栄国府に関して、出発前に夕陽さんからいただいた質問の報告です。
結論からいえば、よく分かりませんでしたm(__)m
質問は次のものでした。
《紅楼夢》第3回で黛玉が栄国府に入った時に目にした建物の中で"两边厢房鹿顶耳房钻山"というのがありますけれど、"鹿顶"という屋根は実際にどんなものなのか
まず、確認になりますが、
「两边厢房鹿顶耳房钻山」は作中における栄禧堂の描写で、左右の廂房+鹿頂耳房+鑚山があることを示しています。廂房は正房の左右に直角に建てられる棟、耳房は正房の両側にある小室、鑚山(=穿山游廊)は正房と廂房を結ぶ渡り廊下です。
で、問題の「鹿頂」ですが、紅楼夢鑑賞辞典や紅楼夢語言詞典によれば、平頂(平屋根)の耳房のことを鹿頂耳房というようです(ただしネットで調べると違う解釈もあるようです)。つまり私に課せられた課題(^^;は、「正定栄国府で栄禧堂の耳房の屋根はどうなっているか」ということになりますね。
ということで、左の写真をご覧ください。
奥にあるのが栄禧堂の正房、右にあるのが耳房で、手前左が穿山游廊です。写真の左側に東廂房があります。位置関係はよろしいですね?
次に、 左の写真は賈政書房まで進んで見た耳房なのですが、どう見ても他の建物と同じ屋根のようです。平屋根とはとてもいえませんね。
つまり、「正定栄国府の栄禧堂の耳房の屋根は、他の建物の屋根と同じ」というのが今回の回答になります。
ただし、栄国府の紹介サイトでは「鹿顶耳房的格局(鹿頂耳房の構造)」と書かれていますので、鹿頂そのものの解釈が違っているのかもしれません。
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