「移り行く…」を基準に話をして申し訳ないのですが、上記作品では響子さんが惣一郎さんの墓参りに行く場面があります。
そこで響子さんが寺の前でバスを降りるシーンがあるのです。
黄色いバスから響子さんが下車し、寺の門の近くには「妙法寺」の文字が…
そこで私が一昨年まで住んでいた神奈川県横浜市なのですが、横須賀線「東戸塚駅」から神奈川中央交通のバスで「緑園都市駅行き」などに乗りますと、途中のバス停に「妙法寺」があるのです。
先述の通り私はそのあたりに住んでいたので、実際に妙法寺を見に行きましたが、残念ながら門の辺りもお墓の辺りも、アニメ版とは全然違います。桜の木もあまりありませんし…
しかし、響子さんが乗っていたのは間違いなく「神奈中バス」の配色ですのでアニメ版の惣一郎さんの墓があるお寺のモデルは
(少なくとも場所のモデルは)横浜市の妙法寺ではないでしょうか。
つらつら長々と書いてしまいましたが、既出でしたら申し訳ありません。
個人的な話ですが、高橋先生のマンガのギャクのリズムがかなり好きです。めぞん一刻もぜひ読んでみたいです!
> 差し支えなければ、何をもとにこの旅館を抽出されたのか
> お教えいただけませんでしょうか。
まず下記のインタビューは平山様のHPからの抜粋です。
高橋 最初はスタッフたちと尾道へ行き、金沢のほうには一人だけ連れてまいりまして、最終的には輪島で独りになったんです。
平井 独り旅には慣れているんですか?
高橋 生まれて初めてです。でも、独り旅は二日くらいだったので…
平井 独りでブラブラ歩きなど?
高橋 機動力が全然ないから、本当の徒歩なんですよね。ただ茫然と歩いて…
平井 タクシーを雇うということはしなかったんですか?
高橋 タクシーなんか通っていないんですよ。
平井 宿で頼めば来ると思いますけどね。そうすると、行動半径はあまり広くなかったんですね。
高橋 狭い所だったので、歩いている間に覚えられましたけど。
このインタビュー冒頭の尾道を平山様多くの方は誰も考察していませんが(勘違いでしたらすみません)、高橋先生達は尾道から輪島のほうに旅行されたんですよね?
この尾道というのは広島県の尾道のことだと思います。
ご存知だとは思いますが尾道というのは映画の舞台として有名な街です。
残念ながら映画(タイトルも失念しました)や作成時期がめぞんの連載時期とリンクするかは分かりませんが、映画業界と漫画業界を同じ作り手の世界と考えれば映画が作成される以前に漫画家の方が先に注目するのは十分考えられます。
ここで高橋先生は響子さんの旅行先を探すのに取材で尾道を訪れたのではないかということです。ただ何かイメージに合わなくて能登半島まで取材したのではないかと考えました。
もちろん取材だけではなく慰安旅行という意味もあったので初めから能登まで行く予定だったかもしれませんが、いずれにしろ広島県の尾道から石川県の輪島まで日本海沿いを旅行したのでしょう。
そう考えると、能登半島までの日本海沿いの観光地として福井県の東尋坊を忘れるわけにはいかないと思います。
また高橋先生は金沢には一人だけ連れて行き輪島で一人になった、独り旅は二日くらいだったとありますので、石川県周辺で少なくとも3日以上は滞在したと考えられると思います。
尾道から旅行してきて石川県周辺で3日以上あれば、石川県に入る前に東尋坊に寄る可能性は非常に高いと思います。
そしてその近辺の景色の良い海沿いの温泉地で一泊することも十分考えられると思います。
また、これは平山様も考察されていますが、能登半島の温泉地として条件を絞っていくと、金白館のあると考えられる温泉は何処もイマイチです。
以上のことから福井県の三国温泉ではないかと推察しました。
地理的に金沢より南西に位置しているのも承知していますが、私の推論は尾道から旅行してきて福井県で観光や宿泊をしたというのが大前提です。
以上長文乱筆で申し訳ありませんが私の推論を書かせていただきました。
また蛇足ですが「金白館」の名前の由来はこんなものではないでしょうか。
1.金沢は金箔が有名である
2.実際に安江金箔工芸館という観光スポットがある
3.金白=金箔=緊迫をかけている
とにかく、モデル探しは現地調査をしないと何も言えないところがあり、私もどこへでもやすやすと出かけられる気楽な身分ではありませんから(^^; 現地や近隣に住む人の情報頼みといったところがありますね。
ですから三国温泉については、もちろん否定しませんし、否定できません(^^; Oさんの言われるように、三国温泉は福井県を素通りするだけでは訪れ得ない場所にありますから、高橋留美子さんがここに宿泊した、または観光等のため通過したことが前提になりますね。地形的な相違というのは、響子さんの泊まった温泉地が川と海の間に温泉街があるのに対し、三国温泉は山側にホテルが並んでいるという点です。
余談ながら、高橋留美子さんが金沢に行かれたのはあくまで慰安のためで、後日それをマンガに使ったのは「漫画家としての悲しい性」という解釈でよろしいかと思います。
最後に、金白館の名前に関する考察は勉強になりました。ありがとうございました。
「『人魚の森』・能登半島説」の補足です。『人魚は笑わない』で、主人公の湧太が「瀬戸内海」と書かれた地図らしきものを手にしています。仮に舞台のモデルが尾道近郊だとすれば、『語り尽せ熱愛時代』初版121頁「おもしろユートピアを語ろう(Ⅱ)・旅行の効用」の高橋先生の発言から、能登半島が「人魚シリーズ」のモデルにされた可能性もあるかもしれません。ただし、あくまで推測の域を出ないので、皆様のご判断にゆだねましょう。金白館探しが迷宮入りしている今、少しでも情報は多ければ多いほどよいのはいまさらいうまでもありません。
なお、2旅館とも三国温泉という温泉地です。
望洋楼
http://www.bouyourou.co.jp/
若ゑびす
http://www.csn.co.jp/wakaebindex.htm
http://www.ecplex.net/wakaebisu/