簡約「夢続紅楼」

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[あらすじ] [簡易年表
(1)あらすじ(第80~108回)

第80回
 彩霞は旺児の息子との婚礼の日、駕籠の中で首を掻き切って自刎します。一方、容態が悪化した香菱は、昏睡状態の中で夢に甄士隠と逢い、自身の全ての過去を思い出したのちに息を引き取るのでした。

第81回
 賈赦の誕生祝の席上で、王夫人は北静王妃より探春を義女にしたい旨を伝えられます。数日後、宝玉は茗烟とともに水月庵に芳官を訪ねますが、老尼の智通に見つかって強くたしなめられます。その帰路、通りかかった遊楼にて齢官の歌声を聞きます。

第82回
 黛玉、宝釵、湘雲、探春の四人は、湘雲の発案で化粧を整え、大観園で美の競演をします。その話を聞いた宝玉は、黛玉に化粧を施してもらいますが、王夫人に見つかって大目玉を喰らいます。一方、賈政は、賈雨村より朝廷で自らに不利な動きがあることを知らされます。

第83回
 寧国邸で開かれていた賭場に役人が押し入り、賈珍と賈蓉が捕縛されます。賈璉らが奔走する中、元春妃が懐妊したとの報が届き、恩赦により一年間の減俸と罰金で許された賈珍は、賈母の前で深く頭を垂れるのでした。

第84回
 元春の懐妊を受けて賈母は家人たちと共に媧皇(女媧)廟を参拝します。その折、姉妹たちは湘雲の発案で草合わせ(闘百草)を行いますが、黛玉のつぶやいた「絳珠草」という言葉に、宝玉は思わず胸を突かれます。

第85回
 湘雲は衛若蘭との婚儀が決まり、それまで大観園で過ごすことになりました。ある日、宝玉は黛玉の描いた小草の絵を見て、これぞ「絳珠草」だと指摘し、自らは石の詩を詠じます。その詩画を見た湘雲は、自分にも一幅描いてくれるよう黛玉にお願いします。

第86回
 大観園で湘雲の誕生祝が開かれ、姉妹たちは酒令をしたり、紙船を川に流したりと楽しい時を過ごします。一方、賈芸は小紅を自分の妻にと思い定め、煕鳳に恐る恐る伺いをたてます。自らが婚儀をまとめた彩霞が自殺したばかりでもあり、思案する煕鳳でしたが…。

第87回
 この夏は干ばつで大飢饉となり、賈家の荘園で働く人々が脱走してしまう事態となります。そんな折、劉婆さんが賈府を訪れ、巧姐は板児を大観園に案内します。稲香村にて板児が農村のことをあれこれ説明すると、巧姐はすっかり興味を覚えるのでした。

第88回
 七夕の日、衛若蘭の邸から帰った宝玉は、持参した金麒麟を紛失したことに気づきます。大観園では巧姐の誕生祝が開かれ、巧姐は湘雲より七夕のいわれを教わるのでした。

第89回
 孫紹祖に嫁いだ迎春はわずか一年足らずで虐待の末に亡くなります。栄国邸に戻ってきた繍橘はその惨状を哭訴し、邢夫人と激しく言い争います。しばらくは賈母の耳に入れまいと取り計らう鴛鴦を見て邢夫人は面白くありません。

第90回
 同じ晩に、宝玉は黛玉が他家に嫁ぐ夢を、黛玉は宝玉と宝釵が結婚する夢を見ます。不安にかられた二人は、相手の本心を確かめようと決意するのでしたが…

第91回
 薛蟠が人を殺して捕まり、昔の殺人の件も明るみに出て窮地に陥ります。薛家で奔走した結果、どうにか流罪で済みましたが、薛蟠には莫大な借金もあって薛家は没落します。一方、宝玉の将来を心配した賈政は、宝玉に大観園を出るように命じます。

第92回
 園を出て元の絳芸軒に戻った宝玉は毎日が窮屈でたまりません。そんな折、賈政が地方に赴任することになり、賈政は宝玉を一緒に連れて行くことを賈母に申し出ます。

第93回
 久しぶりに外出した黛玉は、その帰りに花塚に足を運びますが、通りかかった婆やたちが自分の悪い噂をしているものと合点して悲嘆の涙に暮れ、再び体を壊すことに。同じ夜、栄国邸には元春妃が死産したとの報が届きます。

第94回
 東の島国との戦が終結し、和平のために皇族の娘を降嫁させることとなりました。折から復職の機会を狙っていた賈雨村は、探春をその候補として上奏したいと賈赦に持ちかけます。元春妃が薨去して一家の支柱を失ったばかりでもあったため、賈赦はこの提案に乗ります。

第95回
 趙氏は馬道婆と謀って宝玉の悪評を内外でばらまき、ついには皇帝の耳にも届いて、(讒言も受けた)賈政と宝玉は問責のために帰郷を命じられます。一方、日に日に容態が悪化していた黛玉は、「宝玉が帰ってくる」と伝えられると、病もたちどころに癒えるのでした。

第96回
 馬鹿姐やから宝玉帰郷の真相を聞いた黛玉は、さらに婆やたちが宝玉と黛玉のことをあれこれと取り沙汰すのを耳にします。自分の痴情が宝玉の顔を潰したと思い詰めた黛玉は、自らの死をもって潔白を証明しようと決意します。

第97回
 黛玉の死の一因が邸内の流言飛語だったこともあり、王夫人は煕鳳に使用人の人員整理を命じます。宝玉の部屋づきの者も整理することとなり、縁談を勧められた襲人は、宝玉との積年の交誼を思いつつ、涙ながらにこれに従うのでした。

第98回
 賈政と宝玉が帰宅し、林黛玉の件はしばらく伏せるように厳命が出されますが、賈環がペラペラと宝玉にしゃべってしまいます。瀟湘館に駆けつけた宝玉は「林妹妹!」と叫んで昏倒し、いつしか太虚幻境に来ていました。

第99回
 数日間廃人のようになっていた宝玉ですが、再び瀟湘館に連れて行かれると、黛玉の部屋でひとしきり痛哭します。その後、王夫人は薛未亡人に、宝玉と宝釵の婚儀を提案。これを伝え聞いて難色を示す宝玉を、麝月は強く諫めるのでした。

第100回
 王家と史家が相次いで家産没収処分を受け、王子騰は取り調べの最中に憤死し、史鼎と史鼐は死罪となります。相次いで親戚が没落するのを目の当たりにして、栄・寧両邸にも強い動揺が走ります。

第101回
 史家との連座を恐れた衛家は祖先の地に帰ることになり、湘雲と翠縷は先方が落ち着くまで京に残ることとなりました。一方、煕鳳は夜の大観園で尤姉妹の亡霊に会い、ショックで寝込みます。さらに帰省した賈璉とは大喧嘩になり、賈璉は秋桐を連れて部屋を出てしまいます。

第102回
 煕鳳に代わって家政を委ねられた宝釵は、邸内や荘園などに関する一連の再建策を王夫人に提案します。一方、この年の挙試に臨んだ賈蘭は見事に及第し、長年の苦労が報われた李纨は賈珠の墓前で手を合わせます。

第103回
 賈蘭の祝宴を抜け出した宝玉は、足を運んだ瀟湘館で、かつて逃げたオウムが戻っているのを見ます。宝釵は部屋に戻った宝玉に対して、宴を抜け出した無礼を諫めますが、彼がすぐに鳥の餌を持って飛び出していくのを見て不安にかられます。

第104回
 邸で行方を追っていた司棋と藩又安が捕縛され、かつて鴛鴦が二人を匿ったことを知った賈赦は、賈母の看病をしていた鴛鴦を呼びつけて自分の妾となるように脅迫します。翌日、賈母が逝去し、これを看取った鴛鴦は大観園の池に身を投じるのでした。

第105回
 賈政に邸を出るよう命じられた趙氏は賈母の柩に頭をぶつけて果て、賈環は叔父たちと謀って賈家の積年の悪事を暴露します。頼みの北静親王も罪を得て京を追われ、寧国邸の家産没収、煕鳳の投獄に続き、ついに栄国邸に役人たちが踏み込みます。

第106回
 賈環の讒言が功をなし、煕鳳と宝玉は獄神廟に留め置かれますが、賈芸・小紅夫妻と茜雪の助力を得て出獄の機会を待ちます。賈赦の家人たちが売りに出される日、賈芸は巧姐を買い戻す算段でしたが、王仁らが一足先に彼女を買い取り、そのまま遊楼に転売してしまいます。

第107回
 賈政は賈母らの柩を送るため、出獄した煕鳳らと共に船で金陵を目指しますが、病篤い煕鳳は途上で果てます。一方、遊楼で巧姐を見たと板児より聞いた劉婆さんが彼女を買い戻す算段をしていると、当の巧姐が劉家の秣小屋に駆け込んできました。

第108回
 賈蘭は会試の会場で倒れ、数日後に息を引き取ります。一方、出獄した宝玉は宝釵・麝月らと共に極貧生活を送っていましたが、風雪で家が潰され、蒋玉函と襲人の家に厄介になります。ある日、宝玉は夢で甄宝玉に会い、そのまま飄然と姿を消してしまいました。