大変ご無沙汰しております。
震災以来仕事に忙殺されておりましたが、最近ようやく自分の時間が取れるようになりましたので、近々サイトの運営を再開したいと思います。

とりあえず最近のニュースから
--------------------

○史上最高のアジア小説10作で『紅楼夢』が一位(2014年4月)

イギリスの新聞社が選出した「史上最高のアジア小説」で紅楼夢が一位となったという記事です。
http://japanese.cri.cn/881/2014/04/28/241s220299.htm


○中国、「紅楼夢」題材の特別切手発行(2014年6月)

紅楼夢を題材とする特別切手が発行され、北京の曹雪芹記念館でセレモニーが行われたという記事です。
http://japanese.cri.cn/881/2014/06/23/141s222745.htm


○「紅楼夢」に夢中、新訳に15年 丁寧な注、登場人物わかりやすく 井波陵一・京大教授(2014年8月)

紅楼夢新訳本を完成させた井波先生の記事です。私も少しずつ読み進めていますが、訳文がやわらかくてとても読みやすいですね。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11285339.html

近況報告です

| コメント(0) | トラックバック(0)

今回のみ紅楼夢以外の話題(プライベートな事)で申し訳ありません。
先日の大震災で御心配の声をいただきましたので、簡単に近況報告をさせていただきます。

私は福島県在住ですが、中通りにある我が家では幸い震災後の停電も断水もなく済みました。
両親のいる実家は浜通りの南相馬市というところにあり、地震直後の津波で近隣地域では甚大な被害が出ましたが、海岸近くながら高台にある実家は辛うじて難を逃れました。
その後、原発事故で自主避難指示が出され(実家は原発1号機から27キロです)、両親は県西部の会津若松市に避難しました。荷物を取りに一時帰宅した両親は、街がゴーストタウンになったと嘆いていましたが、南相馬市長がマスコミで窮状を訴えていた頃です。

県内各地の空気中放射線量は継続的に計測されており、南相馬市の線量が比較的低いことを知った両親は3月末に帰宅しました(多くの方がその頃から帰宅を始めたようです)。先日、自宅のある地域は「緊急時避難準備区域」に指定され、同時に屋内待避指示が解除されると、郵便・宅配・新聞配達の再開、コンビニやスーパーの再開など、南相馬市は急速に動き始めました。

福島県の現状は皆様もご存知かと思いますが、行方不明者の捜索や瓦礫の撤去に当たられている自衛隊の方々、避難所運営に携わっておられる方々、ボランティアで来られている県外の方々、募金や物資を寄せていただいた方々、被災地に思いを寄せてくれている方々など、本当に多くの全国(そして全世界)の皆様に支えられていることを実感しています。心より御礼申し上げます。

ちなみに、福島県内では全てが放射能汚染され、混乱しているようなイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、原発の周辺(警戒区域・計画的避難区域・緊急時避難準備区域)と津波の被災地を除いた地域ではほぼ平静を取り戻しています。大半の方は既に当たり前の生活をしています。何年後もこのままかと思われた被災地でも急速に瓦礫の片付けが進み、避難者の方々も新たな生活に踏み出しており、再興に向けた動きは今後も加速していくものと思っています。

中国政府が四大名著のテレビドラマを禁止するとのニュースです。
「近年製作された四大名著のドラマは、いずれも原著からかけ離れた内容のものが多く、一般社会と民族文化に与える影響が大きい」とのことですが、新版紅楼夢の不評が多分に一因ではないかと勘ぐっています(^^; しかし政府がドラマ化禁止を決めるって...

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110405-00000007-rcdc-ent

紅楼夢関連施設を探していたら、また幾つか見つけましたのでご紹介します。

(1)唐山曹雪芹祖籍文物展覧庁(唐山市)
曹雪芹の原籍として遼陽・豊潤・鉄嶺・武陽説がありますが、遼陽には曹雪芹記念館があり、武陽(南昌市)では曹雪芹原籍記念館が建設予定なのに対し、豊潤(唐山市)には曹雪芹祖籍文物展覧庁がありました。あまり詳しい情報は分かりませんが、住所は「豊潤県豊潤鎮西街26号文物管理所」、曹雪芹の原籍が豊潤にあったことを示す碑刻等の資料が50平米の建物内に展示されているようです。
唐山大地震(1976年)で有名な唐山市は北京にほど近く、和諧号だと1時間程度で結ばれています。

http://www.51766.net/img/cxzjwwzlt/

(2)普福禅寺(蘇州市)
紅楼夢第1回に登場する十里街・仁清巷の葫芦廟のモデルは山塘街・青山橋浜の普福禅寺とされているそうです。宋代に建設された普福禅寺は1958年の大躍進の時に破壊されましたが、2009年7月に再建されました。再建に合わせて紅楼夢の十二の場面を石板に彫刻した「紅楼十二幅図景」が設置されているそうです。

葫芦庙5月重现 "红楼十二图"装点普福禅寺(中文)
http://www.subaonet.com/html/cul_news/200924/IJ89ACDK24FAIDI.html

それから、以前ご紹介した江寧織造府博物館(南京市)はいまだオープンしていません。資金不足で頓挫しているとの噂もありますが、いったいいつ開館するのでしょうか。

江寧織造府博物館の公式サイト(中文)
http://www.jnzzfm.com/index.asp

book019.jpg昨年11月に刊行された合山先生2冊目の紅楼夢専著です。ようやく読了しましたので紹介します。
タイトルがタイトルだけに恐る恐る読み始めたのですが(^^;、合山先生は本気でした。

性同一障碍害は日本でも近年知られるようになりましたが、当時も認知されていなかっただけで障碍者はいたはず → 宝玉の風変わりな言動や志向は、彼が性同一障碍者だったとすれば合理的に解釈できるのではないかという仮説から、作中の描写を性同一性障碍の診断基準に照会したり、実際の障碍者の方や医療関係者に意見を伺ったりしながら推察されています。

例えば、宝玉が少女を賛美し、交じって遊ぶのを好み、一緒に暮らす女性たちに性欲を示さず、女性の持ち物や化粧に強い嗜好を示すのは宝玉の内なる性が女性であるためであり、宝玉のモデルである曹雪芹こそが性同一性障碍者であり、宝玉が立身出世や社会との交わりを嫌い、最後に出家するのは性同一性障碍による社会不適合性を意識した結果であり、紅楼夢の執筆動機つまり非現実的な大観園を作中に出現させたのは、当時社会に認知されていなかった障碍者として現実の苦悩や悲嘆から脱却することを願ったものという具合です。

紅楼夢の執筆動機は一般には取り潰しにあった自家の冤罪をそそぐために書かれたものとされていますが、合山先生は作中で家中の悪事を暴露したり、元春の省親や大観園での生活など全く現実性のないものを描く理由にはならないことから、これには全く反対しています。

前作の「紅楼夢新論」で紅楼夢の仙女崇拝小説であると発表された時には、伊藤先生も執筆動機として成り得ないとして反対されていましたが、今回の説が広く認知されるかは正直疑問ですが、相当の説得力を感じました。まだまだ紹介の足りない部分がありますので、是非御一読をオススメします。
--------------------------
『紅楼夢』―性同一性障碍者のユートピア小説
刊行 2010年11月
著者 合山究(九州大学名誉教授)
出版 吸古書院
定価 7000円+税

新版紅楼夢のDVD

| コメント(0) | トラックバック(0)

  DVD001.jpg北京電視台では9月26日に最終回が放送された新版紅楼夢ですが、掲示板や他サイトでも紹介されているように、放送中の9月上~中旬に3種類の正版DVDが発売されています。

10枚組経済版、17枚組、15枚組の3種ですが、仮に経済版、通常版、豪華版と呼んだほうが分かりやすいと思います。詳しくは分かりませんが、経済版は通常版より画質が落ちるそうで、豪華版は卓越網で見る限り、扇子などの特典がついているようです。ちなみに重さは300g・500g・2000gとなっています(^^;

日本のサイトでも購入できますので紹介しておきます。
クイックチャイナはそれぞれ2960円・4490円・5920円、yesasiaでは4034円・5406円・6535円となっておりますので、クイックチャイナのほうがお得です。購入を考えている方は御参考まで。

Yahoo! JAPANが運営する「Yahoo!チャイナモール」というサイトがあります。

中国のショッピングモールから買い物ができるサイトで、説明が日本語であること(自動翻訳のため商品説明は相当分かりづらいですが(^^;)、送料が比較的安価であること、到着までの日数が10日前後と早いことなどメリットが高いです(詳しくは「買い物ガイド」を御確認ください)。

で、何気なく調べていたら、こちらで紅楼夢PCゲーム(第1弾・第2弾とも)が購入できることが分かりました。トップページの検索窓に「紅楼夢 DVD」と入力して検索してみると、第1弾の標準版、第2弾の初回限定版と標準版が出品されています。いずれも簡体字版です。国際送料の千数百円が加算されますので、欲しい物があればまとめ買いをしたほうがいいですね。

Yahoo!チャイナモール
http://chinamall.yahoo.co.jp/

ブログシステムの調子が悪く、意を決して一から再構築しました。
1週間ほど要しましたが無事に終了し、コメントもトラックバックも問題なく受け付けています。これまではじかれた皆様、ご迷惑をおかけしました。
細かいところはもう少しいじるかもしれませんが、とりあえずブログを再開しますので、今後ともよろしくお願いします。

曹雪芹小伝

| コメント(2) | トラックバック(0)
book018汲古選書「曹雪芹小伝」は周汝昌氏の同著の日本語訳版で、本年7月に汲古書院より刊行されたものです。訳者の小山澄夫先生のあとがき等によれば、本書の発刊までは相当な難産だったらしく、最初に中央公論社から刊行されるはずだったのが、同社の読売新聞社への吸収合併により白紙に戻り、長いお蔵入り期間を経て汲古書院から刊行された経緯があるそうです。周汝昌氏の序文が書かれたのが1989年、伊藤漱平先生の跋文が書かれたのが2007年となっていますから、それだけでも相当な期間を経ていることが分かります。

邦訳にあたって補注も大きく書き足されており、私も先月購入し、勉強しながら読み進めております。

http://www.kyuko.asia/book/b71733.html

8月下旬にツアーで中国東北部を歩いてきました。今回は紅楼夢関連の場所には行けませんでしたが、合間に買ってきたグッズについて書いておきます。
また、上半期に当当網で購入した書籍から、画集について紹介しておきます。

まず、大連の新華書店で紅楼夢ゲーム第2弾の初回限定版を購入しました。当当網では売り切れ、卓越網では海外発送できず、なので私には中国で買うことしか思いつきませんでした。これで設定攻略集が手に入りましたので、整理しながらゲームを進めてみたいと思います。

book017同じく大連の土産物屋で紅楼夢のトランプ(皇城根系列珍蔵撲克)を購入しました。50元でした。いずれ人物図解のほうに入れておきます。

当当網からは「唯美人物插画絵制技法-紅楼夢中人之十二金釵」(人民郵便出版社)と「滕少泉工筆人物画集」(中国文聯出版社)を購入しました。前者(左の写真)はパソコンCGによる人物画の描き方に関する本ですが、対象が金陵十二釵になっています。とても美麗です。
後者は滕少泉氏の画集で半分以上が紅楼夢に関するものとなっています。原価も320元と高価ですが、大きさも重量もなかなかなので、訪中時に購入するのも難しそうです。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

これまでの訪問者

    ありがとうございます。あなたは
    人目の訪問者です。

最近のコメント

  • 平山さん: 平山@頁主です、はじめまして。 インストールの画面は全てスキャンしてあるのですが、ごめんなさい、まとめている時間がありません。ただ、インストールする場所と名前を指定→シリアルコード入力→完了という流れ 続きを読む
  • ひむろとしつぐさん: 初めまして、氷室というものです。 香港で「再續紅樓夢」というゲームを買ったので 色々とネットサーフィンをしていたら、こちらに来ました。多分、これと同じだと思いますがプレイできません。シリアルIDを入力 続きを読む
  • 夕陽さん: メンテナンスの終了、ご苦労様でございました。 平山さんの仰るように『曹雪芹小伝』9月26日にe-honに注文しましたところ、昨日の10月13日やっと届きました。 《原注》や【訳注】があるので、比較的に 続きを読む
  • 平山さん: (夕陽さんと私の掲示板の投稿をブログに転載しました) 今回の日本語訳「曹雪芹小伝」の底本は1984年に刊行された同著の第2版であり、全33章+付録3篇の全訳とのことですので内容的には曹雪芹新伝の方が新 続きを読む
  • 夕陽さん: 日訳「曹雪芹小伝」発売の情報ありがとうございました。 実は8年前、友人が北京からのおみやげに「曹雪芹新伝」(外文出版社・1992年第1版)を買って来てくれたので、辞書を引きっぱなしで訳し始めましたが、 続きを読む
  • 平山さん: >夕陽さん コメントの承認が遅れて申し訳ありませんでした。 夕陽さんもいつの日か殷墟に足を運べるといいですね。 安陽はいかにものんびりした地方都市といった印象でしたが、あちこちで大がかりな工事が行われ 続きを読む
  • 夕陽さん: 平山さん、お帰りなさい。 北京西駅-安陽間の和諧号の具体的な時間や、その他参考事項、ありがとうございました。私も殷墟には是非行きたいと思っていますが、いつになることやら・・・。 殷の門は、まさに鳥居で 続きを読む
  • ほーめいさん: 御無沙汰しております。 老婆心ながら、「周一」は月曜日の意味で、口語でもよく耳にするので、私はなるべく「星期」は使わないようにしています。一昔前のような語感があるのかなあ、と見栄を張っているだけですが 続きを読む
  • 夕陽さん: 平山さん ありがとうございました。 公式サイトには確かに「中国文字博物馆计划2009年年底正式开馆。」と記されていました。 ネット検索が相変わらず“へた”で、不自由してます。(^-^) 私も殷墟には昔 続きを読む
  • 平山さん: >夕陽さん お久しぶりです。 曹雪芹記念館は全部で3つ、北京・南京・遼陽にあります。 遼陽の記念館は「曹雪芹の原籍=遼陽」説に基づいて関連資料を展示したものと聞いており、下記のサイトによれば、96年に 続きを読む

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。