めぞん一刻人物事典
1.音無響子関係
(1)一刻館関係
- ■音無響子(声:島本須美)
- 1959年秋生まれ。一刻館の管理人。私立桜ヶ丘女子高校(原作では校名不明)在学中に講師の音無惣一郎さんに初恋をし、20才の時、周囲の猛反対を押し切って駆け落ち同然で結婚。しかし惣一郎さんは半年で死去し、行き場を失った彼女は、音無家の資産である一刻館に転がり込みました。ここから「めぞん一刻」の物語が始まります。
- ■五代裕作(声:二又一成)
- 1961年(「完結篇」では5月)生まれ。5号室住人で主人公。新潟から上京して一刻館に入り、一浪して三流大学(原作では学名不明)に入学。卒業後、1年半の就職浪人期間を経てしいのみ保育園に就職しました。「めぞん一刻」はダメ人間だった五代君が様々な人と出会い、七転び八起きを繰り返して、ついに響子さんを支えられる存在になるという五代君の成長物語でもあります。
- ■五代春香
- 1988年4月生まれ。五代君と響子さんの愛娘。彼女の誕生によって6年半にわたった物語が完結しました。今度は一刻館を舞台に(作品裏で)彼女の物語が始まるわけですが、四谷さんの存在は教育によくないと思います…
- ○春香ちゃんの次は…?
- 五代君は第31話「三年待って」で「子どもはふたりがいいなー、男の子と女の子…」、第53話「子供のいる風景」でも「ぼかー、子供は二人くらいでいいなー」と言っています。一方の響子さんは「ひとりくらい産みたいわ…」。さて、春香ちゃんに弟か妹はできたのでしょうか…?
- ■一の瀬花枝(声:青木和代)
- 1号室住人。北海道から上京して小さな会社(山海証券?)に就職、謀略で同僚の一の瀬氏と結婚しました。「とーちゃんの稼ぎが少なくて」家族3人で一刻館に居着いていますが、酒代が一の瀬家の家計を圧迫していることは間違いないでしょう。
- ○一の瀬さんの故郷は?
- 一の瀬さんの出身地は、富士急ハイランドにみんなでスケートに出かけた時に、「おばさんうまいんだねぇ」と感心した五代君に、「道産子だもーん」と答えていることから北海道だと分かります(第24話「リンクに賭けろ」)。
- ■一の瀬さんが昔憧れた大学生
- 第49話「なんて器用なの」で一の瀬さんが回想。昔、一の瀬さんの家の向かいに下宿していましたが、一の瀬さんに好意を持たれていることを知るや、即座に引っ越しました(^^;
- ■一の瀬賢太郎(声:坂本千夏)
- 1971年度生まれ。一の瀬夫婦の一人息子で一刻館唯一のまともな人間(^^; 初登場時は時計坂小学校(原作では校名不明)の3年生でした。翌年、音無郁子ちゃんに初恋をし、時々電話をしていたようです。果たしてその後、想いは遂げられたのでしょうか?
- ○ 後半いなくなった賢太郎君
- 第91話「パジャマとネグリジェ」を最後に、五代君と響子さんの結婚式まで姿を消します。高橋留美子さんは「語り尽くせ熱愛時代」の中で、賢太郎君が出てこなくなった理由について、「中学生になっていなければならないので、出すのが怖いんです」と述べています。
- ■賢太郎の友達(声:TARAKO、羽村京子、林原めぐみ)
- アニメ11話で男の子一人と女の子二人が「これからみかちゃん家に行くんだ~、お前も行かない?」と賢太郎君を誘いに来ます。で、賢太郎君の返事は「行かない!」
- ■一の瀬氏(声:矢田 稔)
- 一の瀬のおばさんの亭主。苦学してやっと卒業し、小さな会社(山海証券?)に就職、花枝さんと結婚しました。会社が倒産して初めて一刻館の住民に顔を見せますが、2年以上も出勤・帰宅時に響子さんに会わなかったのは奇跡的なことだと思います。第85話「青田枯れ」では、再就職した会社もあっけなくつぶれてしまいました。
- ○ 一の瀬氏の初登場は?
- 一の瀬氏は第65話「一の瀬氏の失業」で初登場したと思われがちですが、第5話「春遠からじ!?」で一の瀬さんが五代君に「いつになったら行くんだよ」と言っている場面で、1号室内に見えている右手が実は初登場です。また第46話「願ひ事かなふ」で、帰省する一の瀬一家の中に後ろ姿の一の瀬氏が見えます。
なお、文庫版第1巻末で高橋留美子さんは一の瀬氏がしばらく登場しなかった理由について「必要なかったから」と述べています。
- ■ツル子
- 第65話「一の瀬氏の失業」で一の瀬氏が回想。花枝さん・一の瀬氏の同僚だった女性。花枝さんより一つ後輩で、一の瀬氏の憧れの人でした。一の瀬さんたちが飲み比べをした宴会で、隣の男性に肩を抱かれているのを私は見逃さないデス(^^)
- ■二階堂望(のぞみ)(声:堀川 亮(完結編))
- 1965年度生まれ。二号室住人。現役で大学に合格し上京、手違いで一刻館に入りました。ヘビースモーカーですが、酒は苦手なのか宴会への出席率は高くありません。卒業後は茨城に帰って就職しました。五代君曰く「神経の無い男」。アニメでは登場しませんでした。
- (1) 二階堂君の故郷
- 二階堂君が茨城出身であることは、第140話「どうも」で土産に持ち帰った水戸納豆と第161話「P.S.一刻館」で電柱に書かれた「茨城製菓」から分かります。
- (2) 二階堂君の名前は?
- 名前の読み方は映画「完結編」の予告編では「のぞむ」となっていますが、スピリッツでは「のぞみ」とルビがふってあったそうです。英語(WIZコミックス、バークレー校のHP等)では「NOZOMU」となっているのですが…
- (3) 二号室住人は別にいた?
- 二階堂君の登場について、「語り尽くせ熱愛時代」の中で高橋留美子先生が次のように述べています。「連載当初、二号室には住人がいて、それが旅にでも出ていて、なかなか帰ってこないが、いずれは帰ってくるんだろうというつもりでやっていたんですが、そのまま何年かたってしまったので、これでは話にならんと思いまして」
- ■二階堂の母
- 自分の息子を「ちゃん」付けで呼ぶ人。息子が大学に合格したお祝いに、東京の叔母の友達の従姉(こういうのは一般に他人という)にマンションを探してもらいましたが…。
- ■三越善三郎(声:堀勝之祐)
- アニメのオリジナルキャラ。不動産会社マイ・ホーム・タウンの依頼を受け、一刻館買収の裏工作のため三号室に入居した男性。三鷹さんの説明では「業界の求めに応じてマンションの建設予定地を探してくる人」。
原作では3号室は開かずの部屋でしたが、アニメでは三越さんが入居したり、八神さん籠城の時、五代君が寝泊まりしたりと使われました。
- ○三越さんの名前は?
- 三越さんの名前は「ぜんざぶろう」ですが漢字ではどう書くのでしょう。
アニメ50話で、三越さんが来る前の晩に荷物(リンゴ箱)だけが管理人室に届きますが、その荷札に届け先の文字が書かれています。ぼやけていて判別が難しいのですが、字形から「一刻館 三越善三郎」と私は読みました。
その後、サウンドシアター~KT3025の第50話のあらすじに「三越善三郎」との記載があるとの情報をいただきました。さらにサクラサキオさんより、ビデオのパッケージの解説に「一刻館に新しい人が入りました!その名も三越善三郎さん。」と書かれているとの情報をいただきました。
- ■四谷(声:千葉 繁)
- 四号室住人。職業不明・年齢不詳・趣味は覗きで、たかり癖を持つ、常識の通用しない人。原作では「変態」、アニメでは「町中に毒ガスをばらまいてるような人」と評されます。アニメ44話では四谷家は一刻館新築当初から代々一刻館に住んでいて、祖父・父・叔父(伯父?)が四谷さんと同じ顔をしていたことが語られました。
- ○ 偽名を使う四谷さん
- アニメでは幾つもの偽名を使っています。
(1) アニメ36話では「ケンノスケ(字は不明)と書いてゴロべーと読みます」。「正直ゴロちゃん」と呼ばれているそうです。
(2) アニメ44話では「亀吉と書いてツルジと読むとか」「フジと書いてカワダチョーと読むと」
(3) アニメ50話では「菊千代と書いてタメゾーと読みます」。「親切タメさん」と呼ばれているそうです。
(4) アニメ65話で「実は私、チャンドラー四谷と言います。人は私をフィリップ四谷マーロウと呼んでいますがね」と八神さんに言っています(チャンドラーとは、私立探偵フィリップ・マーロウが活躍する探偵小説「LONG GOOD-BYE」の作者。八神さんの教育実習のメッセージと呼応しているのでした)。
- ■六本木朱美(声:三田ゆう子)
- 1957年生まれ(完結編)。六号室住人。スナック茶々丸のウェイトレスですが、店ではガンガン酒を飲むし、何かある度に「よ~し、お店休んじゃおー!」(^^; 朱美さんが終盤に見せた、響子さんへの強烈な後押しは圧巻でした(言ったのが彼女じゃなかったら破局を呼んでいる)。
最終話でマスターと結婚しましたが、姓が変わっていないところを見ると籍は入れていないのでしょうか?
- ■ヒロシ(声:佐藤正治)
- 朱美さんをふった男。アニメではその後、朱美さんと寄りを戻そうと近づき、「明日の夜8時、第5埠頭カーフェリー乗り場、俺は待ってるぜ」と朱美さんに告げましたが…
朱美さんの男性遍歴を調べてみますと…作品中には意外に少ないですね。
(1) 第47話「キッスのある風景」で「おれにゃとっても扱いきれん」とヒロシにふられました。
(2) 第60話「プールサイドのキスマーク」で体中に3つも4つもつけられたキスマークを披露しています。
(3) 第148話「やましい関係」で男とラブホテルに入りますが、酒飲んで眠っているうち逃げられたようです。
- ■犬の惣一郎(声:千葉 繁)
- 野良犬だった犬の惣一郎さんが音無家に居着いたのは、響子さんと惣一郎さんの結婚直後でした。当初は「シロ」の名で呼ばれていましたが、惣一郎さんの死後、その名を受け継ぎます。
アニメ27話では惣一郎さんの特徴として「白くて大きな犬」「もっさりしてて」「毛が長くて」「耳が垂れてて」「目がおできみたいで」「太めで」「短足で」「地味で」「ダサいやつ」と言われています。しかも五代君は「あれだけ情けない特徴を一身に背負っている犬といえば惣一郎さんしかいないじゃないか」ととどめの一言…
響子さんに何か事件があるたびにエサがもらえません(^^)。
- ○ 惣一郎さんの犬の種類は何か?
- おそらくは雑種でしょうが、純血種でいえば、白くて、耳が垂れていて、毛の長い犬ということで、中型犬のクランバー・スパニエル、大型犬のグレート・ピレニーズなどが該当しそうです。初期の頃はテリアにも見えるんですが。
- □管理人のおじいさん
- 響子さんの前に管理人をしていたおじいさんは、「疲れた」と言い残して突然一刻館を去りました。アニメ1話では口ひげをたくわえた老人。リヤカーに家財道具を積んで音無家に挨拶に来ています。
朱美さんが「前の管理人なんにもやってくんなかった」等と言っているところをみると、彼の管理人としての姿勢にも問題があったのではないでしょうか? ともあれ、彼が住民とうまくやっていたら響子さんは一刻館に来られなかったわけですが。
(2)響子の親族(千草家)
- ■千草律子(声:松島みのり)
- 響子さんの母。若くして父母を亡くし(第64話「別れの18番ホーム」)、結婚後も夫について各地を転々としていました。今でこそ高級マンション(高嶺ハイツ)に住んで専業主婦をしていますが、若い頃はだいぶ苦労を重ねたのかもしれません。
響子さんを再婚させるためにあらゆる手段を用いてきますが、苦労人としての自分の半生から、娘の幸せを願う気持ちが人一倍強いとも考えられます。
- ■響子の父(声:冨田耕生)
- 響子さんが小さいうちに父母を亡くしました。若い頃は転勤族で各地を転々としていたようです(第23話「帰らざる彼」と第64話「別れの18番ホーム」の響子さんのセリフから)。会社名は分かりませんが、第129話「逃がしてたまるか!」で個室に机があります(アニメは違います)ので、そこそこの役職を与えられているようです。
響子さんが惣一郎さんと結婚した時、律子さん以上に猛反対したことは間違いないでしょう(律子さんは相手が誰でもいいようなところありますし…)。
- ■その他
- 結婚式には響子の父母の他、眼鏡をかけた男女が参席しています。
(3)響子の親族(音無家)
- ■音無惣一郎(声:田中秀幸)
- 1950年生まれ。響子さんの亡夫。27才の時、地学の講師として私立桜ヶ丘女子高に赴任、3年3組で学級委員をしていた響子さんと出会います。2年半後に結婚を果たしましたが、そのわずか半年後にこの世を去りました。
- ○ 惣一郎さんはどんな顔?
- 四谷さんの素性と並んで「めぞんの謎」とされている惣一郎さんの顔ですが、推定は可能ではないでしょうか。というのも、輪郭や髪型は作品中に出てくる上、父(音無老人)・母(第76話「闇の中の顔」の遺影)・姉の顔が分かっているからです。とは言っても、惣一郎さんは「二枚目でない上にふけ顔」だったわけですから、やっぱり顔は見せないのが正解だったんでしょうね。なお、高橋留美子先生は「高橋留美子原画集」で「惣一郎の顔を出さないことで『五代が敵わない感じ』を強調できればなと思った」と述べています」
- ■音無老人(声:槐 柳二)
- 惣一郎さんの父。一刻館の大家さんであり、私立桜ヶ丘女子高の理事を務めています。なかなか再婚への道へ踏み出せない響子さんを暖かく見守っていました。
- ■音無郁子(声:荘真由美)/生年:1968年度
- 惣一郎さんの姉夫婦の娘。中学校の3年間、五代君が英語の家庭教師をしていました(毎週木曜日の19時?~21時)。初登場時は中学1年生でしたが、映画「完結編」では大学生になりました。
- ○ 郁子ちゃんの高校について
- 音無老人は桜ヶ丘女子高の理事をやっていますが、郁子ちゃんが入ったのは別の女子高です。第76話「闇の中の顔」で郁子ちゃんの着ている制服と八神さんの制服を比べていただくと、リボンがネクタイになっていることが分かります。郁子ちゃんがもし桜ヶ丘女子高に入学していたら八神さんとの絡みが見られたかもしれませんね。ちなみに郁子ちゃんと八神さんは1つ違いです。
- ■郁子の母(声:峰あつ子)
- 惣一郎さんの姉。いったん家を出て旦那の元へ嫁ぎ、郁子ちゃんを生みますが、実母(音無老人の妻)の死去に伴い、家事を見るため親子で音無家に戻ったものと考えられます。
- ○ 郁子の母は惣一郎の実姉か義姉か?
- 惣一郎さんと血が繋がっているのは、郁子ちゃんの父か?母か? MLでこの問題が提起され、様々な方と検討と考察を加えた結果、以下の3点から郁子の母が惣一郎さんの姉であろうとの推論となりました。
(1)「惣一郎」は次男につける名前ではないので、惣一郎に実兄はいないと思われる(養子の場合は関係ない、との反論がありましたが)
(2)惣一郎さんと郁子ちゃんの間には疎遠な雰囲気があり、別居していた可能性を匂わせる(「おじさま」という呼び方。郁子ちゃんと惣一郎さんが一緒に写った写真が一枚しかない…等)。
(3)音無家と五代家の家族関係が酷似しており、「姉夫婦が実家にいる」五代君と惣一郎さんの立場は故意に設定された可能性がある。
- □郁子の父
- 結局一度も顔を見せませんでした。第76話「闇の中の顔」で郁子ちゃんの母が「パパが出張で残念ね」「主人のが全部洗濯中で…」と言っているので同居していることは間違いありませんが。
アニメ51話で一刻館解体の噂が出た時も、五代君が「郁子ちゃんの両親だってそんなこと知らないって言ってるんだから」と言っています。
- ■その他
- 3・4年目のお墓参りには音無家からだいぶ多くの親族が参加しているようです。この中に郁子ちゃんの父もいるのでしょうか?
(4)その他
- ■響子の同級生
- 響子さんの高校時代の親友のポニーテールの子とショートカットの子。名前はいずれも不明ですが、高橋留美子先生のアシスタントの中野まき子さん・さいとう邦子さんがそれぞれのモデルだそうです。
新宿でクラス会があった時(第55話「ちょっと休もうか」)には、ポニーテールの子は高校時代とまったく様相が変わっており、「妻子ある上役と」の関係が終わり、「新入社員と」付き合っていることを平然と述べています。ショートカットの子はあまり変わっていないようですが、第32話「怒りのウィドウ」で響子さんを呼び出した子連れの主婦もこの子と同一人物でしょうか?
アニメ53話で、高校時代の響子さんが惣一郎さんに絵の具のハートマークをつけようとした時に、そばにいる二人はまた別人です。アニメではそこまでの整合性はとられていないようです。