2008年12月アーカイブ

game001下記のサイトによれば、1月に中国で「紅楼夢」のゲームが発売されるそうです。
ゲームの紹介文を訳すとこんな感じ。
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《紅楼夢》は北京娯楽通科技発展有限公司が多くの日本の恋愛アドベンチャーゲームを改編して蓄積したノウハウを元に開発した初の国産古典恋愛アドベンチャーゲーム。登場人物は60名に達し、四季の変化のある背景画が200余り、200を越えるイベントとアイテムのCG、4つのゲーム曲、31のバックミュージック、膨大なストーリーがあなたを異なる紅楼夢の世界にいざないます。
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絵柄が日本のアニメ風なのはそういうわけですか。イラストは緻密に描かれているようですね。宝釵の髪がピンクなのはどうかと思うけど...。
ちなみに、アドベンチャーゲームとは選択肢を選ぶことでストーリーが進んでいくタイプのゲームで、選択の仕方で発生イベントやストーリーやエンディングが変わっていくものもあります。

つまり、恋愛アドベンチャーということは、プレーヤーは宝玉になって、黛玉や宝釵や襲人らを相手に紅楼夢の世界を追体験+アルファできるということなのでしょうか。
本場で紅楼夢をゲーム化する以上、安っぽい、世界観を逸脱したゲームには絶対できない(してはいけない)でしょうから完成度も期待してよさそうです。
うわー、やってみたい!!

http://www.gamebridge.com.cn/Shopping/ShowProduct.aspx?ID=228
http://www.gamebridge.com.cn/Home/News/Show.aspx?ID=2677

新編・紅楼夢

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book004 1958年に春陽堂書店から刊行された石原巌徹氏の「新編・紅楼夢」をオンライン書店で先日購入し、ようやく読了しました。ちなみにこの本は、紅楼夢関連の古書では、ネットでも比較的入手しやすい部類に入ると思います。表紙と挿絵は棟方志功氏によるものです。

 ちょうど50年前に書かれた紅楼夢抄訳本であり、当時は中国で紅楼夢研究批判(紅楼夢論争)が始まって間もない頃です(奥野新太郎先生のあとがきでも触れられています)。
 そんなこんなで感慨に浸りながらページを紐解くと、「~ですヮ」「~なのョ」などの表現に時代を感じつつも、訳文は意外にも軟らかく、本文中には適度に補完(改変も多々ありますが(^^;)もされていて読みやすいものでした。

 個人的な印象ですが、先日刊行された同じ抄訳本の「要訳紅楼夢」は、回想や挿入話でなるべく多くのエピソードを盛り込もうとしていたのに対し、こちらはあまりつまみ食いせずに、宝黛絡みの主要なエピソードのみを時系列で並べて、あとはばっさりカットといった感じです。編訳のしかたによって随分変わるものだなぁと思いました。

 松上さんは「紅楼空間」で「智能児、万児、多官などが登場するのに詩社の話がほとんど出てこないという編訳の仕方に好き嫌いが分かれるかと思います」と述べていますが、これは私も同感です。ただし、同じように中盤をカットした「要訳紅楼夢」ではあまり印象に残らなかった人物たちが活躍しているのは逆に面白いと思いました。

前回のニュースでドラマ「黛玉伝」の監督に内定したと報じられた徐静蕾女史ですが、ドラマの撮影延期で映画のスケジュールと重なってしまったため、断念したとのことです。

シュー・ジンレイ、『紅楼夢』ドラマ版の監督を断念(サーチナ)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=1214&f=entertainment_1214_002.shtml

  book003のサムネール画像先日講談社から発刊された王敏著「要訳紅楼夢~中国の「源氏物語」を読む」をさっそく買ってみました。

てっきり書き下ろしだと思っていたのですが、「本書は、自民党発行の女性のための政事情報誌「りぶる」2004年4月号から2006年3月号まで、24回にわたって連載したものに、加筆・修正したものです」とのこと。おっと、機関誌連載だったんですね。どれほどの人が読んでいたのでしょう。

内容は要訳の名にふさわしく、原作に極めて忠実で、オリジナルのエピソードなどは入っていません(ちょっとだけ気になる改変がありましたが)。主要なエピソードのみを追いながらも、回想や挿話などで他のめぼしいエピソードについても逐次挿入されており、1冊で紅楼夢全般についてよくまとめています(序盤と終盤のエピソードが主体になるのはやむを得ないのでしょうが)。

ただ、やはり紙面の限界は感じられ、抜け落ちたエピソードも多いですし、主要人物以外はほとんど印象に残りません。一度読破した方には非常に良い本だと思うのですが、全くの初心者で何の予備知識もない方だと、果たしてどの程度理解できるものなのでしょうか。

私は出張の行き帰りに読了しましたが、テレビドラマや続作本などでいろいろな結末を見てきたため、オリジナルの81回以降に触れるのは久しぶりで、なんだか新鮮でした(^^; そういえば賈芸って各種の続作の影響で、すっかり快男児っていう印象を持っていましたが、現行の続作では巧姐の売り飛ばしに手を貸す小者にすぎないんだっけ...

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