汲古選書「曹雪芹小伝」は周汝昌氏の同著の日本語訳版で、本年7月に汲古書院より刊行されたものです。訳者の小山澄夫先生のあとがき等によれば、本書の発刊までは相当な難産だったらしく、最初に中央公論社から刊行されるはずだったのが、同社の読売新聞社への吸収合併により白紙に戻り、長いお蔵入り期間を経て汲古書院から刊行された経緯があるそうです。周汝昌氏の序文が書かれたのが1989年、伊藤漱平先生の跋文が書かれたのが2007年となっていますから、それだけでも相当な期間を経ていることが分かります。
邦訳にあたって補注も大きく書き足されており、私も先月購入し、勉強しながら読み進めております。
日訳「曹雪芹小伝」発売の情報ありがとうございました。
実は8年前、友人が北京からのおみやげに「曹雪芹新伝」(外文出版社・1992年第1版)を買って来てくれたので、辞書を引きっぱなしで訳し始めましたが、ついに疲れ果て、4分の1頁を残して断念しました。
今年7月発売になった日訳「曹雪芹小伝」の原文は、「曹雪芹新伝」より以前に出版されたものですが、たぶん中身はそれほど変わっていないのでは?と推測しております。
「曹雪芹新伝」の目次は、自序、第1章“貴賎”之間―奇特的家世~第38章伝后余昔になっていますが、「曹雪芹小伝」ではどうでしょうか?
それに、日訳「曹雪芹小伝」の正規価格は6300円なのに、ネットで見ましたら、もう中古で出ていて、8575円~になっています。どうしてなのでしょうか?
(夕陽さんと私の掲示板の投稿をブログに転載しました)
今回の日本語訳「曹雪芹小伝」の底本は1984年に刊行された同著の第2版であり、全33章+付録3篇の全訳とのことですので内容的には曹雪芹新伝の方が新しく、新情報や考察が加わっているものと思いますが、基本部分は同じではないでしょうか。小山先生の訳注、伊藤先生の跋文(本書の問題点などについても言及しておられます)以外は原著そのものということだと思います。
中古ではまだ値が落ちないので、手数料の分高上がりになっているのではないでしょうか。オンライン書店で問題なく買えます(取り寄せのため日数はかかります)ので新品をお求め下さい。