簡約「紅楼夢新補」

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[あらすじ] [簡易年表
(1)あらすじ(第81~110回)

第81回
孫家に戻った迎春は孫紹祖に痛罵されて病床に伏します。見舞いに来た賈璉にやり込められた紹祖は憂さ晴らしに賭場に出かけ、すってんてんになっていた賈芹に金を貸す代わりに鉄檻寺の小尼を借り受ける約束を交わします。

第82回
賈薔に駆け落ちを迫って齢官が一人邸を飛び出したと聞き、宝玉は嘆息やみません。その日の午後、瀟湘館で黛玉が新たに壁に掛けた「夷犹図」を見て興を覚え、宝玉は自ら筆を執って「竹石の図」を描きます。

第83回
湘雲の誕生日に大観園で詩会が開かれ、久々に姉妹たちが顔を揃えますが、香菱が危篤との知らせを受けて散会します。香菱はその晩に亡くなり、訪れた宝玉は、香菱の遺稿を目にして涙に暮れるのでした。

第84回
探春がジャワ国への降嫁の対象に選ばれ、かつ出立まで間もないとあって、栄国邸は大わらわとなります。出発前日には大観園で送別の宴が開かれ、同夜、探春は趙氏に対して今後のことを諭すのでした。

第85回
賈璉の出張中、煕鳳が鍵のかかった彼のカバンを開け、隠してあった多姑娘の髪と爪を見つけてしまいます。果たして賈璉の帰宅後に二人はいさかいを起こし、賈璉が表の書斎に避難してしまったため、小紅は巧姐を使って二人の和解を謀ります。

第86回
宝玉は柳湘蓮が北静王府で会いたがっているという話を聞いて出かけようとしますが、偶然鉢合わせた小紅に引き留められます。実は江南の甄家の罪に巻き込まれ、賈雨村は左遷され、北静王府も雲行きが怪しくなっていたのです。何者かの策謀の可能性もあるとして賈璉は宝玉に注意を促します。

第87回
七夕の日、姉妹たちは瀟湘館に集まって乞巧を行います。一方、宝玉は王夫人から大観園を出るように命じられ、夜中に園内を散策して名残を惜しみます。それを聞いた黛玉はあれこれと思い悩み、ついには病に伏せるのでした。

第88回
黛玉の病因を察した煕鳳は、賈母に宝玉と黛玉の婚儀を提案しますが、王夫人は宝玉の婚儀が「賜婚」で決まっていることを告げます。これを盗み聞いた雪雁は、我を忘れて黛玉にそのまましゃべってしまい、失望した黛玉はついにその命を散らすことになります。

第89回
黛玉の急逝に家人らは涙に暮れます。賈母は、黛玉の柩を姑蘇に送る際に、林家の遠戚に林如海の財を返すように指示しますが、すでに賈家で使い込んでいたため、賈赦らはその対応に頭を痛めます。やがて四十九日を過ぎ、紫鵑・雪雁らは黛玉の柩を守って江南に発ちます。

第90回
家奴から解放された林之孝一家が江南の実家に移ることになり、賈芸はこの機に紅玉との結婚を果たします。一方、宝玉の引越しの際に紛失していた通霊玉が穿堂前で雪の下から発見されます。すぐに賈環が盗んだことが発覚し、邸を追放されます。

第91回
北静王府の嫌疑から累が及び、湘雲の許嫁である衛若蘭は一家と共に都を追われることになりました。衛家では迷惑がかかることを恐れて、若蘭と湘雲の婚約破棄について賈母に相談しますが、意向を尋ねられた湘雲はこれを拒みます。

第92回
病が癒えた宝釵は、宝玉・湘雲と共に久しぶりに大観園を散策します。稲香村で黛玉への追慕の詩を記した後、瀟湘館で黛玉の遺稿を見た宝釵は、彼女の詩稿を整理しようと思い立ちます。宝玉と湘雲も既に消失した詩を書き連ねます。

第93回
賈母は賈政と王夫人に対し、宝玉と宝釵の賜婚について取り進めるよう申し伝えます。これを聞いた襲人は、宝玉が反発することを予想し、藕官の例を出して宝玉を説得しようと考えます。

第94回
宝玉と宝釵の婚儀が盛大に執り行われます。その晩、二人は互いの心の内を吐露したのち、かつて園内で姉妹達が詠んだ詩について夜を徹して語り合います。翌日は祠堂で大礼が行われたのち、それぞれの酒席で歓待を受けます。