一刻館の謎

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（１）一刻館の構造の謎
Ｑ．一刻館は築何年になるのか？

Ａ．原作では不明。アニメでは当時築70年くらいか？

一刻館は建築されて何年くらいになるのでしょう？　残念ながら原作では判定できる箇所がありません。
アニメでは、３話で戦時中に住人たちが書き残した屋根裏部屋のメッセージが登場しますので、その建築が戦前までさかのぼることになります。アニメ44話で四谷さんのアルバムに「壱刻館上棟式記念」の写真があり、郁子ちゃんが「時計塔の後ろの子供、うちのお爺ちゃんの子供の時の写真よ」と言っています。音無老人の年齢は不明ですが、惣一郎さんや郁子ちゃんの年齢から初登場時60代と仮定し、写真を10才くらいと考えると、一刻館の建造は1920～30年、つまり大正後期から昭和初期と考えられます。よって一刻館は当時築70年前後と推定できます。

Ｑ．一刻館の構造はどうなっているのか？

Ａ．一刻館の構造を参照ください。

原作の一刻館の間取りについて、まず基本的なところを確認しておきます。
１階について、管理人室は１部屋で廊下の突き当たりにあり、１～３号室は２部屋ずつあります。２階については、４～６号室とも１部屋です。ところが、一刻館の外観については第27話「引退宣言」の最初のコマなどから分かるように直方体です。つまり、１階と２階ののべ面積は同じでなくてはなりません。また、第79話「ジャブ＆うっちゃり」で５号室の真上に２号室がある（左右にずれていない）と思われることから、１・２・３号室の真上に４・５・６号室が配置されていると考えるのが妥当です（第128話「逃してたまるか!!」では管理人室の斜め上が５号室になっていますが、第146話「出たとこ勝負」では２号室の隣に１号室の窓が見えるのでミスと判断しました）。
しかし、どう見ても２階の各部屋が二室分もの広さがあるとは思えず、管理人室がさほど窮屈とも思えません。あれこれ考えたのですが、どうしてもつじつまが合わず、私は断念しました。

その後、皆様の御協力により、原作の描写に限りなく矛盾のない図面を作成いただきました（ありがとうございました）。

アニメでは、管理人室が外側に出っ張っており、１～３号室も１室しかないので、分かりやすい構造になります。アニメ化に当たってわざわざ一刻館の構造を変えたということは、制作陣も原作の一刻館の構造解明にチャレンジして匙を投げたのではないかと邪推するのですが…。

第27話「引退宣言」
第27話「引退宣言」 		第128話「逃がしてたまるか!!」
第128話「逃がしてたまるか!!」 		第146話「出たとこ勝負」
第128話「出たとこ勝負」

Ｑ．管理人室は無防備なのか？

Ａ．原作では管理人室のドアには鍵がない。

第48話「見るもんか」では、管理人室でレオタードに着替える響子さんが、四谷さんの気配を感じて勢い良くドアを開けましたし、第51話「一刻館の昼と夜」では、響子さんが制服に着替えた時に住民達が管理人室なだれ込んできました。そして、第19話「ケガの功名争い」では、響子さんが浴衣を脱いで体を洗おうとしていた時、五代君が胃腸薬を片手に突入してきました。以上の様子から、管理人室のドアには鍵がないものと判断できます。第27話「引退宣言」でも運送屋がドヤドヤ入っていきますし、「完結編」でも響子さんの留守中に五代君や響子さんの父が部屋に入っています。住民達の各部屋にはちゃんと鍵がかかるというのに…。一般にアパートの管理人室って施錠しないものなんでしょうか？
お爺さんが管理人をしていた頃なら、それでも良かったのでしょうが、若い女性の部屋に鍵がかからなかったというのはあまりにリスキーです。
とにかく、結婚後の五代夫妻は、「覗き魔のいるアパート」の「鍵のかからない部屋」で「夫婦生活を営んでいる」ことになります。義姉が「あんな環境で子供できるかしら」と言うのも当然でしょう…。
注）アニメでは管理人室のドアにもちゃんと鍵穴があります。
（２）その他
Ｑ．一刻館にはいくつ電話があるのか？

Ａ．原作では計４つだと思われる。

一刻館には、管理人室の黒電話と第16話「桃色電話」で設置されたピンク電話がありますが、二階堂君（第78話「一緒に住もうね」等）と朱美さん（第47話「キッスのある風景」等）も個人で電話を持っています。
一の瀬家は原作・アニメとも部屋に電話は見あたらず、第24話「リンクにかけろ」で賢太郎君はピンクの電話で郁子ちゃんと話しています（かかってきた可能性もありますが）し、第111話「夢一夜」でおばさんはピンクの電話から金沢の響子さんに電話しているので持ってないものと思われます。
四谷さんは不明ですが、時折五代君におごってもらう程貧乏症の彼が電話料金を払えるとも思えない…。ただし四谷さんがヤバい職業についている場合、正体を隠しながら外部と連絡をとるために無線などを利用しているかもしれません(^^)
よって、一刻館の電話は全部で４つと判断します。

第16話「桃色電話」
第16話「桃色電話」 		第8話「惣一郎の影」
第8話「惣一郎の影」 		第78話「一緒に住もうね」
第78話「一緒に住もうね」 		第47話「キッスのある風景」
第47話「キッスのある風景」

Ｑ．一刻館にはいくつテレビがあるのか？

Ａ．原作では計４台だと思われる。

管理人室にはテレビがありますが、他の人はどうでしょう。
まず、第65話「一の瀬氏の失業」で一号室にテレビがあること確認できますし、一の瀬さんも第１話「隣は何を…!?」で「もう騒がないでよ、メロドラマ見るんだから」と言ってます。二階堂君の部屋にもテレビがあります（第78話「一緒に住もうね」等）。
朱美さんと四谷さんは、五代君が友人のテレビをもらいに行った時、「そーいえばありませんでしたなー、テレビ」「つくづく極貧ねー」という会話をしている（第99話「バラ色の人生」）のですが、どうやらテレビは持っていないようです。朱美さんの部屋は原作47・48話、アニメ36話及び映画「完結編」に出てきますが、いずれもテレビは見あたりません。四谷さんも原作では確認できず、電話と同じ理由で持っていないと考えるのが妥当でしょう。
注）アニメ96話で四谷さんが「部屋帰ってうる星やつらのビデオでも見よーっと」と言ってます。これについては、四谷さんが八神さんの家庭教師になった時、原作では八神さんに自習をさせて五代君のテレビを見ていましたが、アニメ65話では抜け穴に自分のテレビを運んできて見ています。つまり原作の五代君のテレビが、アニメでは四谷さんのテレビになってしまったために出てきたセリフだと思います。
したがって、五代君が設置したことで一刻館のテレビは計４台になったものと判断します。

第22話「あなたのソバで」
第22話「あなたのソバで」 		第65話「一の瀬氏の失業」
第65話「一の瀬氏の失業」 		第147話「いきなり管理人」
第147話「いきなり管理人」 		第99話「バラ色の人生」
第99話「バラ色の人生」

Ｑ．住民たちが家賃を納めるのは毎月何日か？

Ａ．毎月25日だと思われる。

第21話「マフ等、あげます」の最初のコマから、一刻館の家賃が約20,000円であると推定されます。アニメでは、第19話では１万円札２枚が家賃分としてノートにはさんであるようですが、第39話で五代君がクリスマスの予算を立てている場面ではノートに21,000円と書かれています。
第26話「家族の焦燥」で四谷さんが「今月の家賃少し待ってください」と言っていますので家賃は当月払ですが、支払期限日は毎月の25日の可能性が高いと思われます。根拠は次のとおり。
（１）第21話「マフ等、あげます」で、五代君は家賃分のお金を振り分けていながら、22～24日に納めた形跡がありません（25日以降に支払ったものと考えられます）。
（２）第23話「帰らざる彼」で、五代君が帰ってくる日（01月13日か？）に、一の瀬さんが「家賃なんてあと十日くらい払わなくてもいいのに…」と言っています。
（３）第34話「SOPPO」で、五代君が「遅くなりましたけど、今月の部屋代…」と言っていますので、月末が期限ではないことが分かります。

第34話「SOPPO」
第34話「SOPPO」
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