紅楼夢雑談部屋

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▩花井恵美子さん (2010年11月29日)

初めまして。こんな素敵なサイトを作っていただき、ありがとうございます。紅楼夢を平凡社版・岩波社版の両方読みましたが、岩波の方が分かり易い訳だったものの、解釈に難解な部分が多く、度々こちらで勉強させていただき、大変参考になりました。
私の紅楼夢に関する最大の関心事は、「作者は諸説多いが、結局のところ誰か?」「前80回と後40回は同一作者によるものか?」「秦可卿は何者?」です。
このサイトには、その全てに対する詳細な考察があり、好奇心を否が応にも刺激されました。
私は勘が鋭いのが自慢で、読書に関しても、考察力はかなりある方だと自負しています。考古学的な考察は専門外ですが、読み終わっての私の一応の答えは、「作者は脂硯斎。前80回と後40回は同一作者でしか有り得ないストーリーの流れと品質の高さ。秦可卿が孤児出身者とは有り得ない。」ということです。あくまでも、個人的な感覚というか、感想です。

本文で詩が欠けている(空白)部分があり、その脚注に、脂硯斎本には「詩稿は曹雪芹待ちである」と書いてある、とありました。この一文で、曹雪芹は完全に作者と区別されていると感じました。彼は紅楼夢の詩の部分を主に担当した、というのが本当では。後半は詩作が少ない気がしますし、彼の死後、作者は苦労したのでは?と感じました。

前80回と後40回は、確実に同一人物によるものです。でなければ、多少の矛盾はあるものの、大きくストーリーを逸脱させることなく終わらせることは困難です。前80回での伏線は、後40回のストーリーにかなりの部分が生かされています。読んでいて、「ほほぅ、あれがここにつながるのか!」と感嘆させられることしばし。しかも無理がない。あの綿密さは、全120回に渡って一貫していました。これは同一作者でないと、絶対に成し得ないことです。別人が書くとかなりストーリーの色合いが変わってしまい、違和感を感じることが多いものですが、紅楼夢では、それはほとんどありませんでした。ましてや紅楼夢のように、多くの登場人物を動かす物語は、相当の力量がないと完結はおろか、引き継ぐことさえ困難だと思います。

秦可卿については、初めて紅楼夢を読んだときから、かなりの違和感を感じていました。どう見ても高貴な出自の者の見識・行動様式としか思えないのに、「孤児出身」?天上界でも同姓同名の人物が登場し、死後も度々現れて紅楼夢のキーマンであり続けています。この扱いからして、一種特別な崇高な存在であったとしか思えないのです。このサイトを読んで、やはり謎とされていたことだったのだと、妙に納得しました。

このサイトの考察を読んで、自分の感覚に自信が持てました。その根拠となる文献も読んでみたいのですが、日本語に訳されたものは一般には出回っていないようで、本当に残念です。
これからも更新を楽しみにしていますね♪


(頁主より)
専門家ではありませんので適切なコメントはできませんがお許し下さい。
紅楼夢の作者は曹雪芹というのがほぼ定説ですが、幼年または少年期に家が零落したのでは、作中の詳細な生活描写はできないのではないかと思っています。
・曹雪芹は曹霑ではなく曹頫
・曹頫=脂硯斎で全面的に監修したか、脂硯斎が原作者で雪芹が執筆者
などはありうるのかなと個人的には思っています。

後40回の初稿?は前80回とはかなり異なるものであったことは周知の通りですが、程偉元と高顎が続作をする前に、既に120回本が出回っていたとも言われていますから、120回本が同一作者の物であり、何かの圧力を受けて後40回を大幅に改ざんしたというのはありうるのかなと思います。

秦可卿は、劉心武氏の説では賈家に匿われた皇族の娘とされていますね。
ありがとうございました。


▩黒猫協会さん (2007年06月11日)

現在70歳の老爺です。高校生時代,戦後の混乱期で読む本もなかった(金もなく本が買えない)ころ、林語堂の『北京好日』の訳本が文庫本ででました。相当長編だったけど小遣い貯めては文庫を揃えて行きました。忽ち中国文化にはまりましたが、当時の中国は今の北朝鮮のごとく日本を敵視していました。20歳代に岩波の紅楼夢を読み,『北京好日』は20世紀初頭から始まった西洋列強の中国植民地支配を阻止すべく、紅楼夢を下敷きにして英文で書かれた(林語堂は中国の代表的な英文学者)小説だった事を知りました。林語堂は中共成立後台湾に行ったので中国では国賊扱いになり、中国人は殆ど読んでないようです。日本に居る中国人のインテリ階級の友達が読んで感心していました。『北京好日』は日本語のタイトルで台湾で出版された本は別のタイトルです。(中国語タイトルは失念)紅楼夢と併せて読んで中国理解の巾が広がった感じがしました。昨今の中国の発展ぶりを見ると、つくずく時代の変遷を感じます。

▩紅妹妹さん (2007年06月06日)
うわー、こんなHPがあるなんて・・・・感動です!
中学生のとき,講談社(?)の少年少女向ライブラリで紅楼夢を手にとって図書室が暗くなるのも気がつかづに貪り読んだ想い出が蘇ってきました。もうあの本、ないんだろうな。そして2007年5月某日、林薫玉役の女優さん、亡くなられたんですね。(「永遠の林妹妹、逝く」の見出しがありました)合掌。時々、来ます。
(頁主より)
5月13日に、ドラマ「紅楼夢」で林黛玉を演じられた陳暁旭さんが、病気のため42歳の若さで亡くなられました。突然の訃報でした。

▩百花閙春さん (2007年05月23日)

私は中国人です。
といっても17歳来日し高校3年は東京で入り、日本の大学を卒業した。
「紅楼夢」なんですが、小さい時から愛読した。
えっと、少年時代ずっと読んでた気もします。
小さい時読んでも読んでも良く分からないですが、15歳頃古詩の上達につれ、「紅楼夢」はなんと言う素晴らしい小説なんだとつくづくも感じました。私の涙を一番奪われる所はやっはり「紅楼夢」中の詩です。日本語の訳なんだと、上手く伝えなれないだろうなぁ‐、残念ね!
まぁ‐、皆、お時間の余裕があったら、中国語を勉強すれば、「紅楼夢」だけではなく、古詩など素晴らしい物がいっぱいあるさぁ。
頑張りましょう。
(頁主より)
私も含めて(^^;大半の日本人は(中国語を多少かじった方も含めて)、作中の漢詩は漢文調の日本語訳でしか理解できないため、本来の詩文に含まれる良さは十分に咀嚼できないのでしょうね。

▩ジャスミンさん (2007年01月11日)

紅楼夢と言えば、中国四大小説の一つです。「三国志、西遊記、水滸伝」に関しては中国に関心を持っていない日本人も知っていますよねぇ~?でも、紅楼夢はぁ~中国の文化に関心が有る人しか知らない?様な気がします(私の勘違い?かもしれませんが)昔の大貴族を舞台にした物語が、何故日本では有名にならなかったのでしょうか?私も10年程前、有る雑誌を見ていましたら、紅楼夢の、あらすじが出ていました。「大貴族の物語」凄く優雅な印象を持ちましたので、近所の本屋さんへ問い合わせて見ました。「日本語訳、有りますけど、12冊で1セツト」と言われ、想像以上の長さでしたので、ビックリしました。雑誌に出ていた印象が良かったので、時間を掛けて読めば良いから、と思いましたので、取り寄せました。そしたら即、はまってしまい、食事の時以外は、紅楼夢の本を離しませんでした。その後は本だけでは、物足らず、CD,カセット、DVDを購入してしまい、益々紅楼夢にはまりそうです。
(頁主より)
紅楼夢は日本では殆ど知られていませんね。日本に源氏物語があったせいだとも、他の作品に比べて成立が遅かったためだとも、作品世界に日本人がなじみがなかったせいだとも言われますが、よく分かりません。つまりは日本で小説やドラマ、演劇の題材に取り上げられる機会が殆どなかったためだと思います。

▩慧慧さん (2006年09月10日)

はじめまして!
私は日本語科の学生です。今は卒業論文を書いています。紅楼夢と源氏物語の比較についてです。若紫と林黛玉の比較を書きたいと思います。でも、文献を収集することはとても難しいです。誰かがいい方法はありますか。お願いします。
私は今図書館から借りた本を読んでいます。とても難しいと思います。残念なことに、日本語で紅楼夢についての本は少ないですから、それと源氏物語の比較を書きがたいです
(頁主より)
源氏物語は古典なので、外国語に翻訳されたものの方がむしろ分かりやすいと言われていますね。研究書については、市販のものは高額ですし、大学から取り寄せるにも手間がかかるでしょうから、まずはインターネットで情報を集めてみてはいかがでしょうか。源氏物語のホームページはたくさんありますので。
なお、源氏物語と紅楼夢を比較した書として、次のものがあります。
◯「色は匂へど―『源氏物語』と中国の情艶文学」(吉田とよ子著、上智大学出版) 3400円

▩養豚家さん (2005年12月30日)

先月ご報告した劉心武の紅楼夢本の続きの第2部が出たので買って来ました。
妙玉に対する解釈など,大胆かつ綿密な考証で非常に面白く,クリスマスに帰国するや,一気に読み切ってしまいました。

彼の言うように,脂硯齋が紅楼夢の共著者で,曹雪芹の表妹の李姓の一人で,小説上では史湘雲だとすると,本来の81回以降を何としても知りたい欲求にかられます。


(頁主より)
脂批中の表現などから脂硯齋は女性である可能性があるとして、脂硯齋=史湘雲説を最初に唱えたのは周汝昌氏ですね。劉心武氏はそれをどのように発展させているのでしょうか。

▩養豚家さん (2005年11月25日)

先日中国の中央電視台の「百家講壇」という番組で話題になっている劉心武の紅楼夢番組を本にしたもの(28元)を買ってきました。

口頭語が多く,たいへん読みやすかったので,帰りの飛行機と残業を止めて捻出した時間を使って,一週間ほどで読み終わりました。

秦可卿が康煕帝の廃太子の女子で,幼くして寧國府に隠されて育ち,それを密告したのが元春だという推理は,当時の政治背景の解説と並んで,なかなか納得させるものがありました。

この本は前半の18講が今年八月に出ただけで,後半の36講までは,放送が終わりしだい出るということですが,上海の店員が,「発行されたら電話をするから番号を教えろ。」と商売熱心だったのには感心しました。

ちなみに上海で人気だった「思考楽」はなぜか閉店してしまっていました。


(頁主より)
劉心武氏の秦可卿の出自に関する説については、本サイトでも紹介していますが、なかなか興味深いですね。中国では「秦学」という紅学中の学問も生まれる一方、彼の学説を認めない紅学家の方々がさかんに反論著書を出されたりしているようです。

▩黛さん (2004年01月11日)

中国では新テレビドラマを作成中だそうです。
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「新版紅楼夢」については中国のサイトには頻繁に新しい情報が発表され、本サイトの掲示板でも多くの情報をいただいておりますが、伝え聞くところによれば
◯2004年8月撮影開始、2007年放送
◯全40集の予定。脚本(初稿)は紅学者の検討終了
◯全ての役者について新人を起用
◯宝玉・宝釵・黛玉の愛情悲劇の描写を強化
◯80回以降については・・・

▩わんさん (2003年11月12日)

はじめまして。 私は現在中国人を中心とした日本語学校で、非常勤講師をしております。
先日、中国の文学作品について学生たちと話した際、初めて「紅楼夢」という小説について知りました。
彼らが「読んでください!」と熱心に言うのも手伝って、読んでみようと思ったのですが、さてどの訳本がいいのかが分かりません。
これは、というものがあれば教えて頂けないでしょうか。
(頁主より)
紅楼夢の訳本については殆ど選択の余地がありません。
現在日本で出版されている紅楼夢の訳本は、完訳本が3種と簡約本が数種です。
完訳本のうち、岩波文庫などは絶版になっていますので、現在入手できるのは平凡社から出ている伊藤先生の訳本のみです。簡約本は「ザ・紅楼夢」という全1冊の雑誌サイズの本です。とりあえず手っ取り早く読んでみたいというのであればまずはこちらを読まれてもよいかもしれません。

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