|
(*) | (1) | (2) | (3) |
(4) | (5) | (6) | (7) |
(8) | (9) | (10) | (11) |
(12) | (13) | (14) | (15) |
女傑・王熙鳳。
ハデ好きの熙鳳の衣装については作品中に詳細な記載がありますので、イメージは掴みやすいと思います。大きく髷を結って簪を挿した姿か、防寒帽と毛皮のコートを着用した姿が多いです。
切れ上がった目も特徴で、まさに威風堂々という感じです。
冬場に毛皮製品を着用するのは貴族階級では一般的だったそうで、作品中にも多くの描写があります。山東画報出版社「紅楼服飾」によれば、毛皮のスカートは満州族が北京に入関する前の服装だったそうです。月刊「しにか」1992年1月号によれば、貂・灰鼠(ちんちら)・銀鼠(しろりす)は現在の東北三省(遼寧省・吉林省・黒竜江省)で産出されたそうですが、紫貂や銀鼠は特に希少で非常に高価なモノだったようです。
第6回に登場する昭君套は、「紅楼夢鑑賞辞典」(漢語大詞典出版社)によれば、鉢巻のように額にあてる貂皮の装身具だそうで、各資料にも描かれています。
南海出版公司「図解紅楼夢」より |
「紫貂の毛皮でこしらえた昭君套をかぶり、真珠をちりばめた鉢巻でそれをしめ、花模様の入った桃色の上衣、青藍色の刻糸に灰鼠の毛皮を裏打った披風、それに舶来の緋縮緬に銀鼠の毛皮を裏につけたスカートを着け、厚化粧もあでやかに、きちんと正座しています」(第6回)
「髪飾りは白ずくめの銀細工、体には薄浅黄色の緞子の長上衣の上から黒緞子の披風(ひふ)をはおり、白綸子無地のスカートをはいています」(第68回・尤二姐との初逢時)
「眉は柳の葉のようにすらりと反り、両の眉尻は高くつり上がり、目は丹凰を横たえたごとく、三角の瞳は神を凝らし、その麗しさは三春の桃を思わせ、清らなることは九秋の菊のごとしとでも言えましょうか」(第68回)