一刻館の構造

戻 る

[その1] [その2
かしちゃんさん(2007年11月07日)
(管理人注:ご意見集に掲載させていただいたメールの続きとなります)

2.一刻館の平面図について

サイトでも何名かの方が挑んでおられましたし、一刻館の思いでにも
そのページがあったりで興味深かったこともあり、自分でも挑んでみました。
2種類作って添付してみましたのでご笑覧くださいますと幸いです^^;

一刻館平面図a案
一刻館平面図b案

簡単に言いますとaは1階が2階より大きいタイプ、bは直方体型です。
まず、一刻館の思いでを読んで、あの平面図はまずいと思いました。
平面図的にはありなのですが、耐震偽装ではないですが強度不足が著しく…

aをご覧頂きたいのですが、赤い四角は柱です。
1階と2階の柱の位置が同じになっていて通し柱になっているのをお分かりいただけると思います。

一刻館の思いでの平面図では柱の位置を想像した場合、通し柱がほとんどなく、2階の柱を1階の梁から逆T字のような形で立ち上げるしか方法のないような間取りになっています。
これでは2階の重量がすべて1階の梁にかかってしまい、強度的に非常に危険です。
これほど大規模な建物で大黒柱がなく、しかも屋根裏に大時計まであるのに…

ということでサイトの他の方の案も参考に作ってみたのがa案です。
強度を考慮して間取りや収納スペースも比較的ポピュラーにしてみてあります。
その他として、
「作中で謎になっている描写」は「描かれていなかったが存在はしたもの」として、主にデッドスペースを活用する形で想像で補完しています。

・物干台の下の庇は3号室の物ではないと考えた場合、
 描かれていない裏口があり、その庇であると考えました
・管理人室の上の謎の窓は4号室ではないと考えた場合、
 2階に描かれていない倉庫等のスペースがあるものと考えました。
・デッドスペースをできるだけ少なくして押入や物入に活用しました
 モップや竹箒等の収納スペースの描写がないことから、館内にあると想定しました
・できるだけ通し柱を増やして強度を保つようにしました

結果的に1階が6畳2間、2階が8畳1間の比較的ポピュラーな間取りになりました。

で、これで1回満足しかけたのですが、実はさらにこれにも落とし穴がありました。

1階の階段の途中に赤い色のついた箇所があります。
これは2階のトイレが階段上に出っ張っているのです。
直方体でなくトイレの場所がずれたため、このようになっています。

何が落とし穴かというと、
階段の昇降時にトイレの出っ張りで頭を打ってしまうのです。
これは立面図を描かないとわかりにくいです。
私が計算してみたところ、階段が3+15+1の計19段とした場合、1階の天井の高さが3m以上はないと170cm程度の身長で頭を打ってしまってトイレの下を抜けられませんでした。
ちなみに我が家の天井の高さは2.5m程度です。3mだと学校の木造校舎並みでしょうか。
他の方の案でも1階の廊下部分だけを出っ張らせた案の場合は同じことになる可能性が高いと思います。

そこで、1階の廊下だけを出っ張らすのがそもそも無理があると考え直し、何とか直方体にしてトイレを1階と2階で同じ場所にできないかとやってみたのがb案です。

かなりせこい反則技的な考え方なのですが、1階は6畳と4畳の2間、2階は10畳1間にして、間取りこそ違え1階と2階の部屋の広さを同じにしてあります(笑)


(管理人より)
ありがとうございます。つまり(1)1階の2室と2階の1室が同じ大きさ、(2)管理人室の上(2階)に同じスペースが存在、ということで原作どおりの直方体の一刻館が出現するわけですね。またちゅん88さんがデッドスペースとした空間も極力利用していただきました。
くり返しますが原作の描写には箇所ごとに相違があり、それ自身が矛盾したものになっています。私自身は何度も挫折していますので、ただただ感服です。

yesさん(2002年09月17日)
ご無沙汰しております。
早速ながら、サウンドシアター第6巻:KTCD3006に
一刻館の透視図が記載されていますので、
ご参考になれば幸いです。
4号室と5号室の間に押し入れがないなど
かなりヤクザなしろものですが・・・。
サウンドシアター自体「あと付け」で
ちと疑問が残りますが・・・。
一応資料としてご検討いただき、
HPのご活性に役立てればと思いまして送付いたしました。
(管理人より)
いただいた画像はこちらです。
管理人室の入口や1階の部屋の広さなど微妙に突っ込みたいところはありますが(^^)、きれいに描かれていて見やすいですね。
情報ありがとうございました。

モノーグ佐太郎さん(2002年01月11日)
1/11(金)のKIDS-SATATIONの第3話の放送を観ました。後半の最初の一刻館の俯瞰を観ますと、切妻屋根の直方体で管理人室の出っ張りがありませんでした。いつ頃から入母屋屋根で管理人室の出っ張りが描かれるようになったのでしょうか?
第3話を観ますと、柱上変圧器から引込まれた電気は、2階の軒下のどこか(多分便所付近?)から2階屋根裏の時計部屋を通って4号室横の階段まで来ているようです。時計部屋階段の入口横に分電盤があり、多分、この裏に電力メーターがあるのではないでしょうか?メイン・ブレーカーの下に1~6号室と管理人室、廊下階段便所等の共用で、8回路位、家賃には電気代込みといったところでしょうか?それにしても、ネズミが引込幹線をかじったことに拠る停電だとすると、電線も太く、復旧には油圧圧着工具なども必要で、本当は電気工事士の資格も必要です。響子さんは電工の資格を持っているのでしょうか?響子さんは普通の工具箱しか持っておらず、あの細い身体で油圧圧着工具無で一刻館の引込幹線の修理をしたのでしたら、たいした者です。(電気工事士の実技試験では1.6φのVA線ですので、幹線の油圧圧着工具は実務でないと馴染みが無い)
(管理人より)
アニメはスタッフ及び作画監督の交替により、3つの時期(~第26話,第27~51話,第52話~)に分けられますが、特に第26話以前と第27話以降では一刻館についても細かい部分の設定が大きく変わっています。管理人室が出っ張るような構造になったのは第27話以降です。
それから以前の投稿でありましたが、響子さんは資格関係を持っていないようです。何故に修理の心得があってどんな復旧作業をしたのかは謎ですね(^^)
(2002年01月18日追記)
モノーグ佐太郎さんから「時計とオルゴールの回路のこと忘れていました。動力の場合単相と3相がありますが、多分この場合単相だと思います。」との追加メールをいただきました。

モノーグ佐太郎さん(2002年01月10日)
年末に、三越善三郎氏が登場する話を見ました。3号室の中が見られるのは50・51話だけでしょうか?ちゅん88さんの描かれたanimemaison01.gifでは3号室の押入は、管理人室側にありますが、51話を観ますと1回から2階に上がる階段側または階段下が押入のように見えました。3号室入口と階段側の壁の間の距離が約900位(畳の短い方)のしかありませんが、シンク(流し)で、1畳分使っていますので、1800程度あるように思いました。

週替りのKIDS-SATATIONの放送は土曜夕方と日曜昼は変わりませんが、火曜夕方4:30~は土曜朝6:30~に変わっていました。1/9の日替りの第1話を観ました。この話では、本編でも切妻屋根となっていました。タイトル・ソング(悲しみよこんにちは)の絵と同じでした。週替りの方のタイトル・ソング(好きさ)では、入母屋となっています。週替りの53話の五代君の教育実習の話では管理人室は寄棟屋根となっています。


(管理人より)
3号室はもう一度登場します。第73話で八神さんが一刻館に籠城した時に、五号室を追い出された五代君がやむなく3号室で寝泊まりしました。

モノーグ佐太郎さん(2001年12月12日)
一刻館が建てられたと思われる1920年代は、人口200万人で飽和状態になっていた東京市内から郊外への人口移動が盛んになっていた時代です。
この人口移動の大きな引金は、もちろん関東大震災です。関東大震災で被災した人の住宅需要が大きかった思います。関東大震災から1929年の大恐慌までの間に建てられた可能性が高いと思います。プロトタイプの建物が中野区にあるそうですが、古い建物を調査研究している人(団体)のHPから探すと見つかるかも知れません。その建物に時計台があるかどうかも気になります。11月にChannel-Necoで「うる星やつら」のアニメ映画を観ましたが、友引高校にも時計台がありました。時計台が高橋留美子さんの好みなのかどうか知りません。1920年代の中野区の住宅需要等あまり判りません。何かの参考になれば幸いです。

アニメでは黄色い電車が登場していましたが、総武の電車も西武の電車も黄色で関西人にはどっちか判りませんでしたが、五代君が居酒屋でバイトして、一刻館のよく飲む3人と管理人の響子さんが五代君のバイトする居酒屋で飲んで管理人さんが酔っぱらう話で、西武の特急電車が出ていて西武沿線と判りました。


(管理人より)
貴重なご助言ありがとうございました。
一刻館のモデル(どの程度似ていたのかは分かりませんが)は中野にあったそうですが、高橋留美子さんが中野に住んでいた時点で、既におんぼろだったそうですから、既に解体されてしまったでしょうね。
ちなみに実写版映画で使われた一刻館は、東久留米の洋風屋敷に手を加えた(時計台をつけた)ものですが、高橋留美子さんが早い時期から監修として加わっており、スタッフも建物探しに数ヶ月かけていますから、この時点で既にあのような建物は東京から姿を消しつつあったということなのかもしれません。

モノーグ佐太郎さん(2001年12月04日)
初めまして、神戸のモノーグ佐太郎です。阪神大震災後神戸の町から古い建物がどんどん姿を消しています。Kids-Stationを観て、古い建物を16番(1/76~1/87)で模型化したいと思い、めぞん一刻の立面図や屋根伏図を探している内にここに辿り着きました。「めぞん一刻小辞典」を見ていますと皆さんよく研究されていて、感心させられます。平面図だけでも「一刻館の構造」その2から、6ファイルズをダウンロードしました。
ちゅん88さんの図面は大変きれいにできていますので、平面図、立面図、屋根伏図のCADデータ(DXFファイルやDWG、JWC)のLZHファイルをダウンロード出来るようになればいいなぁと思っています。時計が10:25で動かないのは、模型製作では動力装置に苦労しなくて済みます。
それでも1日2回必ず時間が合います。
Kids-Stationを観ていて思うのですが、アニメのタイトル・ソングの絵は一刻館の屋根は切妻ですが、本編では入母屋になっています。原作本は見ていません。
一刻館の竣工年ですが、2階屋根裏に重たい時計がありますので、1923年9月以降の着工だと思います。(阪神大震災経験者として)
(管理人より)
切妻(きりづま):棟を界として両方に流れをもつ、書物を半ば開いた形の屋根。
入母屋(いりもや):上部は切妻のように二方に勾配を有し、下部は寄棟造のように四方へ勾配を有する屋根形。
(以上広辞苑より)
原作の一刻館は間違いなく切妻屋根です。アニメは現在確認中につき、回答はお待ち下さい。

そのうち学生?さん(2001年9月2日)
一刻館の階段について
基礎資料編 > 一刻館豆辞典 > 一刻館探訪記 >(5)一刻館の廊下と階段 では、上15+下3段というようになっていますが、実は上は16段ではないでしょうか?
根拠→TEL YOU SWEETでは確かに15段確認できますが、見落としている段が1つ、9話アルコール・ラブコールで五代君が響子さんを抱きかかえたまま階段を踏み外しているコマが分かり易いです。TEL YOU SWEETでは、階段を下から描いているので、分からなくてもおかしくないのですが。念のため確認お願いします。
(管理人より)
確認しました。階段の上の踊り場と2階廊下にはさらに1段の段差があるということになりますね。つまり『1段+15段+3段』が一刻館の正確な階段の段数ということですね。ご指摘ありがとうございました。

そのうち学生?さん(2001年8月31日)
はじめまして、「そのうち学生?」です。(今は、高校の生徒です)
時たま増える情報を楽しく見させてもらっています。
で、ちゅん88さんの一刻館の構造図に対して質問なのですが、私はどうもベランダ(物干し場)の下にも1階の空間があるように思います。
根拠は「家族の焦燥」と「一刻館の昼と夜」です。

・家族の焦燥の方では、響子さんを助けた五代君が板を踏み抜いているのに、ひざのあたりで止っていることです。ベランダの下に何かあるのでしょう。まぁこれだけだと3号室の軒だ、という考え方もできますが。
次に一刻館の昼と夜ですが、賢太郎くんがいるベランダの下に、3号室とは思えない、1階の他の部屋から突き出た壁があるように見えます。  なぜ突き出た壁と言えるかというと、ベランダに出る窓との位置関係からして突き出てないとおかしい。
一刻館裏側の壁は1・2階にズレが無いはずですから。

と、いうことは、一刻館の1階は長方形ではないと思うのですが、いかがでしょうか ?


(管理人より)
物干し台の1階部分がはっきり分かる部分は原作にはないので難しいですね。「引退宣言」の最初のコマを見ると、物干し台のみ2階から突き出して見えます(ぶらぶらしています)。また、「家族の焦燥」と「一刻館の昼と夜」で見ると、確かに物干し台の下に屋根が見えます。しかし3号室の軒のみで物干し台を支えるのは構造的に危険ですね。
実はアニメでは、物干し台の下は柱で支えられているのです。原作でも3号室の軒はさらに柱で支えられていると考えるのが構造的には無難かなと思います。