book01610年以上前から探していた君島久子さん訳の「中国文学名作全集8《奥野信太郎編集》紅楼夢」(盛光社)をついにネットで見つけて購入しました。児童書と聞いていましたので、もっと薄い本かと思っていましたが、全252頁の厚手の本でした。

とりあえず感想です。
宝黛釵の主要なエピソードから20余りを抜粋して順に羅列したという感じです。他の抄訳本が1冊に詰め込むために前後のエピソードを交錯させたり、回想シーンを入れたりと構成上の工夫をしているのに対し、この本は、入らないものは無理に入れないというスタンスのようです(^^; また、前80回と後40回が分量的には半々です(中盤はすっぽり抜けています)。
雨村も可卿も劉婆さんも尤姉妹も登場せず、湘雲・惜春・妙玉・平児などは一瞬で終了です(^^;

正直、他の抄訳本に比べると物足りないですが、対象は「小学校高学年~中学生」という画期的なもので、訳はやわらかく、文章も平易で読みやすかったです。
また本書は、切り絵作家・滝平二郎氏のイラストがふんだんに使われており、こちらも見物です。

ネットでも滅多に見つからない幻の本ですが、図書館には置いてあるところもあるそうです。

北京電視台では9月2日から放送が始まった新版紅楼夢ですが、
以下によれば、アンケート調査の結果、
87年版がいいという人が70.7%、新版がいいという人が12.1%だったとのことです。
予想はしていましたが、最初は特に違和感を感じる方が多いということもあるのでしょう。
放送中途の現段階で比べてしまうのは酷かなとも思いますが...

8割の視聴者、87年版の「紅楼夢」を好む
http://japanese.cri.cn/881/2010/09/16/201s163950.htm

...ところで小説を読了した人って38.1%しかいないのかい!?

南京の今を思う

| コメント(0) | トラックバック(0)

私のサイトの中の「紅楼夢観光案内」で、南京曹雪芹記念館だけが10年以上前のデータとなっており、再訪の機会を果たせずにいます。

この間、南京の発展も著しく、2005年に地下鉄1号線、先月28日には2号線が開通したとのニュースがありました。
調べてみると、南京曹雪芹記念館のある烏龍潭公園は地下鉄2号線の「漢中門」駅が最寄りとなるため、2号線の開通により南京駅と地下鉄で結ばれました。
また、私が訪問した時は南京で1泊しましたが、現在は上海と南京は和諧号で2時間半で結ばれているため、上海から日帰り旅行が可能となっています。いずれ...といったところです。

こちら(↓)が烏龍潭風景区のサイトです。曹雪芹記念館も健在です。
http://www.wulongtan.com.cn/

さらに、南京では、江寧織造府博物館がかつて織造府があった跡地に建設中です。博物館自体はほぼ出来上がっているようですが、オープン時期はいまだ明らかにされていないようです。
詳しくは以下を参照ください。
場所は地下鉄1号線の「珠江路」から東に1キロのところです。

江寧織造府再建記
http://www.long-net.com/topics/article.php?uri=08195829

新版「紅楼夢」が9月2日から北京電視台で放送されることが決定し、5月24日に放送開始100日カウントダウン式典が開かれました。
また、別の記事によれば、6月3日は関係者による試写会が北京で行われ、87年版で探春・李紈・惜春を演じた東方聞桜さん・孫夢泉さん・胡沢紅さんも会場に訪れたそうです。

超豪華な大型ドラマ「紅楼夢」、新しい「林黛玉」「賈宝玉」ら勢ぞろい登場!―北京市
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100526-00000016-rcdc-ent

game005前回紹介した紅楼夢のPCゲーム第2弾「紅楼夢:林黛玉与北静王」ですが、紆余曲折があって現在ようやくプレイを始めたところです。私事で恐縮ですが、ここまでの経緯を書いておきます。

こちらのゲームは当当網でしか買えないようなので、前の記事を書いてすぐ(2月13日)に当当網で注文したのですが、システムエラーでカード決済が出来ない状態が続き、復旧したのが4月になってからでした。その間に初回限定版が売切れ、やむなく標準版を注文したのが4月4日でした。

なお、当当網を利用する際の注意点ですが、注文してオンラインでカード決済してから数日後にメールが来ます。これはカード内容を再度確認するもので、名義やカード番号を書いて返信すると、確認されてから初めて発送されます。
当当網では発送から配送まで4~8週間かかるとされていますが、箱が多少押し潰された状態で(^^;配送されてきたのが5月7日でした。

その後、セットアップに意外に手間取りましたが、数日前にようやく完了したところです。
例えば、説明書に貼り付けてあるシリアルIDは、今回はスクラッチ印刷されており、削って初めて知ることができるのですが、これが分からずに半月ほど悩んでしまいました(^^;

ゲームが進んだらまた書きます。

ご無沙汰しております>紅迷の皆様
しばらくブログをほったらかしてすみませんでした。

game004前作から1年、先月の26日に紅楼夢のPCゲーム第2弾「紅楼夢:林黛玉与北静王」が中国で発売されました。
内容は定かではない(現在ネット上で調査中)のですが、
・前作の続編らしいこと
・主要キャラについては音声入りであること
・前作の6人(黛玉・宝釵・湘雲・度緒・襲人・蒋玉函)に加えて晴雯・妙玉・北静王のモードがあるらしいこと
などが分かっています。

例によって攻略集や主題歌CDの入った初回限定版(99元)と標準版(79元)の2種類のパッケージです。
当当網で購入できるようですので

紅楼夢に関する記事を2つ載せておきます。

中国の国家一級陶磁器画師の方が5年かけて制作した「磁絵全本紅楼夢」の磁器板画が世界で最も長い屏風としてギネスに登録されたとの記事です。

「紅楼夢」愛好家が241メートルの磁器版画を制作 ギネスに登録
http://j.people.com.cn/94475/6789885.html


今月上旬、北朝鮮を公式訪問した温家宝首相が北朝鮮版「紅楼夢」を観賞したとの記事です。以前の記事のとおり、中朝国交樹立60周年を記念して上演されている歌劇で、先月には胡錦涛国家主席の特使として北朝鮮を訪問した戴秉国国務委員もこの歌劇を観賞しています。

北朝鮮版「紅楼夢」上演、温家宝首相と金正日総書記も絶賛―平壌
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091005-00000023-rcdc-cn

cast05既にニュースになっていますが、新版「紅楼夢」が1年3ヶ月余りの撮影期間を経て、2009年9月9日夜9時9分にクランクアップしたそうです。このあたりは中国らしいですね。

また、この日は青年の宝玉役を演じた楊洋さんの18歳の誕生日にあたり、スタッフ全員で成人のお祝いをしたことも伝えられています(中国の成人年齢は18歳)。

ドラマは今後編集等の作業に入り、来年の春節(2月14日)前後にお披露目予定とのことです。全50回です。

紅楼夢の話題からは外れますが、最後に安陽観光について記載しておきます。
北京西駅-安陽間に和諧号(中国版新幹線)が通り、片道3時間半で行けるようになっており、ちょっときつかったのですが、今回は日帰りで行ってきました。

で、今回利用した和諧号はこちら↓
D133 北京西06:54→安陽10:29
D132 安陽19:30→北京西23:02
帰りはもう少し早い便があるといいのですが、この前の便は安陽発13:46なのです。残念。

和諧号は(春節や国慶節期間などを除けば)当日でもまず問題なく購入できると聞いていますが、切符を買うには従来どおり長い行列に並ばなくてはいけませんので、朝早い列車に乗る場合は前日に購入したほうがよいです。
ちなみに、北京西駅発の切符でも北京駅で購入できます。往復分の購入も可能です。

さて当日、私の乗った和諧号は事故か何かで1時間あまり遅れて安陽に到着しました。
駅前で地図を買って眺めると、殷墟は安陽駅から2キロちょっと。私は雰囲気を味わいたくて(時間もあったし)歩いていきましたが、タクシーの利用が無難だと思います。バスは15路が利用できそうですが、降りてから殷墟まではけっこう歩くことになります。

trip16ご存知の通り、殷墟は殷王朝後期の都城跡といわれ、2006年に世界遺産に登録されました。正面には神社の鳥居を思わせる殷の門(考証により復元されたもので、実際に鳥居のルーツとも言われます)がそびえています。広い敷地内には殷墟博物館や婦好墓、甲骨文字の石碑などが点在し、時間を忘れて走り回っておりました。甲骨文字が刻まれた亀の甲羅を見てちょっと感動(^^)

その後、袁林(袁世凱の墓)を観光し、17時すぎには駅に戻って待合室で休んでいました。足を伸ばせば羑里城遺跡、天寧寺塔といった観光地もあるのですが、くたくたで気力が残っていませんでした。
余裕があれば1泊したほうがいいのでしょうね。帰りの和諧号では爆睡しておりました(^^;

今回は北京大観園に足を運びませんでしたので、入手した紅楼夢グッズは以下の物だけです。
いわゆる民芸品の類を目にする機会は年々減少しているような気がします。

trip151)北京曹雪芹記念館
・彩色葉脈画(しおり) 例のごとく、葉に紅楼夢の人物と詩を記してラミネート加工したものですが、これは下地の葉に着色してある色鮮やかなものです。18元×3種類

2)北京図書大厦・王府井書店
・紅楼夢PCゲーム(簡体中文初回限定版) 初回限定と言いながらまだまだ出回っています(^^; これで繁体字完全版、簡体字通常版に続いて3種類目です。99元
・紅楼夢経典釈義800題 紅楼夢や紅学にまつわる800題の問題について簡単に解説したもの。書籍はかさばるのでタイトルだけメモして帰国後にネット購入することにしたのですが(^^;この本だけはすぐに読んでみたかったので購入しました。48元

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

これまでの訪問者

    ありがとうございます。あなたは
    人目の訪問者です。

最近のコメント

  • 平山さん: 平山@頁主です、はじめまして。 インストールの画面は全てスキャンしてあるのですが、ごめんなさい、まとめている時間がありません。ただ、インストールする場所と名前を指定→シリアルコード入力→完了という流れ 続きを読む
  • ひむろとしつぐさん: 初めまして、氷室というものです。 香港で「再續紅樓夢」というゲームを買ったので 色々とネットサーフィンをしていたら、こちらに来ました。多分、これと同じだと思いますがプレイできません。シリアルIDを入力 続きを読む
  • 夕陽さん: メンテナンスの終了、ご苦労様でございました。 平山さんの仰るように『曹雪芹小伝』9月26日にe-honに注文しましたところ、昨日の10月13日やっと届きました。 《原注》や【訳注】があるので、比較的に 続きを読む
  • 平山さん: (夕陽さんと私の掲示板の投稿をブログに転載しました) 今回の日本語訳「曹雪芹小伝」の底本は1984年に刊行された同著の第2版であり、全33章+付録3篇の全訳とのことですので内容的には曹雪芹新伝の方が新 続きを読む
  • 夕陽さん: 日訳「曹雪芹小伝」発売の情報ありがとうございました。 実は8年前、友人が北京からのおみやげに「曹雪芹新伝」(外文出版社・1992年第1版)を買って来てくれたので、辞書を引きっぱなしで訳し始めましたが、 続きを読む
  • 平山さん: >夕陽さん コメントの承認が遅れて申し訳ありませんでした。 夕陽さんもいつの日か殷墟に足を運べるといいですね。 安陽はいかにものんびりした地方都市といった印象でしたが、あちこちで大がかりな工事が行われ 続きを読む
  • 夕陽さん: 平山さん、お帰りなさい。 北京西駅-安陽間の和諧号の具体的な時間や、その他参考事項、ありがとうございました。私も殷墟には是非行きたいと思っていますが、いつになることやら・・・。 殷の門は、まさに鳥居で 続きを読む
  • ほーめいさん: 御無沙汰しております。 老婆心ながら、「周一」は月曜日の意味で、口語でもよく耳にするので、私はなるべく「星期」は使わないようにしています。一昔前のような語感があるのかなあ、と見栄を張っているだけですが 続きを読む
  • 夕陽さん: 平山さん ありがとうございました。 公式サイトには確かに「中国文字博物馆计划2009年年底正式开馆。」と記されていました。 ネット検索が相変わらず“へた”で、不自由してます。(^-^) 私も殷墟には昔 続きを読む
  • 平山さん: >夕陽さん お久しぶりです。 曹雪芹記念館は全部で3つ、北京・南京・遼陽にあります。 遼陽の記念館は「曹雪芹の原籍=遼陽」説に基づいて関連資料を展示したものと聞いており、下記のサイトによれば、96年に 続きを読む

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。