先日講談社から発刊された王敏著「要訳紅楼夢~中国の「源氏物語」を読む」をさっそく買ってみました。
てっきり書き下ろしだと思っていたのですが、「本書は、自民党発行の女性のための政事情報誌「りぶる」2004年4月号から2006年3月号まで、24回にわたって連載したものに、加筆・修正したものです」とのこと。おっと、機関誌連載だったんですね。どれほどの人が読んでいたのでしょう。
内容は要訳の名にふさわしく、原作に極めて忠実で、オリジナルのエピソードなどは入っていません(ちょっとだけ気になる改変がありましたが)。主要なエピソードのみを追いながらも、回想や挿話などで他のめぼしいエピソードについても逐次挿入されており、1冊で紅楼夢全般についてよくまとめています(序盤と終盤のエピソードが主体になるのはやむを得ないのでしょうが)。
ただ、やはり紙面の限界は感じられ、抜け落ちたエピソードも多いですし、主要人物以外はほとんど印象に残りません。一度読破した方には非常に良い本だと思うのですが、全くの初心者で何の予備知識もない方だと、果たしてどの程度理解できるものなのでしょうか。
私は出張の行き帰りに読了しましたが、テレビドラマや続作本などでいろいろな結末を見てきたため、オリジナルの81回以降に触れるのは久しぶりで、なんだか新鮮でした(^^; そういえば賈芸って各種の続作の影響で、すっかり快男児っていう印象を持っていましたが、現行の続作では巧姐の売り飛ばしに手を貸す小者にすぎないんだっけ...
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