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「蘭の如く桂にも似たり」。宝玉の侍女、襲人。
本文中の彼女の服装に関する記述は下記の2カ所です。容貌については、第6回で「柔和な中にも人をひきつけるあでやかさがあった」と記されています。なお、「容貌は晴雯に劣る」と言われていますが、襲人が美しくないのではなく(^^)、晴雯の器量がずば抜けていたと見るべきでしょう。
各紹介イラストでは、給仕の姿や帆船の模型を持った姿などが描かれていますが、考えてみると彼女は出番が多い割に晴雯のような名場面を持っていないのですね。
山東画報出版社「紅楼服飾」によれば、第51回で襲人が着ているのは賈母から賜った衣服ですが、長上衣の上に羽織を着るのは旗人の衣装であり、その下にスカートを穿くのは漢族のもののようとのことです。紅楼夢にはずいぶん出てくる服装ですね。
「熙鳳が襲人の様子を見ると、頭は金や珠玉の簪類で飾り立てていて、なかなか華やかな感じ。身には桃紅色の紗の地に百もの斑紋を金糸で浮かせた、銀鼠の毛皮の裏つきの長上衣を着込み、浅黄色の木綿地に金や五彩の刺繍をほどこしたスカートをはき、上から灰鼠の毛皮を裏打ちした黒緞子の掛(はおり)を着ています」(第51回・宿下がり時の衣装)