簡約「曹周本」
[あらすじ]
[簡易年表]
- (1)あらすじ(第81~119回)
- ▩第81回
- 紫菱洲を訪れた宝玉と黛玉は、岫烟が部屋づきの者たちに踏みつけにされていることを知って激怒。駆けつけた探春は、主犯格の王住児の妻を屋敷より追放し、残りの者には岫烟に頭を下げさせてケリをつけました。
- ▩第82回
- 黛玉は「姑蘇風景図」を見て涙に暮れ、翌朝には熱を出して寝込んでしまいます。折から賈政が工部侍郎に昇任し、薛未亡人と宝釵が祝賀に駆けつけました。宝玉に誘われて、宝釵は久々に大観園に入り、黛玉の見舞いに訪れます。
- ▩第83回
- 祝宴で舞戯がかけられた晩、宝釵は大観園で湘雲が見よう見まねで舞を舞っているのを目撃します。二人で怡紅院に襲人を訪ね、宝釵の提案で湘雲が先程の舞を披露。と、どこからともなく笛の音が流れてきました。
- ▩第84回
- 久々に大観園を訪れて羽を伸ばす香菱。黛玉を訪ね、蘅蕪苑で詠んだ詩を披露すると、黛玉・宝玉・湘雲も負けじと詩の競作をします。その後、香菱が屋敷に戻ると金桂と宝蟾が大ゲンカをしていました。
- ▩第85回
- 元宵節前日に劉婆さんが栄国邸にやって来ました。史太君は劉婆さんらを連れて、各部屋に掲げられた灯籠を観賞して廻ります。一方、湘雲と宝琴は竜灯踊りをしたり、池でスケートをしたりと大はしゃぎ。
- ▩第86回
- 元宵節の当日、宝玉は北静王府を訪ねた帰りに、水月庵に芳官を訪ねます。泣いて謝罪する宝玉をつめたくあしらう芳官。その晩、襲人は園内で賈芸と小紅の密会を目撃し、立ち去る時に足を挫いてしまいます。
- ▩第87回
- 探春の部屋で書画の掛け替えに立ち合った宝玉は、自分の部屋用に一本もらって帰る途中で、妙玉と出会います。彼女も古画を秘蔵していると知った宝玉は、是非拝見したいと申し出、櫳翠庵に招かれます。
- ▩第88回
- 探春が宝玉に書画を贈ったことを知った趙氏、「何で実の弟にはくれんのじゃ~!」と探春のところに怒鳴り込みます。一方、宝玉は姉妹達とかくれんぼ、鬼の宝玉から逃げているうち、李綺が池に落ちてしまいます。
- ▩第89回
- 夢に太虚幻境を訪れた黛玉は、警幻仙姑より<紅楼夢>の舞を披露され、賈家の将来を知って涙にくれます。その後、幻境に来ていた宝玉と出会い、
蓮池に船を浮かべて楽しんでいると、にわかに空が暗くなって…
- ▩第90回
- 探春は王夫人から、東海国王がわが国に嫁を求めており、探春もその候補に入っている事を告げられます。数日後、宏仁寺に参拝に訪れた探春は、当の東海国王・李瑞と運命的な出会いをします。
- ▩第91回
- 宝玉は饅頭庵に智能児を訪ねますが、全く相手にされません。その後、近くの村外れで芋を洗っている二丫頭と偶然再会しました。で、屋敷に帰った宝玉は、芋が食べたいと史太君にせがみます。
- ▩第92回
- 詩社「蓮花社」が発足。探春の提案で、船の上で蓮を見ながら応変に詩を詠むというスタイルで詩会が開かれました。途中には熙鳳が漁船を浮かべ、魚を捕る用意をして待っていました。
- ▩第93回
- 酒宴の途中で、探春が東海国王妃に選出されたとの知らせが届き、栄国邸内は大騒ぎになります。涙にくれる史太君や王夫人を心をこめて説得する探春。そして、見る間に探春輿入れの日を迎えます。
- ▩第94回
- 王夫人に海外の事情を紹介する宝琴。史太君に「あちらにも演劇はあるのかい?」と尋ねられ、「ロミオとジュリエット」を紹介します。宝釵はやめさせようと目配せし、黛玉は「私達と同じなんだわ」とうっとり。
- ▩第95回
- 宝玉は「安心して、私の縁談は身内の中で進めるんだって!」と黛玉に告げますが、紫鵑は「私共のお嬢さまとは限らないじゃないですか!」と詰め寄ります。一方、薛家では久々に帰宅した金桂の様子が今までと違っていました。
- ▩第96回
- 宝玉の結婚相手は黛玉! ついにその言葉を史太君から聞きつけた宝玉。紫鵑からこれを聞いた黛玉の目にも涙が溢れます。しかし、熙鳳と王夫人は、宝釵を宝玉の嫁にすべく、密談を交わしていました。
- ▩第97回
- 王夫人と熙鳳は、賈政の南巡に宝玉を同伴させ、宝玉と宝釵の婚儀に元春妃のお声掛かりを賜ることに成功します。気落ちする史太君に、熙鳳は黛玉と甄宝玉の結婚を勧めます。
- ▩第98回
- 黛玉は沁芳亭で宝玉に会い、彼が帰京したものと喜びますが、その言動の全てがおかしい。「あなたは誰?」と警戒する黛玉。相手が甄宝玉で、自分の結婚相手であることを知った黛玉は、血を吐いて倒れ、翌朝帰らぬ人となります。
- ▩第99回
- 帰京した宝玉は、黛玉の死を聞いて彼女の霊前で泣き崩れます。黛玉の死因を話し、自分との婚儀を受けずに出奔・出家するよう訴える宝釵。その悲愴な決意に打たれた紫鵑は、宝釵との婚儀を受けるよう宝玉に勧めます。
- ▩第100回
- 孫紹祖の虐待に耐えかねた迎春は首を吊って死にました。一方、元春妃の夢には黛玉が現れ、過日の恨みをつらねます。元春はこれより病床に伏し、その病状は悪化するばかり…
- ▩第101回
- 宝玉と宝釵の婚儀が近づき、湘雲が栄国邸にやってきます。今まで叔母に外出を許されなかった湘雲は、邸に着くなり黛玉の霊前で泣き伏します。そして結婚の日、宝玉は「今晩は黛ちゃんを祀るんだ」と言い出します。
- ▩第102回
- 外出した宝玉は倪二とごろつきの喧嘩に出くわし、これを収めます。ごろつきが藕官らにちょっかいを出し、倪二が憤慨したことが原因でした。お供の賈芸は藕官と倪二の婚儀を提案し、併せて自分と小紅の婚儀の取りなしを求めます。
- ▩第103回
- 水月庵での賈芹の不祥事が伝わり、怒った賈政は賈璉に引っ立ててくるよう申しつけます。その晩、賈政と王夫人の夢に元春が現れて二人に別れを告げ、手遅れにならないうちに一族を率いて江南に帰るよう忠告します。
- ▩第104回
- 賈芹と水月庵の小尼たちの始末がつくと、史太君は各部屋の侍女の削減を決定、賈芸は煕鳳の許しを得て晴れて小紅と結ばれます。一方、薛家では金桂がまた騒ぎを起こし、思い悩んだ香菱はついに病没します。
- ▩第105回
- 端午節に煕鳳の発案で池に龍船が浮かび、賑やかに競艇が行われます。しかし、見物していた史太君が突然倒れ、その晩亡くなってしまいます。遺言により葬儀は倹約を旨に行われることになりました。
- ▩第106回
- 賈環・何三らの謀略により賈璉が張華(尤二姐の許嫁)に告訴・逮捕されます。一方、賈雨村は以前追放した小姓や孫紹祖から告発され、賈赦らと結託して行った悪事が露呈します。更に薛蟠が夏金桂から告訴されて…
- ▩第107回
- ついに皇帝の命で、忠順親王が錦衣府の者らを連れて賈家に乗り込みました。栄寧邸は家宅捜索を受けて家産を悉く差し押さえられ、賈赦・賈珍・煕鳳・宝玉は逮捕されて監獄にぶち込まれます。
- ▩第108回
- 獄神廟に送られた宝玉は、賈芸・紅玉・茜雪らの働きで出獄を果たします。しかし、賈赦・賈珍は黒竜江への流罪が確定、賈蓉・尤氏らは賈珍の勧めに従って江南に移り住みます。
- ▩第109回
- 煎薬室から出た火が瞬く間に燃え広がり、賈家の家廟は灰燼に帰します。住む場所さえ失った家人たちは、親戚を頼って別れ住むことに。その後、賈璉は平児を正妻にすることを決めます。
- ▩第110回
- 王夫人が病没、賈政は江南に帰ることを決意します。説得は難しいとみた宝玉は、南京まで同伴し、この機会に黛玉の墓参に蘇州を訪れます。紫鵑は既に出家し、日々黛玉の墓を守って暮らしていました。
- ▩第111回
- 紫鵑に会った惜春は、自らも出家を申し出、賈璉の説得にも耳を貸しません。一方、京では王仁らが巧姐を忠順王府に売り飛ばす算段をしますが、あわやのところで巧姐は王仁の家を脱出、偶然出会った板児の助けで劉婆さんの家に匿われることになります。
- ▩第112回
- 板児と巧姐はとても気が合い、劉婆さんの申し出で結婚を果たします。一方、蒋玉函に嫁いだ襲人は、薛家を出てひっそり暮らしていた宝玉を訪ね、一同は久々に楽しい一日を送ります。
- ▩第113回
- 賈環の謀略で妓楼に売り飛ばされた芳官と妙玉。頑として屈しない二人に業を煮やした鴇母は藕官・蕊官に説得を依頼します。二人の機知で窮地を脱した芳官と妙玉は、二人と共に生きることを決意します。
- ▩第114回
- 出獄を果たした煕鳳でしたが、賈璉を恨み、平児を妬んで家事を見ようとせず、ついに賈璉と衝突して離縁状を突きつけられます。一方、宝玉は働いていた宗学を解雇され、宝釵は同じ日に死産します。
- ▩第115回
- 江南に旅立った煕鳳と鴛鴦でしたが、煕鳳は悲しみから体をこわします。金も尽き、あばら寺で風雪をしのいでいた二人を救ったのは柳湘蓮でした。その後、自らの死を悟った煕鳳は、湘蓮と鴛鴦の結婚を申し出ます。
- ▩第116回
- 北静王の援助で西山に移り、絵を描いて生活していた宝玉と宝釵の元に宝琴・岫烟・李紈・李綺が集い、賑やかに詩会が開かれます。そこへ賈璉が現れ、賈赦が病死し、遺灰受取りのため黒竜江に発つことを告げます。
- ▩第117回
- 賈蘭は首尾良く科挙を突破し、第3席(探花)で進士に及第。兵部に任じられた後も賈家の復興を胸に頑張り、数々の武勲を挙げますが、やがて出征した地で戦死することに。
- ▩第118回
- 宝釵の病気は悪化の一途をたどり、ついに息を引き取ります。一方、史湘雲は亡夫の家が没落した後、単身京を目指しますが、狼牙山にて飢えと病気に倒れ、偶然通りかかった衛若蘭という若者に助けられます。
- ▩第119回
- 宝玉に抱かれて息を引き取る湘雲。夢に僧と道士に会って一切の因縁を知った宝玉は、これより行方不明になります。2年後、黄山に参拝した惜春と紫鵑が山峰に宝玉らしき人影を見ますが、その後の消息は杳として知れませんでした。