すでにあちことで話題になっていますが、北朝鮮は中朝国交樹立60周年を記念して(対中関係を重視して)「紅楼夢」の歌劇を上演することになったと報じられています。北朝鮮では1960年代にも劇場版紅楼夢を上映しており、金正日金総書記が「ピパダ歌劇団(血の海歌劇団)」による今回のリメークを指示したとされます。
<中朝国交60周年>金総書記が中国古典「紅楼夢」歌劇版を指導―北朝鮮
http://www.recordchina.co.jp/group/g29775.html
「紅楼夢小辞典」の補完的なブログとして、主に「紅楼夢」について、気が向いた時につれつれ書いていく予定です。 |
すでにあちことで話題になっていますが、北朝鮮は中朝国交樹立60周年を記念して(対中関係を重視して)「紅楼夢」の歌劇を上演することになったと報じられています。北朝鮮では1960年代にも劇場版紅楼夢を上映しており、金正日金総書記が「ピパダ歌劇団(血の海歌劇団)」による今回のリメークを指示したとされます。
<中朝国交60周年>金総書記が中国古典「紅楼夢」歌劇版を指導―北朝鮮
http://www.recordchina.co.jp/group/g29775.html
おそらく現代版の続作に共通していると思いますが、ストーリー展開や各人の結末は探佚学に基づいたものになっています。「曹周本」と「夢続紅楼」に限っても、香菱・迎春の死、黛玉の死と宝釵との結婚、探春の遠嫁、襲人の結婚、元春の死、惜春の出家、寧栄府の破滅、獄神廟、煕鳳の死、巧姐の受難、賈蘭の科挙及第、宝玉の貧窮と出家、警幻情榜といった展開はほぼ共通です(細部は相当に違いますが)。
ただし、そこに至る過程や間隙、探佚学でも諸説分かれる事項については作者の腕の見せ所といった感じで、現行本では生かし切れなかった伏線を上手に拾ってまとめており、いくつもの仕掛けが用意されていて楽しめました。
例えば、曹周本・夢続紅楼ともに宝玉が家を留守にしている間に黛玉が亡くなっています(テレビドラマもそうでしたね)が、「曹周本」では、黛玉は賈母が宝玉との結婚を考えていることを知らされますが、その後、宝玉と宝釵の結婚について元春妃のお声がけがあり、やむなく「甄」宝玉と結婚させられることを知って絶望して亡くなります。「夢続紅楼」では、趙氏が宝玉を陥れるために馬道婆と謀って、黛玉や侍女らとの淫行の噂をばらまき、ついには皇帝の耳に入って、宝玉は問責のため帰郷を命じられ、これを聞いた黛玉が潔白を証明するために死を決意する、という展開になっています。
「夢続紅楼」は「曹周本」より回は少ないのですが、逆に内容は凝縮されている感じでした。また、時に表れる女性らしい(というか少女らしい)描写が印象に残りました。
簡約の各回紹介と年表でおおよその内容はお分かりいただけるかと思いますが、いつの日か抄訳にも挑戦してみたいです(「意訳曹周本」が終わってからですね...)。
井波律子先生の「中国の五大小説(下)」(岩波新書)が3月19日に発刊されます。Amazon.co.jp、紀伊国屋BOOKWEBなどで予約が始まっています。
既刊の上巻(昨年4月刊)では三国志演義と西遊記を、今回の下巻では水滸伝・金瓶梅・紅楼夢を扱っています。
紹介文によれば「一度は通して読んでみたかったあの物語を、練達の案内人と共に楽しむ。講釈師演じる「語り物」から生まれた中国の白話長篇小説には、他に類を見ない面白さが満載。とりわけ五大小説を読むことは、まさに「小説」が生まれ成熟してゆく歴史に立ち会う、限りなく魅惑的な経験に他ならない。読後は原作に手がのびること請合い」 とのこと。
私も併せて購入するつもりでしたので未読ですが、物語紹介+作品論が展開され、原書の面白さを伝える書になっているとのことです。
紅楼夢のPCゲームの購入方法およびインストール方法を以下にまとめましたので、購入を考えている方は参考にしてください。
YESASIAというオンラインショップで注文するのがベストであり、日本語OSでもセットアップは問題なしという結論です。私の場合は注文から入手まで1ヶ月ほどかかりましたが、早ければ1週間程度で入手できるようです(在庫の関係でしょうか?)。
これは初回限定版ですので、特典として主題歌のCDと設定&攻略集がついています。
http://pingshan.parfait.ne.jp/honglou/game1.html
さっそくプレイを始めてみました。プレーヤーは主人公の宝玉ですが、これまでの一切の記憶を失っているという設定で(黛玉に「あなたは誰?」って言われてしまいました(^^;)、黛玉らにいろいろ教えてもらいながら紅楼夢の基礎知識を得られるようになっているようです。イラストも綺麗ですし、作中のあまり目立たない人物や細かいエピソードも丹念に織り込まれているようで楽しみです。
「要訳紅楼夢」を手がけた王敏さん(法政大学教授)のインタビュー記事です。
日本で活躍している王敏さん(中国国際放送局)
http://japanese.cri.cn/1021/2009/02/20/1s135658.htm
要約紅楼夢の書評です。一つ気になったのは...紅楼夢って「読破した人が少ない作品として知られている」んでしょうか?
第1部は源氏物語と中国小説のヒロインの比較、第2部は源氏物語と紅楼夢の比較となっています。分量的には第1部が2/3を占めています。
で、源氏物語と紅楼夢の比較についてですが、「直接の影響関係」はないと前置きしながら、新奇性・艶の世界・悲運・シンボリズムといった類似点があると論じています。紅楼夢の概説に続いて各論となり、光源氏と賈宝玉、紫の上と林黛玉、六条院と大観園とを対比させて論じています。機会があれば読んでみてください。
ひとつ難点を言えば、宝玉をめぐる女性関係という観点から、黛玉の悲劇性を際だたせるために、宝釵はライバルの彼女を陥れるために徹底的に策をめぐらす悪女であったように述べているのは同意できませんし、湘雲や襲人などに対する一面的な見解も肯えません。中国のかつての紅楼夢観を思い出してしまいました。
北京大観園で始まった紅楼廟会のことが報じられています。
春節2日目の今日から30日まで行われるとのことです。
祝・春節!「生きる彫刻」もお出まし、紅楼廟会開催中
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090127-00000051-scn-cn
記事によれば、新版「紅楼夢」の撮影は昨年5月のクランクイン以来休みなく続けられ、既に全行程の半分過ぎの28回分が完成したそうです。今年の春節(旧正月)は1月26日ですが、全員が正月休みとなることが決まったと報じられています。
また、お披露目になるのは来年の春節と見込んでいるようですね。
已完成28集戏份拍摄 新《红楼梦》放假过大年
http://ent.icxo.com/htmlnews/2009/01/21/1334952.htm
http://enjoy.eastday.com/e/20090121/u1a4123035.html
紅楼夢のPCゲームが発売されることは既にお伝えしましたが、発売日未定ながら、引き続いてPSP版が発売されるとの発表がありました。
記事を見ると、PC版では無音声だったのがPSP版では音声入りとなり、香港や台湾の市場をターゲットに繁体字版となるようです。
http://game.21cn.com/console/psp/news/2009/01/07/5720817.shtml
中国"紅楼夢"をPSPで発売(こちらは日本語のブログです)
http://rass.blog43.fc2.com/blog-entry-3413.html
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