2014年10月アーカイブ

最後にその他のもろもろについて

(1)大気汚染について
PM2.5などによる中国の大気汚染はよくニュースになりますが、私が訪中している間は上海では比較的落ち着いており、マスクをしている人は一人も見ませんでした。南京では車窓から見るビルが少し霞んでいましたが、歩き回る分には全く支障がありませんでした。

中国では空気の汚染度は、優・軽微汚染・軽度汚染・中度汚染・重度汚染・厳重汚染の6段階からなる大気質指標(AQI)で示され、こちらのサイトなどでリアルタイムで確認できます。最近は北京や東北で高く、上海や広州で低く、雨や風の日は低くなるため、夏に低く、冬に高くなる傾向があるそうです。中国へのベストシーズンは雨の降らない秋というのがこれまでの常識ですが、今後は旅行は雨季がよいといったふうに変わるのでしょうか?

(2)地下鉄について
数年前に上海の地下鉄の総延長距離が東京を抜いたというニュースが流れましたが、蘇州・杭州・南京にも地下鉄は走っており、上海近辺の交通事情は旅行をする上でも格段に便利になっています。
ちなみに、手元にある1991~92年版の地球の歩き方・中国(記念にとってあるのです)を見ると上海にはまだ地下鉄がなく(1995年開通、当時は北京と天津のみ)、僅か20年足らずでここまで延伸したことになります。trip021

で、他は分かりませんが、上海や北京の切符はICカードなのですが、南京では青い丸いコイン(少し面食らいました)で、乗車する時は機械にかざし、降りたあとは挿入(投入)し回収されます。料金は距離に応じて変わりますが、自動券売機で買えるので戸惑うことはありません。
ですので、上海近辺に行く機会のある方は。地下鉄駅の近くにホテルをとれば、中国語が全くできなくでも問題なく旅行できますので、ツアーばかりではなく個人旅行も是非検討ください。

(3)グッズについて
今回入手できたのは上海大観園で買ったトランプ(紅楼夢詩詞撲克、7元)のみでした(いずれアップします→)。上海大観園の売店にも紅楼夢関連のものは櫛や団扇など数種しかありませんでしたが、そもそも上海で工芸品を扱っている店は少なく(豫園商場等にはあるのでしょうけど)今後は下調べをしてから行くことにします。

上海大観園行きのバスが出ている「旅遊集散中心」は、以前は上海体育館の中にあったのですが、2012年に地下鉄3号線「漕渓路」前に移動していました。とは言え、数百メートル南西に移っただけですので、以前のように地下鉄1号線「上海体育館」から歩いて行っても5~10分ほどです。

さて、旅遊集散中心の2階に切符売り場があるのですが、「大観園一日游10:00発」と表示されているだけでしたので、窓口で確認したところ、大観園行きのバスは一日一往復のみだとのことでした。
以前は頻繁にバスが出ていましたので、朝早く出発して昼過ぎには戻ってきていたのですが時間的に制約されることになります。

やむなく10時発のチケットを88元(往復バス代+入場券代)で購入しました。この時、朝7時半でしたので(^^;一度市街に戻って出直すことにしました。

trip020で、10時に2台のバスに分乗して出発し、11時50分に大観園に到着しましたが、東方緑舟で1/3、朱家角で2/3が下車し、私の乗ったバスで大観園まで行ったのは3人(!)でした。
この状態では相当に閑散としているのではと思ったのですが、自家用車で来ている方々が多いのに加え、寧波と無錫からのツアーバスが計5台あってそれなりに賑わっていました。

上海大観園はもう特筆すべき部分はないのですが、売店や茶店などが一切園内からなくなり、大観楼2階で飲料を売っているだけでした。また、諸処で87年版紅楼夢の音楽が流れているのですが、新版紅楼夢についてはやはり一切触れられていませんでした(^^;

問題かなと思ったのは
1)到着時刻がツアー客とバッティングするので、一つしかないレストランがツアー客に占拠され、後回しにされるのを覚悟するか、観光を終えてから食事をするかの選択になりました(日曜だったからかもしれませんが)。食事はコンビニなどで買って持参したほうがいいかもしれません。
2)帰りのバスは16時出発ですので、大観園で4時間ほど時間があります。普通に見て回れば2時間もあれば十分かと思いますので、食事や淀山湖を見て時間をつぶす必要があります。
3)大観園を16時に出たあと、東方緑舟を16時30分、朱家角を16時45分に出発します(降りた客を乗せるため)が、それぞれの待ち時間が10分以上あります。また、上海市街に帰る高速道路が帰宅ラッシュで大渋滞になるため、帰りは2時間半以上を要しました。

なお、帰国後にネットで調べたところ、地下鉄1号線の「黄陂南路站」にある「淡水路金陵西路」と「商榻汽車站」を結ぶバス(上海沪商専線)があり、終点の一つ前が「金商公路大観園」で、片道2時間半だそうです。淡水路発の7:00,8:00,9:30、商榻発の14:30,16:00が利用できそうです。

南京では現在、地下鉄1号線が南北に、2号線が東西に走っており、今回訪問した場所は全て2号線沿いにあります。
「南京站」から1号線に乗り、5駅目の「新街口」で2号線に乗り換えます。
烏龍潭公園は「新街口」から西へ2駅目の「漢中門」、江寧織造博物館は東へ1駅目の「大行宮」、明孝陵は東へ4駅目の「苜蓿園」で下車します。

(1)南京曹雪芹記念館(烏龍潭公園) trip017
結論から言えば、現在(ネットで調べると久しく)閉館しています。
地下鉄2号線「漢中門」の2番口を出て100mほどで公園の南入口に到着します。ただし、正門は公園の北側にあり、南口には看板も門柱もありません。
北門の近くに曹雪芹記念館、石頭記(大石)、曹雪芹像がありますが、記念館が閉館している今、あまり立ち寄る価値はなさそうです。

(2)南京江寧織造博物館
昨年ついにオープンした博物館で、入館料は20元(総統府とのセット入場券が55元)でした。南口は地下鉄2号線「大行宮」の2番口に直結しており、こちらから入ると「紅楼夢館」「雲錦館」のある地下1階、北口から入ると「江寧織造庁」のある1階になります。

あらためて説明するのもなんですが、南京は曹雪芹が幼少期を送った地であり、江寧織造は曹家が代々務めた職です。
で、南口から入ると右手にカフェ、左手に劇場(まだ使われていないようです)があり、その先に紅楼夢館があります。

trip018曹雪芹記念館が曹雪芹や曹家に関する紅学の資料館であるのに対し、ここは紅楼夢のテーマ館といった印象です。
紅楼夢館に入ると曹雪芹の家系に関する「曹雪芹身世」、雪芹の生涯に関する「紅楼夢閲読」に始まり、「作品主題」「紅楼夢文化」のコーナーへと続きます。特にCGを駆使した展示が目立ち、入り口の曹雪芹、大石が道士たちと出会う場面、宝玉と黛玉の4つの名場面、宝玉の出家、宝玉が太虚幻境を訪れた場面の動画が流れています。
通常こういうところは撮影禁止なのでしょうが、皆スマホでバシャバシャ撮っており、私もビデオを回してきましたので、機会があればアップします。
また、紅楼夢文化では87版紅楼夢についてはふんだんに紹介されているのですが、新版紅楼夢についたは全く言及されていませんでした(^^;

雲錦館に展示されているのは「雲錦織物」、つまり歴代皇帝の衣に使われた複雑な模様を織り込んだ南京伝統の織物と清朝皇帝の龍袍です。
2階には旗袍(チーパオ)、つまりチャイナドレスの試着ができる中国旗袍館があります。
売店では旗袍などの衣装販売しかなく、工芸品や紅楼夢関連品は売っていませんでした。

(3)紅楼芸文苑(明孝陵景区)
trip019紅楼芸文苑は世界遺産の明孝陵に隣接しており、地下鉄「苜蓿園」の1番口から明孝陵を目指して登っていきます。
「明孝陵景区」の入場券が70元、中山陵・明孝陵・霊谷寺のセット入場券が100元ですが、いずれも山の上にありますので、時間と体力をよく考えて選んでください(^^;

石獣の並ぶ神道を抜け、明の初代皇帝・朱元璋の陵墓である明孝陵まで歩いて20~30分、その先に紅楼芸文苑があり、
建物は寥汀花溆、櫳翠庵、含芳閣、太虚幻境
石像は通霊宝玉の大石、曹雪芹、警幻仙姑、宝琴、宝黛、湘雲、黛玉
案内表示板は芙蓉仙界・瀟湘竹韻・薬園沉酔・沁香釣台・香丘・香草園を確認しました。
(表示は中国語・英語・日本語が併記されています)

10月17~21日に訪中しました。

今回は南京の3施設と上海大観園について調査してきました。

まず、上海から南京への行き方についてご紹介します。 trip016

上海と南京は和諧号(CRH,中国鉄路高速)で約2時間で結ばれており、十分に日帰りが可能です。現在、上海のメインの鉄道駅は上海火車站から虹橋火車站に移っていますが、南京への便は上海火車站からの方が多いようです(1時間に3本程度)。

なお、上海から南京へはバスも出ていますが、5時間ほどかかるらしいので使えませんね。


駅には自動券売機もあるのですが、2011年に実名制度が導入され、外国人はパスポートを提示して窓口で購入することになります。上海駅(上海火車站)では「鉄路上海站售票処」と書かれたビル(聯合售票大楼)が東側に隣接しており、3日前からの切符が買えます。


英語の窓口も用意されていますが、さすがに国際都市ですので外国人の扱いも慣れている感じで、私の並んだ窓口では、パスポートを出すと片言(より上手)の日本語で対応していただきました。1等席で往復419元でした。自信のない方は希望する日時・行き先・列車番号をメモして出すといいでしょう(本数は多いので少なくとも前後の列車は取れるはずです)。


南京は、世界遺産の明・清王朝の皇帝墓群(明孝陵・徐達墓など)を始め、中山陵、夫子廟、南京博物館、旧総統府、明故宮などとにかく観光地が多い都市です。江寧織造博物館に1~2時間、紅楼芸文苑(明孝陵含む)に2~3時間は要しますので、日帰りの場合、なるべく早く出て遅く帰ってくるゆったりプランをお勧めします。

乗車時は、遅くとも30分前までには駅に着き、入口(進口)でパスポートと切符を見せて入り、手荷物のX線検査を受けてから中に入ります。切符に書かれている(電光掲示板にも表示されています)待合室(候車室)に入り、15分ほど前に改札(検票)が開くので群衆についてホームに入り、切符に書かれた車両座席(全席指定です)に向かいます。列車内は日本の新幹線とそっくりです。この間、中国語は一切必要ありませんのでご安心を。

さて、南京駅(南京火車站)に到着したら、そのまま地下鉄1号線に向かいます。

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