■イタリア語版映画の発売元
なぜか『完結篇』のみ、Dynamic ItaliaではなくYamato Videoから"Maison Ikkoku: last movie"としてビデオが発売されました。ただ、同社のサイトには現在『めぞん』は掲載されておりません。(『うる星』はテレビ版、映画ともあるのですが)
http://www.yamatovideo.com/it/
■Christopheさんが述べられたフランス語版の解説について
"Club Dorothee"は「クラブ・ドロシー」となっていますが、「クラブ・ドロテ」が正解です。詳細は、清谷信一著『ル・オタク~フランスおたく事情』(KKベストセラーズ社・1998.8刊)に書かれております。この本には、『めぞん』フランス語版出版元のEditions Tonkam創業者の一代記もありますので、一読をお勧めします。
なおEditions Tonkamからは、今年の1月末に『専務の犬』(Le chien de mon patron)が出ています。
■中国語版が購入できるお店
ネットショップをもう1店発見しました。取り寄せもでき、対応も早く親切ですよ。
【中国書の草沁苑】
http://homepage2.nifty.com/caoqin/
■中国語版『めぞん』について
台湾の大然文化事業股(人に「分」)有限公司は、2003~4年にかけて集英社と小学館から相次いで出版契約を解除されたため、日本マンガの出版から事実上撤退しました。
発端は2003年春に「集英社が大然出版社との出版契約を解除する」という噂が流れたことです。大然側は否定したものの、4月30日に集英社は「3月25日で大然出版社との出版契約を解約し、既存の作品は別の出版社から継続する」と発表しました。その後、集英社は大然出版社が出した自社作品を流通ストップ、全て回収する措置をとったため、一部から「植民地的だ」との批判を浴びました。
このため小学館は大然出版社側の対応を見守っていましたが、2004年1月12日に台北で開いた合同記者会見で、「出版契約は2003年8月末で解約、過去に大然出版社が出した小学館作品の一部は、別の5社から再発行する」と発表しています。
解約に至った理由は今一つ分かりにくいのですが、集英社は2003年5月2日の記者会見で「2000年以降のライセンス料が支払われていない」と主張、また小学館も「大然出版社の財務問題による」と述べています。
現在『犬夜叉』は青文出版社が発行中ですが、他のるーみっく作品についてはまだ分かりません。
http://news.yam.com/tgs/dacheng_entertain/news/200401/en20040113070009.html
http://www.libertytimes.com.tw/2004/new/jan/15/life/young-2.htm
■台湾で正規版『めぞん』DVDが発売スタート
発売元は「普威爾國際股(人に「分」)有限公司」で、まず4月からテレビ版全24枚が予定されています。予約特典として24枚収納ボックスがつくそうです。なお、同社は『完結編』、『一刻島ナンパ始末記』のライセンスも取得していますので、今後商品化されるものと思われます。
http://www.prowaremedia.com.tw/
■スペイン語版『めぞん』再刊予定
最近、Glenat社が出版権を取得、4月から全10巻で改めて刊行予定です。巻数から、ドイツと同じようにワイド版編成になると思われます。ようやく最後まで出ることになりますね。
■海外版『めぞん』を入手できるお店
英語版は、FAQ記載の通り紀伊国屋書店が一番ですが、他の海外版について、2004年3月現在購入できるお店をご紹介します。
(中国語版)
【アジアコミック】 http://www.asia-comic.com/
最近取扱が始まりました。ネットでの通信販売のみですが、以前ご紹介しましたYesAsia.comと異なり、日本円で支払いできるので便利と思われます。ただしバラ売りではなく、尖端出版の文庫版全18巻のセット販売です。
なおこちらの商品解説によると、1995年2月~3月に出た15巻編成の「相聚一刻」は全巻入手が非常に難しい状態とのことで、これを裏付けるように、尖端出版の公式サイトでも在庫切れとなっている巻がほとんどです。台湾でも、新刊の『めぞん』は文庫版だけということでしょう。
(ドイツ語版)
【八重洲ブックセンター本店】 http://www.yaesu-book.co.jp/
7階洋書売り場のドイツ語コミックコーナーで取扱中です。ドイツ語版『らんま』『犬夜叉』もほぼ全巻揃っていますので、お薦めです。在庫がない本については取り寄せも可能です。(東京駅八重洲南口から徒歩3分)
【ゲーテ書房】 http://www.goethebook.co.jp/
ドイツ書専門の老舗ですが、マンガも取り扱っています。ただ、こちらは店舗というよりは事務所なので、在庫をすぐ手にとって読めるわけではありません。通信販売で利用される方が良いと思われます。(東京駅丸の内北口から徒歩で5分・丸ビル内)
新たな興味としては、英語圏の人にとって、本を逆からめくり、文字が進むのと逆の順番でコマを進めていく違和感についてすぐに慣れてもらえるのかどうか、という点です。
それが苦で無いのなら、元から、反転という面倒な手法を取ることもなかったのでは…
という部分が疑問ではあります。この5~6年の間に日本のまんがの受け入れられ方が、大きく変化したと見れば良いのでしょうか。
P.S.
1巻目のP140に、響子さんの顔が四角い空白に切り取られているというミスプリントがありましたよね。VIZにメールでもしようかなと思っております…。
【イタリア語の声優さんについて】
Monica Wardさんは響子さんの他、律子さんと賢太郎の声も演じられております。ただTV版では途中交代されているので、全てではありません。
このあたりはご紹介させていただいたサイトに詳しく書かれているようですが、なにぶんイタリア語ですので解読に時間がかかるのが難点です。もう少々お待ちください。
【単行本について】
先日、「maison ikkoku」英語新装版1巻を購入致しました。
カットされていた3話分が収録されたことを確認しました。訳自体は旧版と同じですが、オノマトペは全て書き直されています。
あと、Monthly Comicsは全て今年5月に発行終了しています。
発行元のVIZが、集英社・小学館の共同出資になったこと(Viz Commnication,Inc→VIZ,LLCに変更)で、運営の見直しが行われたのが要因と思われます。
台湾・尖端出版社の文庫版は18巻で完結しました。
1巻あたり40ページであることと、表紙デザインが類似していることから、VizのMonthry Comics版をスペイン語に翻訳したものと思われますが、この推測が正しいとすると 2話×7巻=14話ですから、さわりの部分のみで終わってしまったことになります。
同社は他に『短編集』や『1 or W』『Pの悲劇』『1ポンドの福音』も手がけたようで、海外の出版社としてはかなり意欲的だったようですが、残念なことに今入手可能なのは『1 or W』『Pの悲劇』のみのようです。これは『らんま』の出版権がGlena社に移ったのと関係しているようです。なお、Glena版『らんま』は10月に最終38巻が発売され、全巻が完結しました。
http://kamui.9power.org/manga/series/jkl/juliette.htm
2・イタリア語版『めぞん』情報サイトを発見しました。イタリア語版の単行本(At・ビデオの画像、『めぞん』のOP/ED歌詞(イタリア/フランス/スペイン)、イタリアでのテレビ放送状況レポートがあります。
http://www.manga-japan.it/maison-ikkoku/
ビデオは3社にまたがって販売されたそうで、権利関係で複雑な事情があったことをうかがわせます。残念ながら、Dynamic Italia社のサイトでは現在『めぞん』は出ておりませんが、最後のSIA社分は下記で扱っているようです。
http://www.shadowgrafica.com/esplosion/sfila/animed01.htm
http://www.shadowgrafica.com/japan/multimedia/video/video.php?titolo=maison&sotto=vhs16
なお親サイトには、“イタリアMTVで『めぞん』放送を希望する署名フォーム”があるのが笑えます。(MTVは『犬夜叉』『らんま』は放送しました)
余談ですが、イタリア語版で響子さん役を演じられたMonica Wardさんは、後に『らんま1/2』で女らんま、『炎トリッパー』で鈴子を演じられています。
3・ドイツ語版『めぞん』の出版元、EMA社のサイトにようやくめぞんのページができました。1~4巻の表紙をみることができます。
http://www.manganet.de/inhalt/manga/comedy/maison_ikkoku/info.shtml?&t=10
■スペイン語版について
Gonzalo Quesada氏のの投稿の通り、Planeta DeAgostini社で『らんま』が出版されていたことは間違いございません。
しかし、現在スペインの『らんま』は、Ediciones Glenat Espana,S.L http://www.edicionesglenat.es/ が出版しています。同一商圏の別々の会社に同時に出版権が与えられるとは考えにくいので、Planeta DeAgostini社はすでに権利を失っていると思われます。
■イタリア語版について
Cris氏の投稿にあるGranata Pressは『らんま』の単行本とビデオも発売していました。私の手許にある、イタリアのテレビ
局で放送された『らんま』のOP・EDでは"pubblicato in Italia da GRANATA PRESS"とクレジットがあります。
現在単行本は『めぞん』と同じSTAR COMICSから、ビデオとDVDはDYNAMIC ITALIA(漫画家・永井豪氏の事務所、ダイナミック企画の関連会社)http://www.dynamicitalia.it/ から発売されています。
■ドイツ語版について
以前、のぶぞう氏が「英語版からの翻訳と書きましたが、フランス語版を経由して制作されているようです」と投稿されていますが、単行本の奥付を確認したところ、どちらも正解であることが分かりました。以下の通りです。
1~18巻…ubersetzung aus dem Amerikanishen(アメリカ版からの翻訳)
19~38巻…ubersetzung aus dem Franszosischen(フランス版からの翻訳)
これは、VIZの英訳がまだ完了していないためです。また日本語からドイツ語への翻訳ができるスタッフが少なかったことも一因でしょう。幸いなことに『めぞん』『犬夜叉』は日本語から直接翻訳されています。
まず、注意しないといけないのはこのDVDがNTSC方式のリージョンコード1であることです。パッケージに地球儀のマークに数字の1が書いてあり、これがリージョン1を表しています。日本のDVDはNTSCリージョン2であり、通常の日本国内のDVD機器では再生できません。再生方法はサーチエンジンでそれらしいキーワードを入れて探せばいろいろな方法が見つかると思いますが、日本国内での再生が保証されないため、再生したい場合には各自の責任でお願いします。
パッケージは全て英語で書かれており、タイトルのmaison ikkokuの「o」は時計のマークになっています。ディスクは3枚でプレステ2と同じタイプのプラケースに1枚ずつ入っており、3つのプラケースを薄い紙ケースで収納しています。ディスク1枚で4話収録し、1~12話まで収録されています。各話のタイトルは今までのViz Videoと変わらないようです。
DVDを再生すると一刻館を背景にしたアニメーション型のメニューが出てきます。各窓に住人の動画がはめ込まれ、ディスク1では桜の花が舞ったり、惣一郎さんも吠えたりしているユニークなメニューになっています。音声言語や字幕の設定はなぜかこのメニューでしか変更できず、リモコン等からは変更できません。中に入っている紙に英語で書かれています。音声は英語と日本語、字幕は英語表示かOFFが設定できます。
OPとEDは原曲が使われていますが、歌詞の表示が全くありません。スタッフとキャストは全て英語で表示しています。各話のサブタイトルは英語表示、CM前後のアイキャッチはオリジナルのままです。
日本語音声はオリジナルのままです。英語音声は初めて聞くのですが、英語の声優陣に変更は無いのでたぶん1996~97年発売のVHSテープと同じものだと思います。私は最近米国で発売された他のアニメもいくつか持っていてそれらは英語と日本語の声質を近づけている場合が多いのですが、めぞん一刻の日本語と英語の声質はかなりギャップがあります。
ちなみに入手はAmazon.comでした。発売日の2週間前には予約を入れたのですが、予想以上に注文が殺到したのか実際に入手できたのは7月の終わり近くでした。