紅楼夢紀行の最近のブログ記事

旅行報告その4

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(7)雨花門7_wuhuamen.JPG

テーマは「黛玉葬花」。改札の外にあります。

今風のコミック調のイラストで、左から黛玉・宝玉・宝釵を並べ、そのバックに黛玉葬花、双玉読曲、宝玉見宝釵、宝釵撲蝶の各場面を描いており、三者の微妙な関係を表しているようです。

 

 

8_kazimen.JPG(8)卡子門

テーマは「大観園」。改札の内側にあります。

こちらも貼り絵状の作品で、大観園の情景が細かく描かれています。(場面の特定はできませんが)。絵の両側にはレリーフが設置されています。

 

 

 

9_jiulonghu.JPG(9)九龍湖

テーマは「詩社」。改札の内側にあります。
水彩調のデフォルメされたイラストで、海棠詩社の詩会の様子を描いているようですが、中央に宝玉がいて、その周りで少女たちが思い思いの動きをしており、それぞれの場面は特定できません。

繰り返しになりますが、9駅のうち、この駅だけが他から離れているので大変でした。

旅行報告その3

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(4)常府街站4_changfujie.JPG

テーマは「品茗(茶を味わう)」で、絵画ではなく彫刻です。改札の中にあるので間近で見ることができます(触っている人もいましたが)。

いくつかの場面で構成されており、左から晴雯が扇子を裂く場面(晴雯撕扇)、宝玉らが妙玉に茶を振る舞われる場面(妙玉品茗)、宝玉が宝釵の腕に見とれる場面(宝玉見宝釵)を確認しました。

 

5_fuzimao.JPG(5)夫子廟

テーマは「除夕夜宴(大晦日の夜宴)」で、ステンドグラス調のイラストが描かれています。こちらも改札の中にあります。

中央に史太君があり、そのまわりに宝玉・煕鳳ら多くの人々が侍っています。左側では舞が、右端では楽器の演奏が行われており、賑やかな大晦日の夜宴の様子が描かれています。

 

 

6_wudingmen.JPG(6)武定門

テーマは「眠芍」で、タイル状のものを細かく貼り合わせたような貼り絵状の作品です(間近で見るとスゴイです)。

こちらもいくつかの場面で構成されており、紅香圃で宝玉らの誕生祝が開かれた場面、煕鳳が平児をビンタする場面、劉婆さんが大観園で酔いつぶれる場面、湘雲が芍薬に埋もれて眠る場面を確認しました。

旅行報告その2

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壁絵の設置は南京芸術学院のプロジェクトとして2011年から開始されたものだそうです。
http://rakurakupress.com/news/13574.html

(1)五塘広場1_wutang.JPG

五塘広場站の壁絵は改札の外の通路にあり、電車を出て改札フロアに上がるとフェンス越しに全景を見ることができます。
テーマは「太虚幻境」で、作者は呉達立さんというフランス国籍の女性華人画家です。ダイナミックなタッチで、日輪らしき光を中央に、すぐ右に僧と道士、最も右に宝玉(神瑛?)、最も左に牌坊が描かれています。

 

 

(2)南京站2_nanjingzhan.jpg

南京站の壁絵も改札の外の通路にあり、電車を出て改札フロアに上がるとフェンス越しに全景を見ることができます。
テーマは「元春省親」で、作者は金延林さんという画家です。紅学会の会員でもある金氏は、細部まで詳細な考察を行い、古典的なタッチで、駕籠(八人大轎)に乗って帰省する元春一行を待ち受ける史太君ら賈家の人々の様子が描かれています。この絵が南京駅に設置されたのは「南京にお帰りなさい」との意味も含んでいるそうです。

3_daxinggong.JPG(3)大行宮站
大行宮站の壁絵は2号線と3号線の乗換通路に設置してあり、前を通る通行人がなかなか途切れないため、写真撮影はちょっと大変でした。
テーマは「金陵十二釵」で、各人を囲む白枠は宝玉の通霊玉を模しているそうです(作者に関する情報はネット上に見つけられませんでした)。
問題はこの12人が誰なのかがいまいち判然とせず、ネットでも話題になっています。

私は左から宝釵・巧姐・黛玉・惜春・煕鳳・湘雲・探春・元春・迎春・可卿・李纨・妙玉と推定しましたが、あまり自信はありません(^^;

旅行報告1

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今年も10月10~13日に訪中しました。nankin_map.jpg
うち1日は南京に充て、4月に開通した地下鉄3号線の壁絵めぐりをしてきました。

南京地下鉄3号線は現在29駅(帰国後の18日に上元門站が開通)の路線で、以前紹介したとおり、うち9駅の壁面に、紅楼夢の情景が描かれています。

まず、起点となる南京站、
その2駅北にある五塘広場站、
南京站から4駅南にある大行宮站から連続した5駅
(大行宮站、常府街站、夫子廟站、武定門站、雨花門站、卡子門站)
そして卡子門站から7駅南にある九龍湖站の9駅です。

実際に行ってみて分かったのですが、壁絵はホームではなく、改札の近くに設置してあります。改札の中にある駅と外にある駅がありましたが、全て改札を出なくても見られる位置にありました(つまり、最後に改札を出る駅までの切符を買っておけばOK)。

電車の運行間隔は約7分でしたので、目的の駅に着くと改札のあるフロアに駆け上がり、写真に収めて次の列車へ...という行程で動きました。

高速鉄道を下り、南京站から北の五塘広場站へ行き、一気に九龍湖站まで南下し、再び北上して卡子門站から各駅停車した後、大行宮站から出るというスケジュールでしたが、九龍湖站だけが外れた位置にあり、かつ、五塘広場站から九龍湖站まで約40分ほどかかりましたので結構大変でした。結局2時半以上を要しましたので、今後同じことをしようとする方(いるのか?)は日程に余裕を持って臨んでください。

最後にその他のもろもろについて

(1)大気汚染について
PM2.5などによる中国の大気汚染はよくニュースになりますが、私が訪中している間は上海では比較的落ち着いており、マスクをしている人は一人も見ませんでした。南京では車窓から見るビルが少し霞んでいましたが、歩き回る分には全く支障がありませんでした。

中国では空気の汚染度は、優・軽微汚染・軽度汚染・中度汚染・重度汚染・厳重汚染の6段階からなる大気質指標(AQI)で示され、こちらのサイトなどでリアルタイムで確認できます。最近は北京や東北で高く、上海や広州で低く、雨や風の日は低くなるため、夏に低く、冬に高くなる傾向があるそうです。中国へのベストシーズンは雨の降らない秋というのがこれまでの常識ですが、今後は旅行は雨季がよいといったふうに変わるのでしょうか?

(2)地下鉄について
数年前に上海の地下鉄の総延長距離が東京を抜いたというニュースが流れましたが、蘇州・杭州・南京にも地下鉄は走っており、上海近辺の交通事情は旅行をする上でも格段に便利になっています。
ちなみに、手元にある1991~92年版の地球の歩き方・中国(記念にとってあるのです)を見ると上海にはまだ地下鉄がなく(1995年開通、当時は北京と天津のみ)、僅か20年足らずでここまで延伸したことになります。trip021

で、他は分かりませんが、上海や北京の切符はICカードなのですが、南京では青い丸いコイン(少し面食らいました)で、乗車する時は機械にかざし、降りたあとは挿入(投入)し回収されます。料金は距離に応じて変わりますが、自動券売機で買えるので戸惑うことはありません。
ですので、上海近辺に行く機会のある方は。地下鉄駅の近くにホテルをとれば、中国語が全くできなくでも問題なく旅行できますので、ツアーばかりではなく個人旅行も是非検討ください。

(3)グッズについて
今回入手できたのは上海大観園で買ったトランプ(紅楼夢詩詞撲克、7元)のみでした(いずれアップします→)。上海大観園の売店にも紅楼夢関連のものは櫛や団扇など数種しかありませんでしたが、そもそも上海で工芸品を扱っている店は少なく(豫園商場等にはあるのでしょうけど)今後は下調べをしてから行くことにします。

上海大観園行きのバスが出ている「旅遊集散中心」は、以前は上海体育館の中にあったのですが、2012年に地下鉄3号線「漕渓路」前に移動していました。とは言え、数百メートル南西に移っただけですので、以前のように地下鉄1号線「上海体育館」から歩いて行っても5~10分ほどです。

さて、旅遊集散中心の2階に切符売り場があるのですが、「大観園一日游10:00発」と表示されているだけでしたので、窓口で確認したところ、大観園行きのバスは一日一往復のみだとのことでした。
以前は頻繁にバスが出ていましたので、朝早く出発して昼過ぎには戻ってきていたのですが時間的に制約されることになります。

やむなく10時発のチケットを88元(往復バス代+入場券代)で購入しました。この時、朝7時半でしたので(^^;一度市街に戻って出直すことにしました。

trip020で、10時に2台のバスに分乗して出発し、11時50分に大観園に到着しましたが、東方緑舟で1/3、朱家角で2/3が下車し、私の乗ったバスで大観園まで行ったのは3人(!)でした。
この状態では相当に閑散としているのではと思ったのですが、自家用車で来ている方々が多いのに加え、寧波と無錫からのツアーバスが計5台あってそれなりに賑わっていました。

上海大観園はもう特筆すべき部分はないのですが、売店や茶店などが一切園内からなくなり、大観楼2階で飲料を売っているだけでした。また、諸処で87年版紅楼夢の音楽が流れているのですが、新版紅楼夢についてはやはり一切触れられていませんでした(^^;

問題かなと思ったのは
1)到着時刻がツアー客とバッティングするので、一つしかないレストランがツアー客に占拠され、後回しにされるのを覚悟するか、観光を終えてから食事をするかの選択になりました(日曜だったからかもしれませんが)。食事はコンビニなどで買って持参したほうがいいかもしれません。
2)帰りのバスは16時出発ですので、大観園で4時間ほど時間があります。普通に見て回れば2時間もあれば十分かと思いますので、食事や淀山湖を見て時間をつぶす必要があります。
3)大観園を16時に出たあと、東方緑舟を16時30分、朱家角を16時45分に出発します(降りた客を乗せるため)が、それぞれの待ち時間が10分以上あります。また、上海市街に帰る高速道路が帰宅ラッシュで大渋滞になるため、帰りは2時間半以上を要しました。

なお、帰国後にネットで調べたところ、地下鉄1号線の「黄陂南路站」にある「淡水路金陵西路」と「商榻汽車站」を結ぶバス(上海沪商専線)があり、終点の一つ前が「金商公路大観園」で、片道2時間半だそうです。淡水路発の7:00,8:00,9:30、商榻発の14:30,16:00が利用できそうです。

南京では現在、地下鉄1号線が南北に、2号線が東西に走っており、今回訪問した場所は全て2号線沿いにあります。
「南京站」から1号線に乗り、5駅目の「新街口」で2号線に乗り換えます。
烏龍潭公園は「新街口」から西へ2駅目の「漢中門」、江寧織造博物館は東へ1駅目の「大行宮」、明孝陵は東へ4駅目の「苜蓿園」で下車します。

(1)南京曹雪芹記念館(烏龍潭公園) trip017
結論から言えば、現在(ネットで調べると久しく)閉館しています。
地下鉄2号線「漢中門」の2番口を出て100mほどで公園の南入口に到着します。ただし、正門は公園の北側にあり、南口には看板も門柱もありません。
北門の近くに曹雪芹記念館、石頭記(大石)、曹雪芹像がありますが、記念館が閉館している今、あまり立ち寄る価値はなさそうです。

(2)南京江寧織造博物館
昨年ついにオープンした博物館で、入館料は20元(総統府とのセット入場券が55元)でした。南口は地下鉄2号線「大行宮」の2番口に直結しており、こちらから入ると「紅楼夢館」「雲錦館」のある地下1階、北口から入ると「江寧織造庁」のある1階になります。

あらためて説明するのもなんですが、南京は曹雪芹が幼少期を送った地であり、江寧織造は曹家が代々務めた職です。
で、南口から入ると右手にカフェ、左手に劇場(まだ使われていないようです)があり、その先に紅楼夢館があります。

trip018曹雪芹記念館が曹雪芹や曹家に関する紅学の資料館であるのに対し、ここは紅楼夢のテーマ館といった印象です。
紅楼夢館に入ると曹雪芹の家系に関する「曹雪芹身世」、雪芹の生涯に関する「紅楼夢閲読」に始まり、「作品主題」「紅楼夢文化」のコーナーへと続きます。特にCGを駆使した展示が目立ち、入り口の曹雪芹、大石が道士たちと出会う場面、宝玉と黛玉の4つの名場面、宝玉の出家、宝玉が太虚幻境を訪れた場面の動画が流れています。
通常こういうところは撮影禁止なのでしょうが、皆スマホでバシャバシャ撮っており、私もビデオを回してきましたので、機会があればアップします。
また、紅楼夢文化では87版紅楼夢についてはふんだんに紹介されているのですが、新版紅楼夢についたは全く言及されていませんでした(^^;

雲錦館に展示されているのは「雲錦織物」、つまり歴代皇帝の衣に使われた複雑な模様を織り込んだ南京伝統の織物と清朝皇帝の龍袍です。
2階には旗袍(チーパオ)、つまりチャイナドレスの試着ができる中国旗袍館があります。
売店では旗袍などの衣装販売しかなく、工芸品や紅楼夢関連品は売っていませんでした。

(3)紅楼芸文苑(明孝陵景区)
trip019紅楼芸文苑は世界遺産の明孝陵に隣接しており、地下鉄「苜蓿園」の1番口から明孝陵を目指して登っていきます。
「明孝陵景区」の入場券が70元、中山陵・明孝陵・霊谷寺のセット入場券が100元ですが、いずれも山の上にありますので、時間と体力をよく考えて選んでください(^^;

石獣の並ぶ神道を抜け、明の初代皇帝・朱元璋の陵墓である明孝陵まで歩いて20~30分、その先に紅楼芸文苑があり、
建物は寥汀花溆、櫳翠庵、含芳閣、太虚幻境
石像は通霊宝玉の大石、曹雪芹、警幻仙姑、宝琴、宝黛、湘雲、黛玉
案内表示板は芙蓉仙界・瀟湘竹韻・薬園沉酔・沁香釣台・香丘・香草園を確認しました。
(表示は中国語・英語・日本語が併記されています)

10月17~21日に訪中しました。

今回は南京の3施設と上海大観園について調査してきました。

まず、上海から南京への行き方についてご紹介します。 trip016

上海と南京は和諧号(CRH,中国鉄路高速)で約2時間で結ばれており、十分に日帰りが可能です。現在、上海のメインの鉄道駅は上海火車站から虹橋火車站に移っていますが、南京への便は上海火車站からの方が多いようです(1時間に3本程度)。

なお、上海から南京へはバスも出ていますが、5時間ほどかかるらしいので使えませんね。


駅には自動券売機もあるのですが、2011年に実名制度が導入され、外国人はパスポートを提示して窓口で購入することになります。上海駅(上海火車站)では「鉄路上海站售票処」と書かれたビル(聯合售票大楼)が東側に隣接しており、3日前からの切符が買えます。


英語の窓口も用意されていますが、さすがに国際都市ですので外国人の扱いも慣れている感じで、私の並んだ窓口では、パスポートを出すと片言(より上手)の日本語で対応していただきました。1等席で往復419元でした。自信のない方は希望する日時・行き先・列車番号をメモして出すといいでしょう(本数は多いので少なくとも前後の列車は取れるはずです)。


南京は、世界遺産の明・清王朝の皇帝墓群(明孝陵・徐達墓など)を始め、中山陵、夫子廟、南京博物館、旧総統府、明故宮などとにかく観光地が多い都市です。江寧織造博物館に1~2時間、紅楼芸文苑(明孝陵含む)に2~3時間は要しますので、日帰りの場合、なるべく早く出て遅く帰ってくるゆったりプランをお勧めします。

乗車時は、遅くとも30分前までには駅に着き、入口(進口)でパスポートと切符を見せて入り、手荷物のX線検査を受けてから中に入ります。切符に書かれている(電光掲示板にも表示されています)待合室(候車室)に入り、15分ほど前に改札(検票)が開くので群衆についてホームに入り、切符に書かれた車両座席(全席指定です)に向かいます。列車内は日本の新幹線とそっくりです。この間、中国語は一切必要ありませんのでご安心を。

さて、南京駅(南京火車站)に到着したら、そのまま地下鉄1号線に向かいます。

紅楼夢関連施設を探していたら、また幾つか見つけましたのでご紹介します。

(1)唐山曹雪芹祖籍文物展覧庁(唐山市)
曹雪芹の原籍として遼陽・豊潤・鉄嶺・武陽説がありますが、遼陽には曹雪芹記念館があり、武陽(南昌市)では曹雪芹原籍記念館が建設予定なのに対し、豊潤(唐山市)には曹雪芹祖籍文物展覧庁がありました。あまり詳しい情報は分かりませんが、住所は「豊潤県豊潤鎮西街26号文物管理所」、曹雪芹の原籍が豊潤にあったことを示す碑刻等の資料が50平米の建物内に展示されているようです。
唐山大地震(1976年)で有名な唐山市は北京にほど近く、和諧号だと1時間程度で結ばれています。

http://www.51766.net/img/cxzjwwzlt/

(2)普福禅寺(蘇州市)
紅楼夢第1回に登場する十里街・仁清巷の葫芦廟のモデルは山塘街・青山橋浜の普福禅寺とされているそうです。宋代に建設された普福禅寺は1958年の大躍進の時に破壊されましたが、2009年7月に再建されました。再建に合わせて紅楼夢の十二の場面を石板に彫刻した「紅楼十二幅図景」が設置されているそうです。

葫芦庙5月重现 "红楼十二图"装点普福禅寺(中文)
http://www.subaonet.com/html/cul_news/200924/IJ89ACDK24FAIDI.html

それから、以前ご紹介した江寧織造府博物館(南京市)はいまだオープンしていません。資金不足で頓挫しているとの噂もありますが、いったいいつ開館するのでしょうか。

江寧織造府博物館の公式サイト(中文)
http://www.jnzzfm.com/index.asp

8月下旬にツアーで中国東北部を歩いてきました。今回は紅楼夢関連の場所には行けませんでしたが、合間に買ってきたグッズについて書いておきます。
また、上半期に当当網で購入した書籍から、画集について紹介しておきます。

まず、大連の新華書店で紅楼夢ゲーム第2弾の初回限定版を購入しました。当当網では売り切れ、卓越網では海外発送できず、なので私には中国で買うことしか思いつきませんでした。これで設定攻略集が手に入りましたので、整理しながらゲームを進めてみたいと思います。

book017同じく大連の土産物屋で紅楼夢のトランプ(皇城根系列珍蔵撲克)を購入しました。50元でした。いずれ人物図解のほうに入れておきます。

当当網からは「唯美人物插画絵制技法-紅楼夢中人之十二金釵」(人民郵便出版社)と「滕少泉工筆人物画集」(中国文聯出版社)を購入しました。前者(左の写真)はパソコンCGによる人物画の描き方に関する本ですが、対象が金陵十二釵になっています。とても美麗です。
後者は滕少泉氏の画集で半分以上が紅楼夢に関するものとなっています。原価も320元と高価ですが、大きさも重量もなかなかなので、訪中時に購入するのも難しそうです。

南京の今を思う

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私のサイトの中の「紅楼夢観光案内」で、南京曹雪芹記念館だけが10年以上前のデータとなっており、再訪の機会を果たせずにいます。

この間、南京の発展も著しく、2005年に地下鉄1号線、先月28日には2号線が開通したとのニュースがありました。
調べてみると、南京曹雪芹記念館のある烏龍潭公園は地下鉄2号線の「漢中門」駅が最寄りとなるため、2号線の開通により南京駅と地下鉄で結ばれました。
また、私が訪問した時は南京で1泊しましたが、現在は上海と南京は和諧号で2時間半で結ばれているため、上海から日帰り旅行が可能となっています。いずれ...といったところです。

こちら(↓)が烏龍潭風景区のサイトです。曹雪芹記念館も健在です。
http://www.wulongtan.com.cn/

さらに、南京では、江寧織造府博物館がかつて織造府があった跡地に建設中です。博物館自体はほぼ出来上がっているようですが、オープン時期はいまだ明らかにされていないようです。
詳しくは以下を参照ください。
場所は地下鉄1号線の「珠江路」から東に1キロのところです。

江寧織造府再建記
http://www.long-net.com/topics/article.php?uri=08195829

紅楼夢の話題からは外れますが、最後に安陽観光について記載しておきます。
北京西駅-安陽間に和諧号(中国版新幹線)が通り、片道3時間半で行けるようになっており、ちょっときつかったのですが、今回は日帰りで行ってきました。

で、今回利用した和諧号はこちら↓
D133 北京西06:54→安陽10:29
D132 安陽19:30→北京西23:02
帰りはもう少し早い便があるといいのですが、この前の便は安陽発13:46なのです。残念。

和諧号は(春節や国慶節期間などを除けば)当日でもまず問題なく購入できると聞いていますが、切符を買うには従来どおり長い行列に並ばなくてはいけませんので、朝早い列車に乗る場合は前日に購入したほうがよいです。
ちなみに、北京西駅発の切符でも北京駅で購入できます。往復分の購入も可能です。

さて当日、私の乗った和諧号は事故か何かで1時間あまり遅れて安陽に到着しました。
駅前で地図を買って眺めると、殷墟は安陽駅から2キロちょっと。私は雰囲気を味わいたくて(時間もあったし)歩いていきましたが、タクシーの利用が無難だと思います。バスは15路が利用できそうですが、降りてから殷墟まではけっこう歩くことになります。

trip16ご存知の通り、殷墟は殷王朝後期の都城跡といわれ、2006年に世界遺産に登録されました。正面には神社の鳥居を思わせる殷の門(考証により復元されたもので、実際に鳥居のルーツとも言われます)がそびえています。広い敷地内には殷墟博物館や婦好墓、甲骨文字の石碑などが点在し、時間を忘れて走り回っておりました。甲骨文字が刻まれた亀の甲羅を見てちょっと感動(^^)

その後、袁林(袁世凱の墓)を観光し、17時すぎには駅に戻って待合室で休んでいました。足を伸ばせば羑里城遺跡、天寧寺塔といった観光地もあるのですが、くたくたで気力が残っていませんでした。
余裕があれば1泊したほうがいいのでしょうね。帰りの和諧号では爆睡しておりました(^^;

今回は北京大観園に足を運びませんでしたので、入手した紅楼夢グッズは以下の物だけです。
いわゆる民芸品の類を目にする機会は年々減少しているような気がします。

trip151)北京曹雪芹記念館
・彩色葉脈画(しおり) 例のごとく、葉に紅楼夢の人物と詩を記してラミネート加工したものですが、これは下地の葉に着色してある色鮮やかなものです。18元×3種類

2)北京図書大厦・王府井書店
・紅楼夢PCゲーム(簡体中文初回限定版) 初回限定と言いながらまだまだ出回っています(^^; これで繁体字完全版、簡体字通常版に続いて3種類目です。99元
・紅楼夢経典釈義800題 紅楼夢や紅学にまつわる800題の問題について簡単に解説したもの。書籍はかさばるのでタイトルだけメモして帰国後にネット購入することにしたのですが(^^;この本だけはすぐに読んでみたかったので購入しました。48元

瀋陽から北京に移動したのは24日の月曜日でした。安陽への切符を買ったあと時間があったので、北京の曹雪芹記念館にも足を運んでみました。香山までの地下鉄(西郊線)が2010年の開通を目指して工事が進められており、今回は工事中の箇所がずいぶん目につくようになりました。いずれは曹雪芹記念館(植物園)にも地下鉄で行けるようになるはずです。

trip14  ところで、いざ曹雪芹記念館に着いてみると「星期一閉館(月曜日休館)」の看板が・・・。えええっっっ!! 確かに記念館入口の表示にも開館時間と共に「星期一閉館」と書かれていましたが、この表示板って去年はありませんでした(T^T) 改めて案内板を見ると「周一閉館(週一休館)」とは書かれているのですが、それが何曜日かは書かれていない・・・。そんなわけでこの日は半日を無駄にしてしまいました(T^T)

北京曹雪芹記念館の展示内容は昨年すみずみまで見ており、めぼしいグッズも買い求めていたので、今回は行く必要がなかったのですが、こうなると収まりがつかず(^^; 翌々日の午後再訪しました。何枚か写真を撮り直し、売店でしおりなどを購入してようやく胸のつかえが取れました(^^;

結論:北京の曹雪芹記念館は月曜日が休館なので注意してください!(植物園は開園しています)

8月22~27日に訪中しました。今回は瀋陽と北京を起点に、遼陽と安陽へも足を運びました。
中国では移動を伴う旅行はかなり時間と体力を要するのに加え、予定どおり行かないことが当たり前だったりしますので下調べは入念に行いました。

今回の目的の一つが遼陽曹雪芹記念館の訪問でしたので詳しく説明します。

trip12まず遼陽への行き方です。
瀋陽から遼陽へは鉄道・バスが利用可能ですが、比較すると所要時間はほぼ同じであり、本数が圧倒的に多く、切符購入が容易なバスが断然便利と結論づけました。デメリットは、瀋陽のバス乗り場が分かりにくいという一点です。
瀋陽には長距離バスターミナルが散在していますが、遼陽・鞍山行きのバス乗り場は瀋陽駅の南東1キロのロータリーにあります(「地球の歩き方」にも載っています)。太原街の歩行者天国の南端に位置しているので、こちらから行くと分かりやすいです。
「経緯快客 遼陽 鞍山」と書かれた建物の前にバスが泊まっていますので、窓口で切符を購入して遼陽行きのバスに乗り込みます。出発時間は6:20~19:20で片道20元です。

瀋陽を出発したバスは1時間15分で遼陽駅前のバスプールに到着しました。なお、駅前には全国各地に行くバスが並んでいますが、瀋陽行きのバスは駅のすぐ前に待機しており、「シェンヤンシェンヤン...」と声を上げているのですぐ分かります。バスは次から次へと出ており、切符は乗車してから買います。遼陽からのバスは、瀋陽の出発したバス乗り場の近くに着きます。

trip13    遼陽市曹雪芹記念館は駅の南東2キロにあり(歩けないこともないですが)、20路のバスで「木魚石」で下車するとすぐです。なお、市内バスは一律1元です。
ホームページの記載と異なり、開館時間は8:30~16:30、料金は無料でした。朝イチだったためか、客は3人しかおらず、館内は閑散としていました(^^;

門楼を入ると曹雪芹の座像があり、その奥の建物が「家世祖籍展室」と「紅楼文化展室」になっています。前者はさらに以下の3室に分かれていました。
・「祖籍遼陽 軍功起家」 曹振彦(雪芹の祖父の祖父)と遼陽の関わりを示す資料展示
・「顕赫江寧 秦淮旧夢」、曹璽・曹寅(雪芹の曾祖父と祖父)に関する資料展示
・「燕京悲歌 著書西山」 曹家の家産没収~紅楼夢の成立までに関する資料展示
「紅楼文化展室」では記念館の由来と紅楼夢簡介(人物表や書籍)が展示されていました。

記念館入口の説明文によれば、曹雪芹の原籍については長らく論争が続いていましたが、96年の全国紅学検討会で遼陽が原籍であることが定論となり、同年9月に関係資料を展示する曹雪芹記念館が落成されたとのことです。
他の曹雪芹記念館と比べると、曹振彦に関する資料は群を抜いていますが、他の資料は使い回し(?)も見られました。所要時間は30分~1時間程度と見ておけばよろしいかと思います。

今夏は8月下旬に訪中することにしました。
遼陽の曹雪芹記念館には行くつもりでしたので、最初は東北地方を回るプランを考えていましたが、北京-安陽の直行列車が今月開通し、殷墟などが今年いっぱい海外観光客に無料開放されるとのニュースを聞いて急遽、遼陽と瀋陽だけ見て南下するプランにしました。

遼陽を紹介しているガイドブックは皆無(^^;ですが、中文サイトを調べると瀋陽から電車で1時間ほどで、そこそこの観光地であるようです。曹雪芹記念館は駅から遼陽駅から2キロほどのところにあり、バス1本でいけるようです。

しばらくは下調べに没頭します。

辽阳市曹雪芹纪念馆(中文)
http://www.vjourney.com/cn/liaoning/liaoyang/2008-01-21/1678.html

今回の北京は、わずか1年振りだったにも関わらず、すっかり浦島太郎状態でした。また、私が最初に北京を訪れたのは1988年でしたので、この20年間の変貌振りを思うと感慨深いものがありました。

trip11パラリンピックを終えた直後でしたので、鳥の巣(北京国家体育場)も見に行ったのですが、地下鉄8号線(オリンピック支線)が封鎖されており、会場まで歩いていかなくてはいけませんでした(どうやら直前に発表されていたようです↓)。会場には入れなかったため、近くの道路から眺めるだけでしたが、それでも多くの観光客で賑わっていました。オリンピックは終わったものの、いまだ北京で一番の観光名所であるそうで、五輪競技場は国慶節期間に再び一般開放されたそうです。

北京地下鉄オリンピック支線 21日から一時運行停止
http://j.peopledaily.com.cn/94475/94701/6502780.html

「鳥の巣」初の一般公開 国慶節で観光名所に
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/183326/


では、紅楼夢旅行報告の最後に、本サイトでいまだ取り上げていない紅楼夢関連施設を紹介しておきます(報告ではないですけど(^^;)。

まず、遼陽曹雪芹記念館。曹家の原籍=遼陽説に基づき1996年に建立されたもので、人様のブログによれば、曹振彦(曹雪芹の高祖)や家譜などに関する展示がされているようです。
遼陽へは瀋陽から電車で30分ほどで、瀋陽へは北京から空路か鉄道(和諧号なら4時間ほど)利用になりますので、瀋陽観光も含めて最低1泊2日のコースになるかと思います。

次に南昌市に建設予定の曹雪芹祖籍文化大観園(曹雪芹祖籍記念館旅游景区)。なんでも2001年の紅楼夢文学検討会で曹雪芹の原籍が江西省南昌県武陽鎮保豊村曹家にあることが認められ、曹雪芹祖籍記念館などが建設されることになったそうです。未だ完成したとの報は聞きませんが、曹雪芹に関する一大テーマパークになるのでしょうか。

江西省、曹雪芹原籍記念館を建設へ
http://www.hellonavi.com/news/foucsnewsjp.php?PHPSESSID=&id=146767

南昌市に行く場合、鉄道では時間がかかりすぎますので、現実的には北京や上海からの空路利用になるかと思います。武陽鎮は南昌市の南東20kmに位置することのことです。

今回の旅行中に購入した紅楼夢関連グッズについて紹介します。
1)正定栄国
trip09・手鏡(左の写真) 15元
→コンパクトのように開く手鏡で上面に十二釵各人のイラストが入っています。したがって全12種類。黄葉村記念館では12元でした(^^;
・名刺ケース 20元
→木製の名刺ケースで、上面に宝黛のイラストと「栄国府留念」の文字が書かれています。

2)黄葉村曹雪芹記念館
・曹雪芹記念館簡介 1元
→記念館の簡単なリーフレットです。
・絵はがき「詩情画意」 15元×4
→1つは所有していたのですが、テレビドラマの絵はがきで全4種類あり、まとめて購入してきました。
・程十發、劉旦宅、戴敦邦精絵《紅楼夢》挿図 28元
→紅楼夢に関する各人のイラストをまとめた画集です。
trip10・笹の葉のしおり(左の写真) 28元
→笹の葉に十二釵各人のイラストと詩を描いたものをラミネート加工したもの。12枚で「1セットです。
・曹雪芹のキーホルダー 10元
→曹雪芹のイラスト入りのキーホルダー。イラストが似ているのかどうかは誰にも分かりません(^^;

3)北京大観園
・団扇 5元
→「宝黛読西廂」の綺麗なイラスト入りの団扇。一昨年は宝釵のものを買いましたが、絵柄はいろいろあります。
・扇子 10元
→湘雲がベンチで寝ているシーンを描いた扇子で「大観園」と書かれています。絵柄は数種類ありましたが、紅楼夢関係はこれだけでした。
・紅楼夢精品トランプ
→おなじみのテレビドラマのトランプで、箱はいろいろ変わりましたが、中身は昔と一緒です。
・銀杏の葉のしおり 10元
→銀杏の葉に十二釵各人のイラストと詩を描いたものをラミネート加工したもの。煕鳳のみ購入。
・金板のしおり 25元
→林黛葬花のシーンで薄い金属箔を切り絵にしたもの。
・磁器状のしおり(磁性書籖) 10元
→十二釵の美麗なイラストが入ったしおり。2枚1セットで、たぶん6種類あるのでしょう。

4)北京工芸美術服務部
・紅楼夢煙画鑑賞トランプ 26元×2
→四大名著のシリーズ物で、紅楼夢のみ2箱からなり、ジョーカーはそれぞれ宝玉と黛玉です。

5)北京図書大厦・王府井書店
・胡楠著「夢続紅楼」 23元
→昨年1月に発刊された胡楠女史による続作で、全108回からなります。現代版の続書としては4つ目ということになりますね。
・劉心武著「劉心武掲秘紅楼夢第四部~宝釵湘雲之謎曁紅楼心語」 28元
→人気のこのシリーズも第四弾となりました。
・中国古典文化的百科全書「図解紅楼夢」 68元
→日本でもよくある図解本で、項目ごとに解説1P+図表やチャート1Pからなり、人物から紅学研究まで全般にわたって掲載されています。

本サイトの「紅楼夢観光案内」を本日やっとこ更新しました。ご覧ください。

さて、3日目は北京大観園に行きました。数えてみると今回で5回目の訪問で、よくも足繁く通ったな、という思いです(^^;
大観園には通常の入場券のほかに、50元の月票(1ヶ月券)もあり、多くの観光客で賑わう中で、市民たちの憩いの場ともなっています。藕香榭では楽器演奏に合わせて社交ダンスが行われていたり、櫳翠庵ではバトミントンをしている夫婦いたり、池のほとりで太極拳をする一団がいたり、という具合です。

trip08既に新版ドラマの撮影も始まっていますが、昨年同様、大観楼の渡り廊下にドラマのオーディションの候補者写真が貼られている(左の写真)ぐらいで、ドラマに関する新たな情報展示などはありませんでした。

大観園についてはこれまでに詳細にレポートしていますので特記すべき点はありませんが、サイトで細部の修正や写真の入れ替えを行いましたので御確認ください。

なお、今回栄国府の曹雪芹記念館、北京黄葉村曹雪芹記念館、大観園の資料館の3つを訪れましたが、比較した場合、大観園の資料館はやはりおまけのようなもので、黄葉村記念館が一番、栄国府の記念館がそれに次ぐ充実度といった印象でした。

曹雪芹記念館(植物園)へのバスは「西直門内」、大観園へのバスは「北京駅東」から乗りましたが、バス停の場所は以前に比べて分かりにくくなりました。
というのも、以前は主要なポイントになるバス停でも比較的固まって配置されていたのですが、交差点の再開発によって分散され、同じ名前のバス停でもずいぶん場所が離れていたりするからです。地下鉄の改札前にある地図にバス乗り場が描かれていますので、地下鉄からバスに乗り継ぐ場合はバス停を確認してから地上に出ないと迷います(^^;

少し余談になります。北京の交通事情についてです。
私はバックパックをしていたこともあって、海外旅行の際にタクシーを使うことは殆どなく、もっぱらバスや地下鉄を使っているのですが、混雑や言葉の問題、治安などへの不安から抵抗を示す人も多いようです。
ただ、北京の交通は、オリンピックを経て格段に便利になっており、日本以上に容易に利用できるようにもなっていますので、今後訪れる機会のある方は積極的に利用していただきたいと思っています。

trip06  まず、バスや地下鉄で利用できる「一卡通」というIC式プリペイドカードが2006年5月から普及しており、小銭を持ち歩く必要がないことやバス料金が6割引(1元→0.4元)になることなどから、北京市民には既に常識になっています。旅行者にもメリットがありますので、北京で自由に動く予定があるのでしたら、是非とも購入しましょう。
地下鉄の切符売り場やコンビニで購入でき、保証金20元(返却時に戻ってきます)+チャージするお金を渡せば即時発行してくれます。追加でチャージする場合も簡単です。

trip07  バスは乗り口にリーダーがあり、乗る時にカードをかざせばOKです(郊外に行く1元を越えるバスの場合は降りる時にもかざして精算しますが、利用機会はないでしょう)。「一卡通」を持っていない場合は車掌にお金を払うか、料金入れに入れます。次のバス停を示す車内表示もありますので、昔のように何番目のバス停か指折り数える必要はなくなりました(^^;
主要なバス停には交通指導員がいましたし、乗り口から乗って順にカードをかざさないといけないため、昔から問題になっていた、バスの入口に群がる乗客の姿は全く見なくなりました(^^;

地下鉄はオリンピック前に3路線が新しく開通し、一律2元(エアポートエクスプレスを除く)に値下げされました。荷物のX線検査を受けてから、日本のように改札でカードをかざせばOKです。
今後も路線が順次拡大していく予定ですので、旅行者の利用価値もますます上がると思います。

最後にエアポートエクスプレス「機場快軌」について。空港と東直門を結ぶ「機場快軌」の開通(料金は25元)により、空港から市内まで地下鉄乗り継ぎで行けるようになりました。ホテルの場所によってシャトルバス(16元)と使い分けるといいでしょう。

2日目は曹雪芹記念館に出かけました。
北京の市街地は年々拡大していますが、香山が近づくと以前と変わらぬのどかな光景が近づき、何だかホッとしました。

曹雪芹記念館は9年ぶりでしたが、2001年と今年、2回の大きな改修を経て、大きく様子が変わっていました。特に今年は、半年間の修繕期間を経て6月28日にオープンしたばかりとのことでした(オリンピックの関係もあるのでしょうか)。

trip05  展示内容も依然と比べて充実していましたし、売店も併設されて紅楼夢関連の書籍やグッズを購入することができました。

なお、今回の更新で加える予定ですが、記念館設置の来歴について記しておきます。

曹雪芹が晩年を北京西郊の西山で過ごしたことは、彼の友人(敦誠・張宜泉ら)の詩に記されていましたが、1971年4月に香山の正白旗村39号にある旧屋(もとは清代の旗営)で壁に書かれた詩文(対聯)が見つかり、曹雪芹の旧居ではないかと注目を集めました。実は、これに先立つ1950年代、紅学者の呉恩裕氏が香山一帯で曹雪芹に関する伝承を収集しており、曹雪芹の友人の鄂比が彼に贈ったとされる詩文に酷似していたためでした。

紅学者の呉世昌氏の鑑定により、この詩文は曹雪芹とは無関係と断定されましたが、その後も胡徳平氏らによって曹雪芹の旧居が香山にあったという一定の考証がなされ、1984年4月にこの旧屋を中心に曹雪芹記念館が設立されました。

栄国府に関するまとめです。
北京~石家荘間の交通はやはり新幹線「和諧号」が便利です。現在は一日10便ほどですが、今後は増便されていくものと思います。
日帰りで石家荘を訪れる場合、現在のところ、北京西駅発の和諧号は、朝6時台と9時台にそれぞれ2本ずつ出ているものが利用できます。帰りは石家荘駅を17時代に2本出ているものに乗る必要があります(その後は21時台までありません)。

ということで、現在のダイヤでモデルケースを考えてみますと、
 北京西9:29→石家荘11:31(和諧号D565)
 昼食(30分)
 石家荘駅12:20頃→正定汽車站(201路バス)
 正定汽車站→栄国府13:20頃(1路バス)
 栄国府観光13:30~14:50
 栄国府→隆興寺(1路バス)
 隆興寺観光15:00~16:00
 隆興寺16:00頃→正定汽車站(1路バス)
 正定汽車站→石家荘駅17:00頃(201路バス)
   石家荘17:35→北京西19:32(和諧号D572)trip04
といった具合になります(正定県に行くのであれば隆興寺(左の写真)は必見です)。丸一日コースですね。

観光に要せる時間は3時間となり、栄国府と隆興寺だけを見るのなら十分ですが、趙雲廟を加えたいのであれば、できれば昼食は行きの和諧号内で済ませておきたいところ。
また、6時台の和諧号で出発できれば、広恵寺、天寧寺、開元寺などの古刹にも足が伸ばせそうです。

栄国府に関して、出発前に夕陽さんからいただいた質問の報告です。
結論からいえば、よく分かりませんでしたm(__)m

質問は次のものでした。
《紅楼夢》第3回で黛玉が栄国府に入った時に目にした建物の中で"两边厢房鹿顶耳房钻山"というのがありますけれど、"鹿顶"という屋根は実際にどんなものなのか

まず、確認になりますが、
「两边厢房鹿顶耳房钻山」は作中における栄禧堂の描写で、左右の廂房+鹿頂耳房+鑚山があることを示しています。廂房は正房の左右に直角に建てられる棟、耳房は正房の両側にある小室、鑚山(=穿山游廊)は正房と廂房を結ぶ渡り廊下です。

で、問題の「鹿頂」ですが、紅楼夢鑑賞辞典や紅楼夢語言詞典によれば、平頂(平屋根)の耳房のことを鹿頂耳房というようです(ただしネットで調べると違う解釈もあるようです)。つまり私に課せられた課題(^^;は、「正定栄国府で栄禧堂の耳房の屋根はどうなっているか」ということになりますね。

trip02  ということで、左の写真をご覧ください。
奥にあるのが栄禧堂の正房、右にあるのが耳房で、手前左が穿山游廊です。写真の左側に東廂房があります。位置関係はよろしいですね?

trop03   次に、
左の写真は賈政書房まで進んで見た耳房なのですが、どう見ても他の建物と同じ屋根のようです。平屋根とはとてもいえませんね。
つまり、「正定栄国府の栄禧堂の耳房の屋根は、他の建物の屋根と同じ」というのが今回の回答になります。

ただし、栄国府の紹介サイトでは「鹿顶耳房的格局(鹿頂耳房の構造)」と書かれていますので、鹿頂そのものの解釈が違っているのかもしれません。

24日に北京より帰国しました。
紅楼夢関連施設の調査旅行も今回で5回目となりますが、今回は主に以下の点を目的としました。

(1)正定栄国府
・石家庄市への長距離バス利用についての調査
・昨年まとめたレポートの再チェック
・昨年訪問できなかった箇所(鳳姐院や賈政院など)の調査
・本ページでパクれそうな(^^; 資料のチェック
(2)北京曹雪芹記念館
・レポートの9年振りの更新
・本ページでパクれそうな(^^; 資料のチェック

まず石家庄への長距離バスの利用についての報告です。
上記のとおり、石家庄市へは行き帰りとも長距離バスを利用しましたが、結果として、あまりお勧めできません(^^

 trip01

六里橋長途汽車站

デメ リットとして以下の3点が挙げられます。
(1)六里橋長途汽車站までの交通が不便なこと
公共機関を利用する場合、地下鉄「公主墳」駅でバスに乗り換え、「六里橋南」で下車し、徒歩で約5分ということになります。
バスを降りると看板も何も目印がない(これが困ります)のですが、バスが来た方向にちょっと戻り、最初の道を西側に250m行った先に、立派な汽車站の建物が現れました。
私は北京駅前のホテルに投宿していましたが、地下鉄北京站駅から汽車站まで1時間強を要しました。さすがにタクシー利用が無難かと...

trip02

石家庄汽車站

2)所要時間が余計にかかる場合があること
里橋汽車站と石家庄汽車站間は片道3時間半となっており、行きは3時間40分で到着しましたが、帰りは石家庄市内のラッシュにぶつかり、4時間半かかりました(往復8時間はキツカッタ(^^;)
このため、天候や交通事情によっては予定通りに到着しない可能性があります。

(3)座席が窮屈なこと
車内は日本の観光バスと同じで、エアコンもテレビもついていてそれなりに快適なのですが、新幹線(和諧号)に比べるとさすがに座席は窮屈です。

ただし、メリットもあります。
(1)すぐに切符が買えること
火車利用の場合、乗車直前に切符を買おうとすると切符売り場の長蛇の列に並ばないといけません。平日は比較的緩和されるとのことですが、国慶節前の休日に並んだ昨年は1時間近くも待たされました。急ぎの場合は前日までに往復で買っておいたほうが無難です。
これに対し、汽車利用の場合は、ほとんど待たずに切符が買えます(ただし、発車間際のバスは発券中止になるようですので、すぐに乗れるとは限りません)。

(2)本数が格段に多いこと
北京西站と石家庄を結ぶ新幹線(和諧号)もそれなりの本数が出ているのですが、日帰りで利用しようとすると、現在のところ、行きは6時台の2本と9時台の2本のみで、帰りは17時台の2本と21時台の2本のみです(特快や快速は多数あり)。
これに対し、六里橋~石家庄間のバスは6時から19時30分まで平均30分に一本出ており(ただし間隔は時間帯によって変わるようです)、時間の制約を受けずに観光できそうです。

ちなみにこの日の私の行程をご紹介すると
6時にホテルを出て7時すぎに六里橋汽車站へ。7時50分発のバスに乗り、11時半に石家庄汽車站に到着。12時半から15時まで栄国府の調査をし、趙雲廟と興隆寺を観光して17時半に石家庄汽車站に戻る。18時発のバスに乗り、22時半に六里橋に到着。ホテルに戻ったのは23時すぎでした。

このところ仕事に忙殺されていましたが、来週夏休み?を取って4泊5日で北京に行ってきます。先週やっと日程を決めて航空券を予約したばかりで、昨日と今日はホテルの予約、バスや地下鉄の路線確認、国内移動の手配などをしていました。しかし、燃油サーチャージ料金の高騰やオリンピックに伴う物価上昇に伴い、日数は昨年と同じでも費用はずいぶんかさみそうです。

滞在は実質3日間ですが、北京大観園、曹雪芹記念館、正定栄国府の再訪に一日ずつ当て、オリンピック関連施設の見学やグッズ収集にも走り回りたいと思っています。また、石家荘市へは今回は長距離バスで行ってみる予定です。

パラリンピックも17日に終わるので、観光地の混雑や移動に伴う規制も多少緩和されることを期待しています。オリンピックを終えて、昨年とは劇的に変わっている部分も多いと思いますので、その変化を見るのもまた楽しみです。

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