→脂硯斎重評石頭記(北京曹雪芹記念館)
「紅楼夢」は清の乾隆56年(1791年)に程偉元と高鶚により120回本の木活字版として出版されましたが、それ以前の写本は「脂硯斎重評石頭記」と題されており、脂硯斎(しけんさい)らによる多くの批語(脂批)がつけられています。脂硯斎は評者の立場から紅楼夢の完成を支援した人物であり、脂批は作者や創作過程、散佚した第81回以降の内容を暗示するなど、極めて高い価値をもちます。
金玉結合説について ・清代の平歩青氏 →湘雲が宝玉に嫁ぐからこそ「因麒麟伏白首双星」の語がある。 ・清代の趙之謙氏 →宝釵は難産で亡くなり、困窮していた宝玉は、既に寡婦となっていた湘雲と結ばれる。 ・周汝昌氏の説 →賈府に続いて史家も没落し、湘雲は流浪の末に衛若蘭の家の召使いとなる。ある日若蘭が偶然入手した金麒麟を見て湘雲が涙を落とし、不審に思った若蘭が問いただして、彼女が宝玉の従妹であることを知る。二人は馮紫英の援助を借りて宝玉を探し当てるが、この時宝釵は既に亡く、宝玉は仏門に入っていた。若蘭の仲立ちで宝玉と湘雲はついに結ばれる。 |