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尤二姐の妹、烈女・尤三姐。
彼女の様子に関する本文中の記述は僅かですが、容貌については「面差しから体つきまで(黛玉に)そっくり」であると興児が言い(第65回)、賈璉は「古今無双の美人」、宝玉も「実際あんなに器量の良い人は珍しい。確かに絶世の美人」と柳湘蓮に話しています(共に第66回)。
各イラストでは気の強い様が表情から見て取れます。勿論、鴛鴦剣を持った姿が描かれています。彼女は剣で頸を刎ねた以外にも、鴛鴦剣を持って柳湘蓮や尤二姐の前に(幻想や夢枕に立って)現れています。
一方、紅楼夢の作者・曹雪芹の家庭は満州族の包衣(奴隷)だったため、この風習に馴染まず(満州族には元々纏足の習慣がなかった)、前80回中には纏足に関する描写は殆どないとされています。
下記の尤三姐の記述以外には、史太君が尤二姐の足を見た上で「非の打ち所がない」と言っていること(第69回)、馬鹿姉やの足が大きくて仕事をてきぱきとやってのけること(第73回)、恐妻家の夫が妻の纏足を嘗めたという賈政の落とし話(第75回)等がある程度です。
清王朝はしばしば纏足禁止令を出しますが、漢人に押し切られて中止させることができず、逆に纏足しないことは恥で嫁に行けないという認識が広まります。そこで禁止令を満州族の女性に限定したものの、国民の圧倒的多数を占める漢人が「美人の最大条件」としていた以上、全く効果がなかったそうです。