紅楼夢人物図解

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(9)妙 玉


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*「電視連続劇紅楼夢」の姫焙杰さん

櫳翠庵の尼僧、妙玉。

本文中で彼女の服装が述べられているのは下記の一文のみです。各資料では、頭巾をかぶり、法衣をまとい、払子(ほっす)を持った妙玉の姿が描かれています。

○中国の仏教について

見落とされがちですが、妙玉は禅宗の尼です。
中国仏教は六朝~唐代には多くの宗派が生まれましたが、宋代には禅宗と浄土教だけが生き残り、現在に至っているそうです。特に明代以降は両者が融合して「禅浄一致」が唱えられ、座禅も念仏もするという念仏禅が普及されるようになったとか。つまり清代には(現在も)中国仏教=禅宗で、他の宗派はなかったようです。


中央編訳出版社「図説紅楼夢」より

本文中の記載

服装について
「妙玉は頭に妙常冠(みょうじょうかん)をいただき、薄浅黄色の無地の繻子の長上衣の上から井桁に縫った黒緞子に縁取りをしてある長背心(そでなし)を羽織り、鶯茶色の絹の総を結び、腰には白綸子地に淡墨模様を描いたスカートをはき、手には払子と数珠とを持って、一人の若い侍者を伴にやってきました」(第109回)