけ、賈璉は200両支払ってなだめています。
[栄国邸の男女僕]
▩多 官
栄国邸の男僕。飲んだくれの料理番。意気地なしで役立たずなので「虫けらの多」と呼ばれています。小さい時分に両親が嫁を取ってくれましたが、他の男と遊び歩く女房に一向に構わず酒を飲んでいます。その後、肺病を患って死んだようです。第21回のみ
▩多 姐(22前後)
多官の妻。美貌と浮気ぶりが桁外れなところから「多姐」と呼ばれています。巧姐の疱瘡で半月間別居していた賈璉とでき合いました。平児が賈璉の荷物から彼女の黒髪を発見して小競り合いになっています。後に鮑二と再婚し、尤二姐に仕えました。
▩李 徳
栄国邸の男僕。門番。第93回で賈芹を中傷する紙が栄国邸の門に貼られた時にそれをはがしてきました。
▩銭 華
栄国邸の買出し方。第8回でうやうやしく敬礼して宝玉に挨拶しているだけの人物。
▩王栄・張若錦・趙亦華・銭啓
栄国邸の男僕。第52回で宝玉が王子騰の誕生祝に出かける時に、李貴・周瑞と共にお供をしています。王栄・張若錦・趙亦華は宝玉の乳母の王氏・張氏・趙氏の息子だと考えられます。
▩拴 児
賈赦の家人。第102回で大観園に妖怪が出るとの噂が立った頃、賈赦について園に探りに入ります。大きな雄の雉が飛び立ったのを見て「出た~!」と大騒ぎし、真に受けた賈赦は妖魔退散の法要を行いました。
▩慶 児
熙鳳の小者。第68回で張華が尤二姐の一件を都察院に訴えた(熙鳳が訴えさせた)時、熙鳳の命で様子を探り、裏工作を行っています。
▩王 信
熙鳳の従僕。第68回で張華が尤二姐の一件を都察院に訴えたとき、熙鳳の賄賂を都察院長官に廻して裏工作しています。尤二姐の野辺送りにも参加しました。
▩張材の妻
熙鳳の所へ、糸を受領するため割符(第14回)や刺繍職人に渡す工賃(第27回)を受領に来ています。夫の張材が一度も登場しないのはなぜだろう?
▩王興の妻
第14回で熙鳳の所へ、車と轎の幌の仕立て代の銀子を受領するため割符を受領に来ています。
▩鄭好時の妻
第34話で宝玉が賈政に打擲されて寝込んでいる時、周瑞の妻・呉新登の妻と共に見舞いに来ています。
▩宋婆さん
宝玉づきのばあや。第37回で襲人の命で史家に届け物をしました。第52回では墜児が盗んだ平児の腕輪を見つけ、熙鳳に報告しました。
▩祝婆さん
第56回で大観園の竹林の掃除係に任じられました。夫も息子も竹林の掃除を受け持っているとのことです。
▩田婆さん
農家の出なので稲香村一帯の田畑の管理係に任じられました(第56回)。
▩張婆さん
裏門詰め。第74回で入画が兄の品を園内に持込む時に取持ちをしたものと推定されています。王善保女房の親戚ですが絶交中。
▩黒 児
第90回で老婆について園に入り、邢岫烟の部屋を覗きこみます。ちょうど失せ物があったので侍女が老婆に尋ねたところ、老婆は「泥棒扱いされた!」といってわめきました。
[薛家の使用人]
▩張徳輝(60すぎ)
薛家の手代。幼い時から薛家に質屋に勤め、家にも二、三千両の資産を持っています。第48回で薛蟠を連れて帰郷し、第97回で宝釵の婚儀を取りしきりました。
▩李 祥
薛家の小者。薛蟠が逮捕された時、薛蝌と共に当地(太平県)に赴き、役所の上下に運動しています。
(7)食客(清客)
▩詹子亮(詹光)
宝玉に「緻密な楼台画が上手」と評されています(第42回)。第16回では程日興らと共に省親別園内の配置や据え付けを行っています。
▩程日興
宝玉に「彼の美人は絶技」と評されています(第42回)。他の食客が去った後も一人残りました。
▩王爾調
名は作梅。骨董商で碁が上手。第84回で張家の娘と宝玉の縁談を賈政にもちかけますが、相手は婿取りということを聞いて史太君が即座に断りました。
▩単聘仁、卜固修
元春の省親を受け、賈薔が姑蘇へ女の子や支度品を買いに行くのに同道しました(第16回)。
▩胡斯来
宝玉が薛蟠の誕生祝に招かれた時(第26回)、他の食客達と共に薛蟠の書斎で待っていました。
▩嵆好古
第86回の宝玉のセリフに登場。賈政に琴の演奏を所望されますが、「こちらのは使い物になりませんので今度自分のを持ってきて弾きます」と言ったきり、もう来ませんでした(逃げたのか?)。