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紅楼夢のもう一人のヒロイン、薛宝釵。
宝玉には「いま楊貴妃」とからかわれたり(第30回)、腕輪を外すのに苦労したり(第28回)と、宝釵はふっくらとしたイメージがありますが、大半のイラストはスラリとした体型に描かれています。また、金の首飾りについては普段は服の中にしまい込んであるようで(第8回記述参照)、イラストには描かれていないものが多いようです(張莉さんは佩げていますが)。
髪型に関しては本文中に記述がないのですが、イラストで見ると黛玉と同じく雲髷を結い、黛玉より挿している簪の数が多いようです(なぜ?)。結婚後には前髪を上げていますが、平凡社「北京風俗図説」によると、『女子は結婚前は垂げ髪のままで、結髪するものは少なく、結婚する時に結髪し、また開瞼といって額の生毛を抜く』とあります。
また、各本の紹介イラストでは宝釵は団扇や扇子を持って舞っている姿が多く、第27回で蝶を追って滴水亭へ行った場面「宝釵撲蝶」を受けているのでしょう。冷静沈着な宝釵が珍しく羽目をはずした場面でした。
「(宝釵は)排扣(ボタン)をはずし、中に着込んだ緋色の綿入れにかけているピカピカの珠宝とキラキラ光る黄金でこしらえた首飾りを取り出しました」(第8回)
「宝釵は蓮青色の斗紋地に舶来の糸とこれも舶来の「パー」という毛皮でもって二重に刺繍した引回しを着ています」(第49回・雪見の時の衣装)